第31期女流王位戦第２局（里見香奈女流四冠VS加藤桃子女流三段）

里見香女流王位の先勝で迎えた第２局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

加藤桃女流三段は、第７期女流王座戦で里見香奈女流王座(当時)相手にいきなり２連勝と追い込みました。
ところが、そこから３連敗でタイトル奪取に失敗すると、女流王将戦でも２連敗で挑戦をはねのけられ、さらにマイナビ杯の決勝で敗れました。さらに女流王位戦の第１局でも敗れ、これで７連敗です。
加藤桃女流三段が里見女流王位からタイトルを奪ったことがありますが、それは里見女流王位が体調不良で苦しんだ時期です。
これが本来の実力差だと言えば、その通りかもしれませんが、お互いにまだ若く伸びしろは十分にあるはずです。
加藤桃女流三段は第１回女流王座戦で清水市代を破るなど、いままであっと言わせる活躍を何度も見せてくれました。
マイナビ杯でも３冠を保持し、奨励会三段リーグで次点を取った西山女王相手を土俵際まで追い詰めました。
とても７連敗するような棋力差はないと思います。
いままで何度も奇跡をみせてくれた加藤桃女流三段ですが、苦しいいまこそ、「あっ」と言わせる活躍を見せてくれるできるでしょか！

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/31/joryu-oui202006090101.html

ということで将棋です。
後手里見香女流王位の選択はゴキゲン中飛車でした。対する加藤桃女流三段は、まるで意地をはるかのように穴熊にこもります。
後手は着々と中飛車の理想形といわれる陣形に組み上げたところで、隙ありと桂頭からしかけていきます。
加藤桃女流三段も華々しく対抗し、飛車を切り飛ばして攻めます。
しかし、６４手目に駒損して作った好意の馬を消されては、後手有利がはっきります。
さらに駒得した里見香女流王位は金を自玉の頭に貼り付け、後手の攻めの種駒である金まで除去することに成功します。
苦しい加藤桃女流三段は粘りますが、里見香女流王位は自然な対応で優位を広げていきます。
最後は緩んでも勝ちのところを華麗に即詰みに打ち取り、里見香女流王位が持ち時間を半分以上残す快勝劇で、これで防衛まであと１勝となりました。

第３局は、６月１７日（水）に関西将棋会館で行われます！