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第71期王座戦第2局(永瀬拓矢王座VS藤井聡太竜王名人) [将棋]

永瀬王座の先勝で迎えた第2局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/

ABEMAの王座戦の動画を見ると、永瀬王座の藤井愛が溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=EuBzlo46uA0&feature=youtu.be
初体面は炎の七番勝負ですが、そこからVSをするようになったようです。
永瀬王座というと努力のひとですが、自分の努力は一番ではない、藤井七冠が上だと明言しつつも「二番ではある」と断言するのも永瀬調です。
「人間では藤井さんには勝てない。人間を超えた存在にならないと」というのは、デビュー当時の藤井四段を評した高野秀行六段の「性能の良いマシンが参戦すると聞き、フェラーリやベンツを想像していたら、ジェット機が来たという感じ」に並ぶ名言になるかもしれません。
9分という長さも絶妙です。
この動画を見て王座戦を観戦すると、また、興味がわくかもしれません。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/71/ouza202309120101.html

ということで、将棋です。
第1局で藤井竜王名人の先手番をブレイクした永瀬王座。この先手番をキープすれば防衛に大きく近づきます。
この大事な一番で選んだ戦型は、角換わりです。研究が最も活きやすい戦型ですし、藤井竜王名人が受けて立つ可能性の高い戦型でもあります。
角換わりとというと後手番がいかに工夫するかですが、本局の藤井竜王名人の作戦は意表の右玉でした。
藤井竜王名人が右玉を選択するのは非常に珍しいです。お互いに手の内を知り尽くした両者なので、永瀬王座の研究を警戒したのかもしれません。
待機戦術か、と思わせて仕掛けたのは意表の右玉側からでした。
本局の藤井竜王名人はアグレッシブかつ予想がつきません。さすがの永瀬王座も研究範囲外だったのか、ここから考慮時間が目立ちます。
藤井竜王名人も研究範囲外であることは、考慮時間が物語っています。
お互いの力が試されるガチンコ勝負です。
永瀬王座は先手番らしく、玉側の桂馬を交換して、先に角を盤上に放って局面を動かしていきます。
ただ、結果的には藤井竜王名人の反撃で桂損となり、角の活用にも苦労したので期待した効果は得られませんした。
その後、一瞬だけ永瀬王座にもチャンスがあったようですですが、優勢になった藤井竜王名人は先手陣に駒を配置して、堅い先手玉の攻略より入玉を目指します。
これは永瀬流の負けない将棋です。
永瀬王座も投了せず、点数が足りないまでも相入玉を目指して前進します。
最後は永瀬王座が少しでも点数を増やそうと駒を取りに行ったところで藤井竜王名人が即詰みに討って取りました。
214手の熱戦でした。

1勝1敗で迎える第3局は、9月27日(水)に愛知県名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で開催されます!
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【映画】インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク [映画評]

映画史に残るランドマーク、これぞザ・エンタメです。


インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》 [Blu-ray]

インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Blu-ray



公開は1981年。
考古学者かつトレジャーハンターであるインディ・ジョーンズが、ナチスと不思議な力を持つアークを奪い合います。
とにかくストーリーが直線的で、分かりやすいです。敵味方も最初から明確です。
映画は南米でジョーンズがトレジャーハントをしているシーンから始まります。
もちろピンチと脱出の連続で、助かったと思ったらまたピンチ。
このシーンでインディ・ジョーンズの世界観を見せつつ、さらにライバルでありインディが見つけた宝を奪う悪徳考古学者も登場と、ストーリーの方向性も示します。
次のシーンは大学です。そこで上層部からの依頼という形で主人公の冒険の目的を明示されます。
目的はアークですが、アークがナチスに奪われて悪用されたら良くないことが起こることが示唆されます。
失敗したら悪いことが起こると示すもの、エンタメとしてポイントが高いと思います。これぞザ・エンタメです。
使命感を持ったインディは、冒険にでかけます。ネパールに行き、カイロに飛び、謎を解いてアークを獲得したと思ったらまた奪われて、奪回したと思ったらさらに奪われる。
一本調子にならないように、ユーモアや軽いラブシーンも挟み込みます。
ときおり無理なシーンもありますが、そこは勢いで押しきります。エンタメを知り尽くした監督ならではの映画です。
さすがはジョージルーカスとスティーブンスピルバーグです。
製作費18百万ドルに対して、興行収入3億8千万ドルの大ヒットです。
アカデミー賞9部門ノミネート5部門受賞の栄誉を成し遂げ、1999年にはアメリカ国立フィルム登録簿にも登録され、歴史的作品となりました。

インディ・ジョーンズシリーズのスタートを体験したいひとのために!
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【書評】ジャンナ・レヴィン『重力波は歌う~アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち~』 [書評]

2016年、LIGOが重力波を検出するまでの科学者たちの人間模様です。


重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)

重力波は歌う――アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち (ハヤカワ文庫 NF)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/09/21
  • メディア: 文庫



いかにもアメリカ的な本です。
著者は科学者であり、かつ作家でもあるのですが、重力波より、LIGOをめぐる科学者たちの人間模様が中心となっています。
当初は3人の協力体制から始まり、いろいろな軋轢が生じ、ついにドレーバーが追い出されます。
重力波検出の歴史を見ると、やはりウェーバーの影響は大きいと思います。
彼の作成した検出器は失敗で、データの恣意的解釈によって非難を浴びました。
ですが、不可能と思われていた重力波を検出しようと思い立ち、しかも実際に実験器具を作成して、困難に立ち向かった勇気は称賛されるべきだと思ます。
ウェーバーの挑戦が、LIGOに繋がったのかなと思います。

重力波検出をめぐる科学者たちの人間模様を知りたいひとのために!
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