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第80期名人戦第4局(渡辺明名人VS斎藤慎太郎八段) [将棋]

渡辺名人の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔主催者サイト〕
http://www.meijinsen.jp/

囲碁将棋チャンネルが、名人戦直前インタビューを無料公開しています。けっこうなボリュームがあります。
渡辺名人は130万のPCについて、「効率が良くなった」と話しています。
いままで局面の分析が不足していたために「不利と知らずに負けることが減った」と言います。
また、若手棋士との感覚の違いも語っています。
渡辺名人の世代は「固さこそ正義」で穴熊など玉を固めることを重視します。しかしAIは穴熊を評価しません。むしろ玉の広さやバランスを重視します。
「その感覚にどこまで寄せるか」と語っているように、AIと培ってきた感覚とのバランスに苦慮しているようです。
以前は現役プレイヤーとて長期的な見通しを語ることも多かったですが、藤井聡太という圧倒的な存在を前に、「そんなこと言ってられない」とインタビューでは危機感を露わにしています。
非常に貴重なインタビュー動画だと思います。
さあ、本局の渡辺名人は、どのようなどのような見通して挑むのでしょうか!

〔棋譜〕※棋譜は「徹底解説!将棋の定跡」様より。
https://www.youtube.com/watch?v=tUWQ1cX4DnI

ということで、将棋です。
先手は斎藤八段で、令和の相居飛車らしく相掛りに進みます。
斎藤八段の得意戦法は角換わりだからか、名人戦で先手相掛りは始めてです。
途中まではありそうな形でしたが、47手目に斎藤八段がいきなりの自陣角を、しかも8八に打ちます。
元々いた場所に打つのですから、かなり意表を突かれます。23分の考慮ですから、準備の手ではないかと思います。
その後、渡辺名人は長考しますが、54手目に今度は渡辺名人が3四銀とあえて香車を取らせる順をわずか5分で指します。
おそらく研究なのでしょう。
1日目は局面互角も残り時間に大きな差が付きます。斎藤八段残り3時間54分、渡辺名人6時間13分です。
いよいよ2日目です。
封じ手直後の局面は想定通りに進みますが、斎藤八段は長考を続けます。
やや不可解ですが、それだけ難しい局面だったのかもしれません。
飛車を強引に奪って飛車を打ち下ろしますが、持ち駒がありません。
ここから渡辺名人の反撃が始まります。
大駒をつかわず金銀のスクラムで押しつぶすというあまり見られない攻撃ですが、厚みは抜群です。
また玉を逃げ出す中空城になっているのも見逃せません。
斎藤八段も渡辺玉を龍2枚で追いかけますが、中盤が厚くてあと1歩足りません。
そのまま100手まで渡辺名人が押し切り、これで3勝1敗となり防衛まであと1勝と迫りました。

第5局は5月28日、29日に、岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われます!


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