近代日本文学の幕開けとなる本です。
小説神髄 (岩波文庫)
- 作者: 坪内 逍遥
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/06/16
- メディア: 文庫
江戸時代の日本文学は戯作と呼ばれる勧善懲悪を中心とした作品が主でした。
それを西洋小説のように人情を中心とすべき、という論が中心で、後半に技術論が出てきます。
”日本の小説は主人公がはっきりしない”という主旨の論説があり、ああなるほど、と合点がいきました。
古きものを否定していますが、文体的には江戸時代の雅な文章を引きづっており、パイオニアの苦しみを感じます。
どちらかというと、歴史的資料として読む本だと思います。
日本文学史を勉強したいひとのために!