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【書評】森鴎外『阿部一族外2編』 [書評]

森鴎外の初期歴史小説3編収録です。


阿部一族―他二編    岩波文庫

阿部一族―他二編 岩波文庫

  • 作者: 森 鴎外
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/12/14
  • メディア: 文庫



収録されているのは以下の3編

興津弥五右衛門の遺書(1912年)
阿部一族(1913年1月)
佐橋甚五郎(1913年)

時代背景としては、乃木大将の殉死があります。
収録された3編は殉死直後から翌年に書かれたもので、前半2編は殉死を扱っています。
年号でいうと大正元年から2年ですが、この頃になると言文一致が確立され、現代人でも違和感なく読み進めることができます。
表現法にしても雅な文体は駆逐され、硬質な、簡素な記載になっています。
最初読んだとき、全て作者の創作かと思っていたのですが、いずれも歴史的事実から着想を得ていることを知りびっくりです。

森鴎外を親しみたいひとのために!

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第59期王位戦第5局(菅井竜也王位VS豊島将之棋聖) [将棋]

2勝2敗の五分になっての第5局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

現在、レーティング1位は豊島棋聖ですが、両者の対戦成績は菅井王位の7勝4敗とリードしています。
相性とかそういう問題ではなく、豊島棋聖がレーティング1位になったのはここ1年ほどなので、若干偏りが見られているのだと思います。
お互いの相性がでてくるのは、これからだと思います。
トップ棋士同士でも、実力以上に対戦成績に差がでているパターンが見られます。
おそらく最初に偏った結果、必要以上に意識をしてしまっているのかな、と感じます。
7勝4敗という対戦成績は、まだまだこれから、といった感じです。
さあ、2勝2敗の五分から先に抜け出すのは、どちらの棋士でしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/59/oui201808290101.html

ということで、将棋です。
先手菅井王位が選んだのは向かい飛車でしたが、あとで三間に振りなおします。手損を重視しない現代将棋らしい作戦です。
らしいといえば駒組も現代的で、金銀三枚で囲うのではなく、相手の動きを見ながら臨機応変に金銀二枚で軽く囲い、あとは全体のバランスで勝負です。
お互いの駆け引きを感じる序盤です。
本格的な戦いが始まったのは二日目から。
玉頭方面での勢力争いがひと段落したところで、豊島棋聖は8八に角を打ち、駒損を回復しながら、馬を9九、8八、7八と活用します。
が、この活用に時間を要している間に1筋から攻められ、苦境に陥ってしまいました。
優勢になった菅井王位は角を成りこんで挟撃体制を引いたとことで勝負ありました。
133手まで菅井王位が勝利し、初防衛まであと1勝と迫りました。
第6局は9月10・11日(月・火)、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で行われます!

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最近の日常【平成30年8月下旬】 [日常]

〔夜行バスの話〕
1年ぶりに夜行バスに乗った。
特段会社は決めていないので、そのときどきで、空いていて安い会社を選択している。
したら、行きのバスがなかなかなかで、各椅子にテレビがついていて、映画やテレビを見ることもできれば、ゲームもできます。
4列シートですが前後ろはゆったりで、リクライニングを倒したも後ろにはいかない構造になっています。
夜行バスもなかなかやりますね。
とおもっていたら、帰りはギューギューで難渋しましたが(汗)

〔甲子園に行った話〕
八月前半の話。甲子園にいってきました。
応援しているチームが3塁側だったので、3塁側アルプススタンドです。
後ろ側は大応援団です。
アルプスだけにNHKのテレビカメラがうろうろしていて、1列前の子供たちが撮影されていました。
親子3人より子供3人の方が被写体としてよかったらしい。
単にルックスの問題かもしれませんが(笑)
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【書評】二葉亭四迷『浮雲』 [書評]

言文一致で書かれた日本の近代小説の始まりを告げる作品です。


浮雲 (岩波文庫)

浮雲 (岩波文庫)

  • 作者: 二葉亭 四迷
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2004/10/15
  • メディア: 文庫



