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第78期名人戦第3局(豊島将之名人VS渡辺明三冠) [将棋]

豊島名人の1勝1敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://www.meijinsen.jp/

豊島名人は、谷川浩司九段から「名人候補ではなく、名人になるべき棋士」と評されてきました。
初タイトル獲得まで時間を要しましたが、2018年に棋聖を獲得すると、呪縛から解き放たれたかのように次々とタイトルを獲得します。
ところが、過去2回の防衛戦はいずれも破れ、まだ防衛したことがありません。
王位戦ではフルセットの末に木村九段に破れ、最年長初タイトル獲得記録の引き立て役となってしまいました。
渡辺三冠は前年度に棋聖を奪われた相手です。
叡王戦挑戦者決定戦では2勝1敗と難敵を下しましたが、やはりタイトル戦で勝ってこそです。
コロナの影響でタイトル戦のスケジュールが逼迫し、名人戦第2局と第3局の間に叡王戦第1局が行われました。
その叡王戦第1局で挑戦者の豊島名人は、見事に永瀬叡王から先勝を挙げています。
苦労して獲得した名人です。大タイトルを1期で譲り渡すわけにはいきません。
さあ、豊島名人は叡王戦第1局の勢いそのままに、名人戦第3局でも勝つことができるでしょうか!

〔棋譜〕※棋譜はロック将棋さんから
https://6shogi.com/78meijinsen3/

後手渡辺三冠は角換わりを拒否し、最近採用が増えている雁木模様を採用します。おそらく力戦でいくとの意思表示でしょう。
この渡辺三冠の構えに、なんと豊島名人は1日目の午前中、対局開始1時間もたっていない段階でしかけていきます。
この仕掛けが急所に刺さり、1日目の午前中から渡辺三冠の苦悩が始まります。
歩得の上に相手玉頭に位を3つも取った豊島名人優勢は疑いありませんが、渡辺三冠も我慢に勝負手を挟むことで、離されずについてきます。
早い時間の終局も予想されていた将棋が、思わぬ夜戦に突入します。
最終盤で評価値的には離れますが、渡辺三冠は先手が一手でも間違えたら即詰みに打ち取るところまで局面を持っていきます。
持ち時間も残り少なく、豊島名人には時間との勝負もあります。
そして、ギリギリ逃げ切りました。
終局時刻は21時22分、145手の熱戦となりました。
あの序盤を思えば、渡辺三冠の追い込みは驚異的ですが、
名人戦第4局は、少し間が空いて7月27日、28日に名人戦定番のホテル椿山荘で行われます!
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