第38期棋王戦第2局（郷田棋王ＶＳ渡辺竜王）

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郷田棋王は、名前の通り、剛直な棋風で知られています。
絶えず王道をめざし、どこか求道者のようは雰囲気で差し手を探し求める。
棋士には勝負師タイプと、求道者タイプがいます。
ぼくの判断では、大山十五世名人が勝負師タイプで、そのライバルの升田幸三が求道者タイプです。
郷田棋王が、その実力からするとタイトル４期は少ないように思います。
その理由は、勝ち負けより棋理を追求するタイプだからではないかと思っています。
だからこそ、郷田棋王の将棋は、ファンを引き付けてやみません。


【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/38/kiou201302230101.html

さて、将棋です。
お互いに純粋な居飛車党なので、戦形は絞られてきます。
今回は横歩取りになりましたが、先手の渡辺竜王が選択したのは青野流と呼ばれる、飛車を不安定な位置のまま攻撃体勢を取るという激しい作戦です。
そこから郷田棋王は飛車をぶつけて交換するという、妥協しない強い手を指します。
が、結果的にはこの時点で少し損をしたようです。
さらに渡辺竜王の３３手目の２四歩が絶妙の一手で、後手に歩で受けるのを強要して持ち歩を削ります。
僅かなリードを徐々に広げていく渡辺竜王のさしまわしが光ります。
郷田棋王もしっかりと受けて、緩手が来ると逆転するような罠をしかけますが、渡辺竜王は確実に地雷を避けていきます。
郷田棋王も離されないように踏ん張りますが、54手目の４一玉が痛恨のミスとなりました。
渡辺竜王の59手目３四歩を見落としており、ここで決定的な差がついたようです。
結果、83手まで、渡辺竜王の勝ちとなりました。

これで棋王戦は１勝１敗となりました。
第３局は3/10（日）に新潟市で行われます！