【書評】フランク・ブレイディー『完全なるチェス 天才ボビーフィッシャーの生涯』 [書評]
チェスの天才かつ奇人であったフィッシャーの生涯を丹念に追った伝記です。
フィッシャーはアメリカ人として初のチェス世界チャンピオンになり、アメリカ及びチェス界の英雄になります。
ところが、すでにそのころかた兆候がありましたが、対局会場や報酬など、ありとあらゆることに難癖をつけ、自分の思い通りにならないと対局を拒否するなど目に余る態度が目立ちます。
チャンピオンになってからも奇行は治るどころか悪化の一途を辿り、500万ドルもの賞金がかけられた防衛戦を拒否して世界チャンピオンの座を放棄すると隠遁のような生活に入ります。
その後、突如として復活して世界チャンピオンを争ったスパスキーと対局しますが、その後はまた世間から隠れて生活し、最後はアイスランドで亡くなりました。
本を読むと、フィッシャーは”損を極端に嫌う”傾向があったようです。利得を捨ててまで”損をしない”ことを選ぶ。その損には他人が自分を利用して利益を得る場合も含まれており、”お互いにWIN WINの関係”というのが許容できなかったように見えます。
この性格のせいで、多くのひとを傷つけ、困らせ、せっかくの才能を一時の開花でつぶしてしまいました。
かなり分厚い本であり、読み応えがあります。
このような人物がいた、ということを心に留めておくのも良いと思います。
フィッシャーはアメリカ人として初のチェス世界チャンピオンになり、アメリカ及びチェス界の英雄になります。
ところが、すでにそのころかた兆候がありましたが、対局会場や報酬など、ありとあらゆることに難癖をつけ、自分の思い通りにならないと対局を拒否するなど目に余る態度が目立ちます。
チャンピオンになってからも奇行は治るどころか悪化の一途を辿り、500万ドルもの賞金がかけられた防衛戦を拒否して世界チャンピオンの座を放棄すると隠遁のような生活に入ります。
その後、突如として復活して世界チャンピオンを争ったスパスキーと対局しますが、その後はまた世間から隠れて生活し、最後はアイスランドで亡くなりました。
本を読むと、フィッシャーは”損を極端に嫌う”傾向があったようです。利得を捨ててまで”損をしない”ことを選ぶ。その損には他人が自分を利用して利益を得る場合も含まれており、”お互いにWIN WINの関係”というのが許容できなかったように見えます。
この性格のせいで、多くのひとを傷つけ、困らせ、せっかくの才能を一時の開花でつぶしてしまいました。
かなり分厚い本であり、読み応えがあります。
このような人物がいた、ということを心に留めておくのも良いと思います。
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