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【書評】横山秀夫『震度0』 [書評]

組織と個人の葛藤を描く警察サスペンスです。


震度0 (朝日文庫 よ 15-1)

震度0 (朝日文庫 よ 15-1)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/04/04
  • メディア: 文庫



阪神大震災の翌日、警務課長が行方不明になります。
事件を追ううちに、闇の世界に生きる人物の影が見え隠れします。
キャリアである本部長と警務部長、ノンキャリトップである刑事部長、さらには将来の刑事部長や羨望の天下り先を狙う叩き上げの部長たちが、それぞれの思惑で動きます。
ラストは組織を守るために犠牲にされる個人の悲哀があぶりだされます。
あまりすっきとしない小説ですが、ドラマ化もされています。
レビューの評価はかなり分かれています。
小説の設定に「現実感がない」と感じた読者は低評価で、それなりの現実感を持って楽しめたひとは高評価になったのかなと感じます。
それぞれが保身のため、様々な犠牲者を生むのですが、組織人間としてはありうる話なのかなと思います。
個人的には高評価です。

本格警察サスペンスを楽しみたいひとのために!
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