同じく近代小説の始まりを告げる作品に森鴎外『舞姫』があります。
『舞姫』が文学的なのに対し、『浮雲』は市井の人々の暮らしを、男女の三角関係を中心にユーモアたっぷりの筆で活き活きと描いています。
明治時代のエンターテイメント小説です。
前半は江戸時代風の雅な言い回しが散見されますが、後半になるにつれて消えてきます。
また語り手として作者が顔を出すこれまた江戸時代的な書き方も、第三編にはすっかりとなくなり、小説としての形を成していきます。
この時代の作品としては、驚くほど読みやすいです。
二葉亭四迷の文学的才能を感じます。

近代文学の始まりを体験したいひとのために!
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第31期竜王戦挑戦者決定戦3番勝負第2局(深浦康市九段VS広瀬章人八段) [将棋]

深浦九段の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

広瀬章人八段はA級棋士であり、タイトル1期の堂々たる一流棋士です。
ところが、ネットでは「羽生善治に魂を抜かれた男」として有名になってしまいました。
これは王位戦の最中に、少し上を向いて考えていたら白眼になってしまい、その瞬間が静止画に取られてしまったものです。
上を向いて考える棋士としては三浦弘行九段がいますが、まあ、広瀬八段はタイミングが悪かったのでしょう。
連続静止画で中継されるのはタイトル戦だけなので、これもひとつの勲章なのかもしれません。
さあ、広瀬八段は挽回の1勝を挙げることができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/31/ryuou201808270101.html

ということで、将棋です。
最近の深浦九段は雁木系を多用していますが、今回も雁木調の駒組みでした。
そこから相手の飛車先の歩を切らせてから四枚矢倉に組むという凝った序盤をみせます。
序盤は広瀬九段のペースとの見方が大勢でした。そこから中盤戦で深浦九段が逆転したと見られました。
深浦九段の攻めに、金銀6枚を持つ広瀬八段が粘る展開です。
ここからが長い将棋でした。
深浦九段が広瀬玉を寄せにいきますが、先手も玉を逃げ回り、途中で馬を引き寄せたりして容易に決まりません。
徐々に後手の攻めが細くなり、上部を抑える駒が少ないこともあり、ついに逃げ切ることに成功します。
その後も根性で深浦九段は指し続けますが、大勢を覆すことができませんでした。
231手まで先手広瀬八段が勝ち、決着は第3局に持ち越されました。
第3局は9月6日(木)に東京・将棋会館で行われます!

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【公募情報】第25回小諸・藤村文学賞 [公募情報]

原稿用紙10枚程度のエッセイの募集です。

【主催者HP】
http://www.city.komoro.lg.jp/doc/2018041900010/

藤村とは苗字ではなく名前です。
島崎藤村は小諸で6年間教師として勤務し、その縁でエッセイ賞が制定されました。
テーマは不問で、小諸市市外からの応募も可能です。
ただ、テーマがないだけに書きにくいかもしれません。
原稿用紙10枚程度、一般部門の応募締切は平成31年1月31日です!

<募集要項抜粋(一般部門)>
募集内容:随筆
テーマ :不問
大  賞:賞金30万円
制限枚数:原稿用紙10枚程度(上限11枚)
応募締切:平成31年1月31日
応募方法:郵送

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創作状況【8月下旬】 [ぼくの公募状況]

なかなか涼しくなりませんねえ。

【メルマガ原稿】
 今月のメニューはこちらです。
◆こんな公募に挑戦してきました(第10回)
 ~第5回星新一賞の巻~
◆リアルタイム企画・TO-BE小説工房に挑戦中(第41回)
◆公募情報数点
 貴志祐介『青の炎』を取り上げる予定でしたがメルマガの順番を入れ替えて【こんな公募に挑戦してきました】~第5回星新一賞~を掲載します。
 メルマガ登録はこちらから。もちろん無料です!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【TO-BE小説工房】
 最後にあれこれ修正して投稿する。来月用はおおむね出来ているので、いまは新しいテーマ待ち。

【星新一賞】
仕事に余裕がでてきた……わけではありませんが、「早く帰れ」との強い指令が出ているので、仕事を放置して推敲を開始する。この作業がけっこう好きなんだよなあ。新しいイメージがいろいろと湧いてきて。
どこまで仕事を放置してよいのかどうかは、よくわかりませんが。
とりあえず長くなりすぎたので、創元SFに回します。
それで第2案のバカSFを採用することに。

