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【映画】ウォーターワールド [映画評]

USJのアトラクションにもなっているSF映画です。


ウォーターワールド [Blu-ray]

ウォーターワールド [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: Blu-ray



舞台は世界が海没した近未来です。
人々は前文明が残したわずかな遺物を奪い合い、それで辛うじて生活していました。
主人公は海に特化すよう進化した海人間です。耳の後ろにエラを持ち、足指には水かきがついています。
さてさて物語ですが、伝説のドライランドを巡る争いです。
ある水上都市にドライランドへの地図が刺青された少女がいました。その少女を奪うためにスモーカーズが街を襲います。
その街で捕らわれていた主人公ですが、混乱のさなかに脱出し、いきがかりで少女とその保護者である女性を助けて海に脱出します。
二人は主人公と生き方も考え方も違いますが、徐々にお互いを理解し、親愛の情を抱くようになります。
その少女ですが、ついにスモーカーズに捕まります。
主人公はスモーカーズの本拠地に乗り込んで少女を救います。
とまあ、ざっくりと、こんな感じです。
主人公を演じるのはケビン・コスナー。
服装が世紀末をイメージしますが、いかんせん、みんな肌が奇麗です。紫外線を浴びまくっているわりに、とても健康的で、ちょっと微妙です。
世紀末をアピールする様々なイベントがありますが、ちょっとズレている感じがしないでもありません。スモーカーズはガンガンにガソリンを使っているし、銃器もバシバシ打ちまくっているし。
この辺りはエンタメ重視なのでしょう。
脚本は基本に忠実だと思います。最初に人間関係の葛藤が描かれ、ともに行動するうちに徐々に解決していき、最後は捕らわれた仲間を救出する。
助かったと思わせてから2回危機が訪れるのも、3の法則に忠実といったところでしょうか。2回とも危機の度合いとして、うーん、という部分がありますが。
ミッドポイントは、ヒロインにクレヨンを貸すところでしょうか。
主人公と二人が和解して、真に力を合わせるようになるシーンです。
以降はアクションが続きます。
撮影には大変苦労したようで、1億75百万ドルもかかりました。対する興行収入は2億64百万ドルで、赤字にはならなかったようですが、製作費を考えると苦戦です。
評論家の評価は「無駄に贅沢なSF映画」とのことですが、概ね同感です。

ケビンコスナーの活躍を楽しみたいひとのために!
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【書評】大西喬『艦隊ぐらしよもやま物語』 [書評]

太平洋戦争時の兵隊暮らしを描くよもやま物語の11番目です。


艦隊ぐらしよもやま物語

艦隊ぐらしよもやま物語

  • 作者: 大西 喬
  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 1983/05/01
  • メディア: ハードカバー



著者は大正6年生れで、昭和11年に入営します。
まだまだ平和な時代で、若手時代には後には伝統となる鉄拳制裁を受けるときもありましたが、それは限られたときだけで、乗艦した巡洋艦「古鷹」ではほとんど行われなかったそうです。
戦時中になると鉄拳制裁が頻繁に行われたそうですから、余裕のなさが、人間を暴力に向かわせるのかもしれません。
平和な時代は失敗談などの愉快なエピソードが続きます。
戦争に突入してからも、優勢な時は1名の戦死者に皆が涙を流し、丁重に扱うのですが、戦争が苛烈になるにつれて戦死者はただの数になっていきます。
著者は水雷屋として駆逐艦に乗艦し、幾多の戦場に駆り出されます。最初の乗艦「夏潮」は撃沈され、次の乗艦があの好運艦「雪風」だったことから戦争末期まで生き残り、上陸してからは海軍航空学校の教員となり、最期は本土決戦の準備をしているところで終戦となります。
著者は乗艦時代は暗号解読も担当していたことから、だいたいの戦況を把握しており、戦果発表に疑問を持ち続けます。
本土への帰還や休暇を喜び、味方の戦果や損害に一喜一憂し、あるときは覚悟を決め、次々と危険な任務を押し付けてくる上層部に反感を覚えたり、といった人間らしい姿が自然体で描かれています。
ラストで自分の軍歴が書かれた考課表を燃やすのですが、「いま、私の海軍での青春が、煙となって消えていくのを見つめるばかりであった」との文章が胸に響きます。

太平洋戦争における普通の軍人たち様子を知りたいひとのために!
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