SSブログ

第69期大阪王将杯王将戦第7局(渡辺明王将VS広瀬章人八段) [将棋]

フルセットで迎えた最終局です。

〔中継サイト〕
http://mainichi.jp/oshosen/

強者の特徴は、調子の波を抑えられることだといいます。
羽生善治も、対談で「不調は必ず来る。それを短く抑えられるかどうか」という主旨の発言をしています。
渡辺王将は昨年から春まで無敵状態で走り続けていましたが、竜王戦では連敗して2組降級となり、王位戦予選やNHK杯でも負け、叡王戦でもタイトル挑戦を逃すなど、春までの勢いは失っています。
それでも踏ん張り続け、順位戦では全勝を決め、棋王戦では3勝1敗と防衛に成功。
王将戦でも先に角番に追い込まれ、失冠の危機を迎えていましたが、第6局では粘り強く指し、一瞬の隙を見逃さずに逆転に成功しました。
王将戦の後は名人戦が待っています。
不調を脱し上がり調子で迎えられるか、それとも失冠して不調のまま迎えるかの分水嶺です。
タイトル防衛以上の価値がある一戦になると思います。
さあ、いよいよフルセットです。
勝利の女神は、どちらの棋士にほほえむでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/200313.html

先手番になったのは渡辺王将で、選択したのは矢倉です。
渡辺王将と広瀬八段は3歳違いですが、デビューは渡辺王将が5年も早いこともあり、矢倉戦の経験は渡辺王将が上回るかもしれません。
両者の対局で矢倉戦では過去6戦あり、渡辺4勝、広瀬2勝となっています。
序盤はお互い手探りですが、一日目から渡辺王将が飛車切りの猛攻を仕掛けます。
後手玉は薄いですが、先手玉も横腹が開いている中で相手に飛車を渡すわけですから、そうとうに怖い形です。
いきなりどちらが読み勝っているのかの正念場です。
二日目になり、渡辺王将はさらに馬もきって、ついに大駒がなくなります。
それでも後手の大駒か完全に抑え込まれており、玉飛接近の悪形もたたり飛車角を取り返されると、薄い後手玉に比べて固い先手玉と形勢がはっきりします。
広瀬八段も入玉含みで頑張ろうとしますが、大駒を取られながらの遁走なので見込みがありません。
最後は渡辺王将が広瀬玉を追い詰め、153手までの完勝となりました。
苦しみながらも王将を防衛し、これで王将通算4期、タイトル獲得数は25期となりました。

渡辺王将おめでとうございます!
nice!(10)  コメント(1) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 1

ロコときどきキナコ

はじめまして☆拙ブログに御来訪&niceをありがとうございました。
by ロコときどきキナコ (2020-03-26 23:16) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。