【映画】サイコ [映画評]
ヒッチコックの最高傑作とも言われるサイコスリラーの傑作です。
製作は1960年。全編白黒映画です。特にシャワー室での絶叫シーンが有名ですが、実は映画が始まってから30分ほどの前半のシーンです。
さてストーリーですが、男女の情事から始まります。ただ男性には借金や前妻との子への養育費の支払いなど経済的問題があり、結婚に踏み切れません。
女性は不動産会社ですが、4万ドル(当時は破格の大金)の不動産を現金で購入する顧客が現れ、女性は銀行への入金を命じられます。
しかし、女性は突発的に持ち逃げしてしまいます。
警察から不審がられながらもモーテルにたどり着きますが、そこは母子で経営するさびれた場所です。
母は息子に女が付くことを嫌っており、女性がシャワー室にいるすきに襲い掛かり殺してしまいます。
息子は母親をかばう為に証拠隠滅をはかります。
大金を持ち逃げした女性を追って、今度は私立探偵が来ます。この私立探偵もモーテルが怪しいと睨みますが、またもや母親に返り討ちにされます。
そして女性の妹と恋人が、真相を暴きにモーテルに向かいます。
というストーリーです。
非常にシンプルな構成で、オチをどう活かすかという部分に注力した脚本だと感じます。
主人公は宿屋の青年ですが、前半30分は女優が主人公です。たぶんサービスでしょうけど、大金を持ち逃げしているという緊迫感が、細かい動作で繰り返し表現されており、ドキドキしてしまいます。
宿屋の青年がでてきてから、ますますサイコスリラーになるのですが、趣味として剥製を作っていること、母親が精神病であること、母親を偏愛していることなど、そうした様々な要素がシャワー室での殺害シーンの前に凝縮されています。
だからこそ、シャワー室の殺害シーンが際立つのかなと思います。
登場人物も絞られ、全編にわたりおどろおどろしい音楽が流れ、鏡や影の使い方など、素直にうまいなと思います。鏡の使い方は後世の映画に影響を与えているのではないかと思います。
さて肝心のオチは、いまなら途中で推測が付きます。
ですが、なにせ1960年代の作品です。本作が原案であり、類似アイデアが様々な映画で採用されたことで広まった可能性があるのかなと。
初めてこのオチを知ったひとは、仰天すると思います。
本作は映画会社が乗り気ではなかったため、製作費はヒッチコックが負担しました。
しかし製作費約80万ドルに対して、興行収入5千万ドルと60倍以上の収益を上げる大成功作品となりました。
ヒッチコックの傑作スリラーを体感したいひとのために!
製作は1960年。全編白黒映画です。特にシャワー室での絶叫シーンが有名ですが、実は映画が始まってから30分ほどの前半のシーンです。
さてストーリーですが、男女の情事から始まります。ただ男性には借金や前妻との子への養育費の支払いなど経済的問題があり、結婚に踏み切れません。
女性は不動産会社ですが、4万ドル(当時は破格の大金)の不動産を現金で購入する顧客が現れ、女性は銀行への入金を命じられます。
しかし、女性は突発的に持ち逃げしてしまいます。
警察から不審がられながらもモーテルにたどり着きますが、そこは母子で経営するさびれた場所です。
母は息子に女が付くことを嫌っており、女性がシャワー室にいるすきに襲い掛かり殺してしまいます。
息子は母親をかばう為に証拠隠滅をはかります。
大金を持ち逃げした女性を追って、今度は私立探偵が来ます。この私立探偵もモーテルが怪しいと睨みますが、またもや母親に返り討ちにされます。
そして女性の妹と恋人が、真相を暴きにモーテルに向かいます。
というストーリーです。
非常にシンプルな構成で、オチをどう活かすかという部分に注力した脚本だと感じます。
主人公は宿屋の青年ですが、前半30分は女優が主人公です。たぶんサービスでしょうけど、大金を持ち逃げしているという緊迫感が、細かい動作で繰り返し表現されており、ドキドキしてしまいます。
宿屋の青年がでてきてから、ますますサイコスリラーになるのですが、趣味として剥製を作っていること、母親が精神病であること、母親を偏愛していることなど、そうした様々な要素がシャワー室での殺害シーンの前に凝縮されています。
だからこそ、シャワー室の殺害シーンが際立つのかなと思います。
登場人物も絞られ、全編にわたりおどろおどろしい音楽が流れ、鏡や影の使い方など、素直にうまいなと思います。鏡の使い方は後世の映画に影響を与えているのではないかと思います。
さて肝心のオチは、いまなら途中で推測が付きます。
ですが、なにせ1960年代の作品です。本作が原案であり、類似アイデアが様々な映画で採用されたことで広まった可能性があるのかなと。
初めてこのオチを知ったひとは、仰天すると思います。
本作は映画会社が乗り気ではなかったため、製作費はヒッチコックが負担しました。
しかし製作費約80万ドルに対して、興行収入5千万ドルと60倍以上の収益を上げる大成功作品となりました。
ヒッチコックの傑作スリラーを体感したいひとのために!
【書評】ブリュノ・ロリウー『中世ヨーロッパ 食の生活史』 [書評]
あまりの肉食に驚きです。
本書が扱っているのは12世紀~16世紀です。
貴族や高位聖職者は肉食が許される日は大いに肉食を楽しみ、現代では食卓に上らないような様々な鳥類(天に近いほど高貴な食べ物ととされていた)を食し、ほかにも羊、豚、牛を食べました。肉食がNGの日は、様々な魚が調理されていたようです。
メニューを見ただけで、その豪華さが伝わってきます。
庶民は豪勢な食事をすることはできませんでしたが、飢え死にすることは少なかったようで、3000~4000キロカロリーという現代人もびっくりするほど栄養を取っていたようです。
読んでいるだけで、おなかが一杯になりそうな本です。
知られざる中世ヨーロッパの食の祭典を知りたいひとのために!
本書が扱っているのは12世紀~16世紀です。
貴族や高位聖職者は肉食が許される日は大いに肉食を楽しみ、現代では食卓に上らないような様々な鳥類(天に近いほど高貴な食べ物ととされていた)を食し、ほかにも羊、豚、牛を食べました。肉食がNGの日は、様々な魚が調理されていたようです。
メニューを見ただけで、その豪華さが伝わってきます。
庶民は豪勢な食事をすることはできませんでしたが、飢え死にすることは少なかったようで、3000~4000キロカロリーという現代人もびっくりするほど栄養を取っていたようです。
読んでいるだけで、おなかが一杯になりそうな本です。
知られざる中世ヨーロッパの食の祭典を知りたいひとのために!