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第78期名人戦第6局(豊島将之名人VS渡辺明二冠) [将棋]

豊島名人の3勝2敗で迎えた第6局です。

〔中継サイト〕
http://www.meijinsen.jp/

最年長初名人獲得の記録は、米長邦雄の49歳です。その次が加藤一二三の42歳で、3番目は升田幸三の39歳です。
米長邦雄は何度も挑戦するも中原誠、谷川浩司に負け続け、加藤一二三の場合は前半は升田幸三と二上達也、後半は米長邦雄の活躍でなかなか名人挑戦までたどり着けませんでした。升田幸三は大名人の木村義雄と巨人の大山康晴だけでなく、絶頂期に戦争に取られるという不運もありました。
渡辺明は36歳なので、獲得したら記録しては4番目となります。
実力から言えば遅すぎるぐらいですが、渡辺明がA級入りしたときは羽生善治と森内俊之が名人を争っていた時代であり、なかなかその間に割ってはいることができませんでした。
森内俊之がフリークラスに転出し、羽生善治もタイトル戦線から遠ざかることで、ようやく名人挑戦にたどり着きました。
米長邦雄と加藤一二三と似ているといえば似ています。
次世代のヒーローである藤井聡太棋聖がひたひたと順位戦の階段を上がりつつあります。
チャンスを逃すと次があるかどうかわかりません。渡辺明ほどの棋士が名人経験が無いというのも寂しすぎます。
さあ、渡辺二冠はチャンスをつかみ取ることができるでしょうか!

〔棋譜〕※ロックショウギさんからお借りしました。
https://6shogi.com/78meijinsen6/

先手渡辺二冠の選択は矢倉でした。
名人戦だけでなく棋聖戦でも、渡辺二冠は先手番で矢倉を積極的に採用しています。
研究勝負となりがちな角換わり腰掛銀をさけけているのかもしれません。
後手豊島名人は急戦含みで駒組が進み、初日の午前中で駒がぶつかります。
お互いに攻めたり受けたりの複雑な押し引きが続きますが、二日目になり渡辺二冠の73手目、5三歩が好手だったようです。
不思議なたれ歩ですが取りづらく、ここから一気に攻め合いに突入します。
豊島名人は3一玉と受けの勝負手を放ちますが、渡辺二冠は緩むことなく飛車切りを念頭においた歩成りを決行します。
この踏み込みが勝因だったと思います。
受けが難しくなった豊島名人ですが、先手玉が不詰みと読みきりると、王手をかけることなく投了しました。いつもの豊島名人ならもう少し指していたと思いますが、心が折れたのかもしれません。
99手まで渡辺二冠が勝利し、これで4勝2敗と初の名人位を獲得しました。
豊島竜王はまたもタイトル防衛に失敗し、このままいくと強いのにタイトル防衛できないという珍記録が生まれそうです。
失陥に気落ちすることなく、叡王戦、竜王戦では奮闘してほしいと思います。

渡辺新名人おめでとうございます!
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