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第31期女流王位戦第3局(里見香奈女流四冠VS加藤桃子女流三段) [将棋]

里見香女流王位の連勝で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

加藤桃子の父は奨励会在籍経験があり、のちに高校将棋部の顧問を務めています。母は女流アマ名人への出場経験があるという将棋一家に育ちました。
加藤桃女流三段が将棋を覚えたのは5歳で、その環境から、英才教育を受けてきたといっても過言ではないと思います。
母のつながりで高柳敏夫一門の指導を受けたそうですが、高柳一門は名門中の名門で、中原十六世名人をはじめとして、清水市代女流六段など棋士10人、女流棋士5人の大所帯です。
将棋に関する環境にも恵まれ、既にタイトル8期と才能を開花させることができました。
ある棋士が「将棋界にはコーチがいない」と表現していました。
チェス界では世界大会の前にはチームを組み、対戦相手の研究から調整までチーム一丸となって取り組むと聞いたことがあります。
ところが、将棋界には仲間同士の研究会はあってもチームという概念はありません。結局のところ、自ら考え、自ら強くなるしかありません。
里見香女流王位とは8連敗中とかなり苦戦していますが、加藤桃女流三段は、強くなった姿を師匠たちに見せつことができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/31/joryu-oui202006170101.html

ということで、将棋です。
里見香女流王位の先手中飛車に、意地でもはるかのように後手加藤桃女流三段は穴熊を採用します。
積極的に仕掛けたのは加藤桃女流三段です。
そこから里見香女流王位がやや無理気味に端攻めで反撃します。角を見捨てての猛攻です。
激しい玉頭戦となりますが、中盤、加藤桃女流三段が叩きの歩を省略したことで、先手の勢力が上回ります。
加藤桃女流三段も粘りますが、優勢になってからの里見香女流王位の指しては確実でした。
危なげなくリードを広げ、踏み込むときは踏み込み、まさに圧巻の内容だったと思います。
143手まで里見香女流王位がこのまま押し切り、3連勝で防衛を果たしました。
これで6期目の女流王位です。

里見香女流王位おめでとうございます!
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