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【映画】ブラック・クランズマン [映画評]

いきなり最後に政治的アピールが挿入されてびっくりです。


ブラック・クランズマン [Blu-ray]

ブラック・クランズマン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • 発売日: 2020/05/08
  • メディア: Blu-ray



舞台は黒人差別が色濃く残っている1970年代のアメリカ・コロラド州です。
初の黒人警察官となった主人公が、一部白人の嫌がらせを受けながら、黒人でありながら白人至上主義団体への潜入調査を開始します。
主人公は電話役、相棒のユダヤ人警察官が実際に白人至上主義団体の集会に参加し、情報収集をします。
ちなみに白人至上主義は、ユダヤ人も激しく排斥します。そのため、まさに命がけの潜入です。
何度もバレそうになりながら、最後は彼らの爆破計画を阻止します。
これがメインストーリー。
サブとして黒人解放運動のリーダーとなっている女子学生と主人公の恋があります。捜査のために彼女に近づくのですが、徐々に親密度を増して、二人は恋人同士となります。
主人公は警察官としての立場をとるか、恋人としての立場をとるか悩みます。
事件解決後ですが、署長の命令で白人至上主義団体への捜査は中止させられ、資料の破棄を命じられます。
署長は差別的感情を持っていないため、つまり、これは市民の意識にまだまだ黒人差別が強いことを示したエピソードだと理解しました。
そして、ラストで唐突に2017年に起きた白人至上主義団体のデモ行動がカットインされます。
うーん。
日本人は概ね単一民族で、人種差別の体験がないので、このあたりの感覚がいまいちピンときません。ただ、人種差別の歴史がある国々とっては、刺さるシーンなのかなと思います。
個人的にはもっとピンチ、ピンチの連続で迫って欲しかったですが、すると映画の目的から外れるんでしょうね。
製作費15百万ドルに対して、興行収入93百万ドルの成功作で、カンヌ映画祭で審査員特別グランプリを受賞しています。

エンタメ+人種差別問題の映画を見たいひとのために!
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【書評】澤宮優『世紀の落球~「戦犯」と呼ばれた男たちのその後~』 [書評]

ひとつの落球でバッシングを受けた選手たちの物語です。


世紀の落球-「戦犯」と呼ばれた男たちのその後 (中公新書ラクレ)

世紀の落球-「戦犯」と呼ばれた男たちのその後 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 澤宮 優
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2020/08/06
  • メディア: 新書



取りあげられているのは3つです。
北京五輪で落球したGG佐藤、伝説の箕島・星陵戦で延長16回裏の落球、何でもないシーズン途中の落球が後日大騒動になった阪神・巨人戦での落球です。
取材するのは勇気がいったと思いますが、なぜエラーしてしまったのかそれまでの経緯を整理し、さらに選手たちの気持ちを丹念に引き出していると思います。
エラーもそうですし、バッシングで苦しむ家族の姿には、辛いものがあります。
エピソードの中でも、伝説の箕島・星陵戦の後日談が胸を打ちます。
名将は、よい人間を育てるのだなと、思います。

世間を騒がせたプレーのその後を知りたいひとのために!
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第3期ヒューリック杯白玲戦第4局(里見香奈白玲VS西山朋佳女流三冠) [将棋]

里見白玲の1勝2敗で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/

白玲戦創設の会見で、ヒューリックの西浦三郎会長は「本当の意味の実力が出てくるのではないかと、順位戦という形をとらさせていただいた。女流棋士にはもっと強くなってほしい」と発言しています。
同主旨の発言は別の場でもなされており、これは本心だと思います。
白玲戦が誕生したとき、ベテラン女流棋士が「中位にはなりたい」と発言していましたが、結果は見事に沈没しました。
上を目指す女流棋士には励みになり、現状維持を望む女流棋士は落ちていく。順位戦はそういう厳しい面もありますが、順位戦効果か女流棋界の底上げは確実になされていると思います。
奨励会1級から女流棋界入りした今井絢女流初段ですが、数年前なら無双していたと思いますが、そのような状態にはなっていません。
全体的にレベルアップしている中で、二人は女流最高峰の戦いを見せてくれるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/hakurei/kifu/3/hakurei202309300101.html

ということで、将棋です。
西山女流三冠はいつもの振り飛車で、先手の里見白玲はこれまたよく採用する二手損居飛車を採用します。
二手使って居飛車に戻すなら最初から居飛車でもと思いますが、やはり振り飛車党の感覚として振り直すほうがしっくりくるのかもしれません。
採用するのはほぼ里見白玲のみなので、オリジナル戦法と言えるかもしれません。
中盤の難所を乗り越えて、先に抜け出したのは里見白玲です。
美濃崩しの6二銀と打ったあたりは快勝譜になるかと思いましたが、AIによるとここは角が正着のようです。
5一歩と受けられた後、5三角と金を取りながら成り返るときに、7一に利きがあるということなのでしょう。
ただ、まだまだ里見白玲にチャンスのある局面でしたが、77手目に6九香と自重した手で流れがおかしくなります。
里見白玲は後手の攻めがひと段落した瞬間を狙って5四桂と打ちますが、普通にむしり取られて、龍の利きがそれた瞬間にラッシュを食らいます。
終盤力でひっくり返した西山女流三冠が勝利し、これで3勝1敗と白玲復帰まであと1勝としました。

第5局は10月14日(土)、京都府京都市「ザ・ゲートホテル京都高瀬川」で行われます!
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