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第7期叡王戦第3局(藤井聡太叡王VS出口若武六段) [将棋]

藤井叡王の連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

叡王戦第1局について、勝又清和七段が文春オンラインに興味深い記事を寄せています。
https://bunshun.jp/articles/-/54190?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=onlinePublished
特に出口六段が小学生団体戦に出場したときのエピソードが秀逸です。
明石将棋センターで研鑽する同じ小学生の友達と組んだのですが、あと1名足りない。そこでその友達が初心者の子にお願いして出場にこぎつけます。
もちろん初心者の子は勝てないのですが、西日本代表決定戦で予選を通じて初めて勝ち、自分の将棋そっちのけで喜んだそうです。
出口六段の人柄が忍ばれるエピソードだと思います。
上記にあるように、加古川将棋センター出身なので、師匠は井上慶太九段です。
初のタイトル戦は角番に追い込まれて苦しい状況ですが、兄弟子の菅井竜也八段につづいてのタイトル獲得を目指して、白星を持ち帰ることができたしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/kifu/7/eiou202205240101.html

ということで、将棋です。
戦型は若手らしく相掛りになります。
後手出口六段は歩損を受け入れる代わりに手得を主張する横歩取りのような展開になります。
52手目から未知の局面に入りますが、功罪はともかくとして藤井叡王の45手目には驚かされました。
数手前に右に寄ったばかりの玉を左に戻しました。
陣形に合わせて玉を移動する、手損をいとわない令和の感覚という気がします。
先に攻めたのは出口六段でした。角切りからゴリゴリと7筋を攻めていきます。
藤井叡王も反撃しますが、歩の上に成桂が乗って重い形です。出口六段はチャンスと見て、再びの角切りから銀を打ち込みます。
やや出口六段優勢で迎えた終盤戦ですが、すでに1分将棋です。
勝負を分けたのは91手目でした。藤井叡王の飛車打ちに、金打ちで弾きますが、ここは怖いですが金を節約するのが正解だったようです。
ただ、1分将棋ならやむを得ないかなと思います。
敗着とされた102手目の4二銀にしても、こう打ちたくなるところです。
出口六段は善戦しましたが、最後は藤井叡王の正確な終盤力に屈しました。

109手まで藤井叡王が3連勝し、これで叡王初防衛を決めました。
出口六段はインタビューで涙を流したそうですが、この悔しさは次の機会で晴らしてくれると思います。
藤井叡王はこれで史上2位のタイトル戦13連勝を達成です。
おめでとうございます!
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