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【書評】戦艦「大和」レイテ沖の七日間 [書評]

戦艦「大和」に乗艦して、レイテ沖海戦に参加した偵察員の体験談です。


戦艦「大和」レイテ沖の七日間―「大和」艦載機偵察員の戦場報告 (光人社NF文庫)

戦艦「大和」レイテ沖の七日間―「大和」艦載機偵察員の戦場報告 (光人社NF文庫)

  • 作者: 岩佐 二郎
  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 2004/02/01
  • メディア: 文庫



偵察員とは、偵察機に乗って敵情視察をする役割です。
よって偵察機が発射されるまでは手もちぶさたで、戦闘の様子を観察することができました。また控え室が司令部が集まる艦橋の裏側だったため、提督の姿も度々目撃していたそうです。
期せず首脳部の近くにいた貴重な体験談が、本書にはもりだくさんです。
当時の「大和」艦長は森下信衛少将ですが、著者は操艦の見事さに何度も驚嘆の声を上げています。
大艦は舵がきくまで時間がかかりますが、曲がり始まると一気に回転します。
敵の攻撃がいつ、どのタイミングで来るのか見計らって事前に指示を出すのですが、爆弾や魚雷がまるで戦艦を避けていくかのように交わしていったといいます。
また戦場の様子はすさまじく、至近弾でも破片で次々と人間が倒れていきます。
直撃弾に注目しがちですが、機銃掃射やなど先頭に入ると艦は様々な被害を受けていきます。
体験者だからこそ語れる、そうした様子が克明に描かれています。

リアルな戦場の様子を知りたいひとのために!
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