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【映画】禁じられた遊び [映画評]

中田秀夫監督による「エンタメ+ホラー」の融合作です。

〔公式サイト〕
https://kinjirareta-asobi.jp/

〔原作〕

禁じられた遊び (本のサナギ賞受賞作) 禁じられた遊びシリーズ (ディスカヴァー文庫)

禁じられた遊び (本のサナギ賞受賞作) 禁じられた遊びシリーズ (ディスカヴァー文庫)

  • 作者: 清水カルマ
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: Kindle版



原作はシリーズ10万部を突破した人気ホラー、清水カルマの同名小説です。
主人公は重岡大毅演じる会社員の伊原直人です。郊外の一軒家で家族と幸せに過ごしていました。
ある日、息子の春翔が庭でトカゲの尻尾を見付けます。直人は「尻尾を埋めてお祈りをすればトカゲが復活するよ」と小さなウソをつきます。
その後、交通事故で妻の美雪が死亡し、息子の春翔も重症となります。
春翔は一命をとりとめますが、春翔は父直人の小さなウソを信じ、美雪の指を埋めて呪文を唱えることで母親を復活させようとします。
これが1本目の軸です。
もう1本の軸が、橋本環奈演じる直人の元同僚の倉沢比呂子です。
倉沢は既婚者である伊原に淡い恋心を抱いていましたが、いまは退社してフリーのカメラマンになっています。
その彼女の元に、次々と奇怪な現象が起き始めます。
という感じの映画です。
映像技法は詳しくないのですが、映画の前半で、俳優を画面の中央からずらしたり、不安定な構図を多用するのが上手いと思います。
一見すると普通のシーンに見えて、なんとなく不安を覚えてしまいます。
そうした普通に見えるシーンに様々な伏線が仕組まれており、これらがラストが近づくにつれて次々と回収されていく構成の妙があります。ああ、あの不思議な不安感はここに繋がるのかと、何度も感心しました。
途中でお笑い芸人長谷川忍(シソンヌ)演じる大門謙信という胡散臭い霊能力者が登場します。
もう登場するだけで笑ってしまうのですが、この笑いと、シリアスな場面との落差が自分的にはツボです。Tシャツのゴロを見ただけでうさん臭さが倍増するのですが、プログラムを読むと狙っていたようです。さすがです。
エンタメ映画に、3の法則があるそうです。
失敗・失敗・成功の流れですが、この3の法則を踏まえつつ(完全に当てはまっているわけではありませんが)、ラストでさらにもう一段階捻りを加えて、さらに捻るという最後まで観客を安心させない、飽きさせない工夫が見事です。
また謎解きの要素もあります。
当初は違和感を覚えていても、後で秘密が解き明かされることで、真の意味が分かる仕組みです。
裏の主人公である美雪を演じたファーストサマーウイカの演技が絶賛されています。
春翔を演じた正垣湊都の演技も見事で、調べたらもうテレビドラマに多数でているベテラン子役(変な言い方かもしれませんが)なのですね。
多数起用されるだけはあると、納得です。
復活の呪文「エロイムエッサイム」ですが、実は歴史のある言葉で漫画『悪魔くん』、実写映画『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛エロイムエッサイム』など、様々なメディアの作品で使われているだけでなく、そもそもの初出は中世ヨーロッパの魔術書だそうです。
というのを、プログラムのコラムで知りました(笑)
細かいところまで目配りの効いた映画だと思います。

「エンタメ+ホラー」の快作を楽しみたいひとのために!
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【書評】髙橋洋一『韓国、ウソの代償~沈みゆく隣人と日本の選択~』 [書評]

文政権になってからの韓国分析と日韓関係です。


韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択 (扶桑社新書)

韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択 (扶桑社新書)

  • 作者: 髙橋 洋一
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2019/09/01
  • メディア: 新書



まず最初に徴用工問題から始まります。
著者の結論はゲームの理論と同じで、いわるゆしっぺ返しです。
では制裁として何が良いのかと言うと、日本に害がなく韓国に被害を与えるもの、つまり金融制裁です。
後半は経済専門家らしく、日韓の経済政策についてです。
基本的にはマクロ経済を理解していない文政権の政策を批判していますが、返す刀で日本の民主党も被弾しているのに、少し同情したり。

現代の日韓関係について分析したいひとのために!
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