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第61期王位戦第3局(木村一基王位VS藤井聡太棋聖) [将棋]

藤井聡太棋聖の2勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/oui/

藤井棋聖が17歳で棋聖を獲得したニュースが棋界を超えて日本中に流れました。
特に通算タイトル25期で、現役三冠の渡辺明から奪取しただけに価値が高いです。
4局を通じて見た印象ですが、藤井棋聖の中盤から終盤の入口にかけての強さが際立っています。
特に第4局では渡辺棋聖が中盤まで有利でした。ところが中盤を抜けたところでは藤井棋聖が逆転していました。
王位戦の挑戦者決定戦でも同じような流れで、終盤というよりその手前で逆転していました。
光速の寄せといえば谷川浩司十六世名人ですが、藤井棋聖は寄せも鋭ければ、寄せの手前の見切りも抜群だと思います。
また終盤になってから間違えません。だから不利になっても突き放されず、相手がミスした瞬間に逆転です。
相手としたら、一瞬たりとも油断ができません。
王位戦第2局でも藤井棋聖は終盤で逆転しています。
木村王位はここで負けるとかなり苦しくなります。さあ、おじおじこと木村王位はここで踏ん張れることができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/61/oui202008040101.html

ということで、将棋です。
一時期は寝ても覚めても角換わりという時代でしたが、先手藤井棋聖の選択は最近増加中の矢倉となりました。
流行の移り変わりは早いものです。
後手木村王位が堂々と金矢倉に組めば、先手藤井棋聖はバランス重視の土居矢倉に構えます。
二日制らしいじっくりとした長考合戦となり、封じ手の時点では互角です。
封じ手以降、木村王位は棋風に忠実に受けに徹します。7三にいた攻撃の銀をわざわざ5三まで寄せますが、反撃の味がないまま藤井棋聖に十分な攻撃体制を築かれてしまい、勝ちにくい将棋になったのかなと思います。
69手目以降はひたすら藤井棋聖が攻めます。
木村王位の頼みの綱は入玉で、珍しく藤井棋聖にミスが出て一瞬だけ評価値が互角に戻ります。
しかし、これは薄い互角で、非常に見えにくい正解手を指してこその互角です。
一瞬だけ木村王位にも光が見えましたが、最後は藤井棋聖がさすがの終盤力を発揮してこれで3連勝となりました。

木村王位は149手まで粘ったものの、後がなくなりました。
第4局は8月19日、20日に福岡県福岡市で行われます!

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