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【映画】2001年宇宙への旅 [映画評]

オールタイムベストに相応しいSF映画の傑作ですが、ラストが難解です。


2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

2001年宇宙の旅 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: Blu-ray



公開は1968年。
この時代の映像技術には様々な制約があったはずなのに、とにかくリアルに拘っています。
宇宙船内における無重力、宇宙空間は音が伝わらないので無音になる、宇宙空間は空気がないので遠くまで鮮明に見える。
こうした科学的知識が、正確に表現されています。この1968年とは思えないこだわりの映像美が本作の見所です。
さてストーリーですが、構造としては直線的で単純です。
冒頭に猿人が登場します。彼らは謎の直方体の物体を発見します。その物体と出会い、道具を使うことを覚えて、他の種族を圧倒していきます。
次は未来へと飛びます。
月面上の基地のそばで謎の直方体が発見され、その調査に科学者が動員されますが結論はでません。
最後はメインの木星探査です。
宇宙船はHALというコンピューターで制御されていますが、そのコンピューターが暴走を始めたため、クルーはHALを止めることを決意します。
そこで映像が流され、木星探査の真の目的が明かされます。
その目的とは、謎の直方体の物体が400万年前に埋められ、木星に向かって信号を発信していたことが判明したためその調査の必要性からでした。
未知との遭遇を極秘にするために、この事実は木星直前までクルーに隠されていたのです。
そして主人公は急に時空を飛び越えます。
老人が食事をするシーン、死の床につく老人ときて、最後は宇宙空間に浮かぶ胎児で終わります。
これ原作を知らないと意味不明かと思いますが、謎の直方体の名前はモノリスで、これは生物の進化を促す効果があります。
モノリスは他の惑星にいる知的生命体によって設置され、地球の進化を促進するのと同時に、現状をウォッチする役目を与えられています。
ラストシーンは原作にはないので解釈困難ですが、「主人公が精神となり宇宙と一体化した、これがモノリスの目的」という意味のようです。
本作は映画史上のベスト・ランキングの常連で、アメリカ国立フィルム登録簿にも保存されています。
製作費は約12百万ドルで、興行収入1億5千万ドルと興行的にも成功しました。

オールタイムベストの常連映画を堪能したいひとのために!
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【書評】能條純一『月下の棋士』 [書評]

強烈な棋士たちによる将棋漫画です。


月下の棋士 全32巻完結(ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

月下の棋士 全32巻完結(ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

  • 作者: 能條 純一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • メディア: コミック



連載は1993年~2001年です。
ちょうど谷川浩司の全盛期から羽生世代へのタイトルの世代移行が行われる時期にと重なります。
実際の棋士がモデルになってる登場人物が多数登場していますが、それぞれ能條純一らしい極端なキャラ立ちがされており、特に谷川浩司がモデルとなっている名人滝川幸次は鬼気迫るものがあります。
ストーリーとしては、奨励会に入った氷室将介が、名人滝川幸次に勝つまでですが、狂気をはらむ心理描写の深さはまさに能條純一です。
wikiには大和天空のモデルが出ていませんが、スキンヘッドであることから花村元司としか思えないのですが、どうでしょう。

あの時代を感じたい将棋ファンのために!
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