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第64期王位戦挑戦者決定戦(羽生善治九段VS佐々木大地七段) [将棋]

佐々木大地七段が棋聖戦とのダブルタイトル戦に挑みます。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

佐々木大地七段は長崎県出身です。師匠の深浦康市九段も長崎県出身であり、同郷からか師弟の仲の良さは将棋界でも群を抜いていると思います。
深浦康市九段は羽生善治九段と何度もタイトルを争っています。
特に王位戦では第37期で羽生王位に挑戦して敗退したものの、第48期王位戦でリベンジして見事に初タイトルとなる王位を獲得しています。
さらに第49期で挑戦者として名乗りを上げた羽生名人(当時)を下して連覇を達成(以降3連覇まで伸ばす)しています。また、羽生九段とは棋聖戦でも2回タイトルを争っています(2回とも羽生勝ち)。
何度も鎬を削った羽生九段に、弟子が挑戦者決定戦という大一番で対局することに、師匠としてきっと感慨深いものがあると思います。
佐々木大地七段の得意戦法といったら相掛りです。
さあタイトル挑戦がかかる大一番に、佐々木七段の相掛りを見ることはできるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/64/oui202305180101.html

ということで、将棋です。
先手番は佐々木七段で、戦型は現代的な相掛りとなりました。
32手目にいきなり羽生九段がしかけ、と思いきやジリジリ銀を上げていくのがなんとなくAI的な感覚のような気がします。先に歩を突き捨ててから、攻撃陣を作るというのが、攻め棋風の羽生九段らしいとも言えるかもしれません。
戦いが進んでから、評価値的には互角ですが、羽生九段側は3二の金が玉から離れた遊び駒になっており、敵陣に作った成銀も重い形です。
対する佐々木七段は駒損であるものの駒効率が良く、玉も堅いので実戦的には先手勝ちやすい将棋になったかと思います。
評価値が大きく動いたのは、74手目の8二飛車打ちでした。
この手を境に一気に先手優勢から勝勢へとなります。
羽生九段は働きの悪かった飛車を大転回させて成り込むことに成功しますが、佐々木七段の攻めが一歩先を進んでいました。
羽生九段は間違えたら許さないという攻防の角を放ちますが、佐々木七段は読み切っていました。
117手まで捩じりあいを見事に制し、これで佐々木七段は藤井王位へのダブルタイトル戦を決めました。

王位戦第1局は、7月 7・8日(金・土)に愛知県豊田市「豊田市能楽堂」で行われます!
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