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【映画】カポネ [映画評]

アルカポネの晩年を描いたフィクションです。


カポネ [Blu-ray]

カポネ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2021/06/02
  • メディア: Blu-ray



アルカポネは1899年生まれで、主に1920年代にシカゴで暗躍した有名なギャングです。
1931年に逮捕されて1939年に出所しますが、梅毒の症状が悪化して、認知症の症状がでていました。
本映画は、出所後のアルカポネを主人公としています。
事実をもとにした部分はありますが、ノンフィクションではないようです。
アルカポネは豪邸に住みますが、金銭的にはひっ迫し、失禁するなど日常生活も困難になっています。
妄想もひどく、ときおり現実との区別がつかなくなります。
妻はそうしたアルカポネを献身的に介護します。
そうしたアルカポネとは別に2つの軸があります。
ひとつが隠し子のトニーです。トニーはときおりブルックリンから電話してきますが、まともな会話もせずに切ります。
アルカポネはトニーのことを気にかけてる様子が描かれます。
ふたつめの軸は隠し資産1000万ドルです。アルカポネは隠し場所を忘れています。
FBIもこの資金の行方を追っており、監視名目で捜査員が目視を続け、自宅を盗聴しています。
出入りの医者には、資金の行方を引き替えで、司法取引を持ち掛けます。
しかし、カポネは資金の場所を思い出すことはなく、映画は終わります。
隠し子も最後には自宅に来て、カポネと手をつなぎます。
という感じで、どうもはっきりしない終わり方です。
妻の献身をメインにすることもできたかな、と個人的は思えます。
1000万ドルもここまでひっぱって、不明で終わるというのもなんかなあと。広げた風呂敷が閉じていない感じがします。
ただ、アル・カポネを演じトム・ハーディーは熱演だったと思いますし、豪邸の風景とか、映像はとても良いと思います。
結果として、興行収入は75万ドルと百万ドルにも達しませんでした。残念。

トム・ハーディー演じるアルカポネを見たい人のために!
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第50期岡田美術館杯女流名人戦第4局(西山朋佳女流名人VS福間香奈女流四冠) [将棋]


西山女流名人の1勝2敗で迎えた第3局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/

福間女流四冠は、今年の1月1日に結婚を発表しました。
相手は元奨励会三段の福間健太氏で、子供ネット将棋教室を開催しています。
奨励会は平成27年に年齢制限で退会しているので、もう7年も前になります。第55回奨励会ではあと1勝で昇段という状態から痛恨の3連敗。次の第56回奨励会では6勝12敗と大きく負け越し、ここで無念の退会となりました。
奨励会三段リーグは通算で勝ち越しているので、プロ棋士になれる実力はあったはずです。
ただ、少し運が足りなかった。
そういう印象があります。
福間健太氏の兄も元奨励会員で、将棋バーを経営しています。
将棋カップルの誕生が、また、新たな力を生み出してくれることを期待したいと思います。

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryumeijin/kifu/50/joryumeijin202402250101.html

ということで、将棋です。
先手が福間女流四冠、後手が西山女流名人です。
西山女流名人の向い飛車に対して、福間女流四冠は中飛車から居飛車に振りなおす福間女流名人のみが採用しているオリジナル作戦を採用します。
福間女流四冠は、西山女流名人が穴熊を目指しているのをみて、角道をあけないまま右銀を繰り出す急戦をしかけます。
47手目の局面をみると、後手桂得でと金もありますが、銀がそっぽなのでいい勝負のように見えます。
その後、逆に駒得になった先手福間女流四冠が角2枚で後手の龍を押し返し、金と成桂とと金の交換をして局面をすっきりさせたところで先手優勢がはっきりしてきたと思います。
その後、後手陣の急所である7四桂打ちが入ってからは、粘るのが難しい形勢になったと思います。
121手まで福間女流四冠が勝利し、これで3勝1敗で女流名人に復位を果たしました。

福間女流名人おめでとうございます!
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【書評】小林丸々『1話1分 本当はこわい話 4』 [書評]

人気シリーズの第4巻です。


本当はこわい話4 だましたはずが、だまされる (角川つばさ文庫)

本当はこわい話4 だましたはずが、だまされる (角川つばさ文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: 新書



一見すると普通の話だが、よくよく考えると怖いストーリーが潜んでいる。
そんな掌編が23個集まっています。
今回はやや分かりやすい話と、複数の解釈が可能な話が多かった気がします。
この当たりのバランスが難しいのですが。
『スギテルトムタシーニナル』や『時をとまれ』などの使い古されたパターンも見られますが、個人的には『外れた大予言』などは新鮮に感じました。
本当の意味を知ってから読み直すと、いろいろと不自然な点が散見されますが、ああなるほどなあと思わされます。
『旧校舎の4階に行く方法』は良いですね。
ラスト1行の手前にある伏線がよく効いています。

奇妙な話を楽しみにたいひとのために!
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