【創元SF短編賞】
星新一賞用の作品をこっちに回します。枚数に余裕がでたので、新しい設定を入れて少し壮大にしてみるつもり。
まあ、ささやかな壮大さですが。

【北区内田康夫ミステリー文学賞】
 もう投稿時期まで1ヶ月じゃないか。まずいなあ。

【福島正実SF童話賞】
 アイデアだけメモしておきます。

【ゆきのまち幻想文学賞】
 とりあえず2年分のストックはあるので、いま考えているねたはもう少しアイデアを練りこみます。方向性がなかなか見えない。

【ミステリーズ!】
 整理したいと思いつづけて、はや数ヶ月……。

【FACEBOOK】
友達募集中です!
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007879718530
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【公募情報】第3回楽農川柳コンテスト [公募情報]

農業について学び、実践し、体験ができる兵庫楽農生活センターが主催です。

【主催者HP】
https://www.hyogo-rakunou.com/event/SenryuuContest2018.pdf

テーマは「わたしの楽農生活」です。
仕事は楽しいのが一番で、農業も同じだと思います。
農家のなり手が減少する一方ですが、こうした「楽しい農業」を実践することで、少しでも就農者を増やしたいのが公募の狙いかな、と勝手に想像します。
応募締切は平成30年10月20日(土)必着、応募点数はお一人様につき3点までです!

<募集要項概要>
募集内容:川柳
テーマ :わたしの楽農生活
最優秀賞:米40kg(玄米)
応募締切:平成30年10月20日
応募方法:インターネット、郵送、FAX、持参

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第59期王位戦第4局(菅井竜也王位VS豊島将之棋聖) [将棋]

菅井王位の2勝1敗で迎えた第4局です。

【王位戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

菅井王位には「竜棋会」という後援会組織があります。
https://www.ryukikai.net/
会員を見ると、そうそうたる棋歴の持ち主から児童まで幅広いです。ブログを見ても、様々なひとが活発に交流している様子がうかがえます。
相撲のタニマチとは異なりますが、こうした応援組織があること自体が、菅井王位の人柄をしのばせると思います。
さあ、王位防衛に向けて白星を積み重ねることはできるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/59/oui201808220101.html

ということで将棋です。
後手菅井王位は角道をあけたまま四間に振りますが、角交換はせず、ノーマル四間飛車となります。
序盤は豊島棋聖がリードします。銀桂交換の駒損ながら、龍を作り、菅井王位の金銀はバラバラと勝ちやすい形勢になります。
ここから菅井王位は食らいつきます。好転しないまでも、悪化しないようについていきます。
竜でふさがれている箇所に打った3三角など、はっとさせる手を指します。
しかし、豊島棋聖は最後まで冷静でした。
リードを広げられなくても、着実に終盤に向けて歩み続け、自玉は安全なままで菅井玉を寄せ切りました。
強いというより、盤石な内容だったと思います。

これで2勝2敗のタイとなりました。
第5局は8月29日(水)から30日(木)にかけて、徳島県徳島市の「渭水苑」で行われます!
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最近の日常【平成30年8月中旬】 [日常]

〔長距離運転の話〕
競走馬には巡航速度があると思っている。
基本的に競走馬は短距離走者なので、ゴール前以外はゆっくりと走る。
このゆっくりのスピードが競走馬によって異なる。
長距離が強い馬がコテっと負けるときは、このスピードの差が原因ということがままあったりする。
自分が長距離運転するとき、だいたい80kmぐらいで走行する。
これが一番疲れないといいますか。
アクセルが一定なので、下り坂は100kmぐらい。登り坂は70kmぐらいになります。
ちょいちょい休憩というか仮眠しながらです。
安全第一ですね。はい。

〔車から異音がした話〕
車から異音がした。
ボンネットの方から、耳鳴りのような音がする。
常時ではなく、止まったときとか、動きはじめとか、そうした状態のときにときおり発生する。
高速走行に移ったり、時間がたったりすると消える。
不安になったのでいつもの場所に持ち込んだが、そのときは絶好調でまったく音はせず。
事象を確認しないと判断できないということで、しばらく様子見となりました。
まあ、大したことはなさそうですが、なんだかなあと。

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