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【書評】宇田川武久『江戸の炮術~継承される武芸~』 [書評]

江戸時代の砲術について、関流砲術を題材に紹介です。


江戸の炮術―継承される武芸

江戸の炮術―継承される武芸

  • 作者: 宇田川 武久
  • 出版社/メーカー: 東洋書林
  • 発売日: 2021/04/22
  • メディア: 単行本



戦国時代や幕末には、多数の剣豪が登場しました。
様々な流派が生まれたわけですが、それは火縄銃でも同じでした。
各地で砲術が誕生し、各地で様々な工夫を凝らしたわけですが、そのうちのひとつが関之信を始祖とする関流です。
戦国時代の砲術家は特定の技能を持って仕える職人のような扱いで、武士とは違いました。
江戸時代になると各大名が武芸振興のために砲術家を抱えるようになり、先祖伝来の家業となっていきました。
火縄銃は数十メートルのイメージだったのですが、江戸時代には大きな銃も登場し、数キロ先まで届くような銃も登場します。
大掛かりな発砲である町打ちは殿様の隣席で行われ、成功すると褒美がでるなど、砲術家として大きな名誉であり、修行の節目になったようです。
当時の日本人は記録魔で、いつどのような修行をした。何発放って何個命中したとか細かく残っています。
だからこそ、現代のひとたちが、当時の生活を想像することができます。
それにしても、これは日本人の特色だと思いますが、本当に秘密主義です。そして神秘に包まれた名人を作りたがります。
この特色が多くの職人を産み出した原動力だとは思うのですが、オープン主義ならもっと技術も進んだのかなと思ったり。

知られざる江戸時代の砲術を知りたいひとのために!
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