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【映画】ホビット/決戦のゆくえ [映画評]

ホビット三部作の完結編です。


ホビット 決戦のゆくえ [Blu-ray]

ホビット 決戦のゆくえ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: Blu-ray



物語は竜と人間との戦いから始まります。
激戦の末にバルドが打ち取りますが、町は壊滅状態となり、復興資金を得るために竜の財宝を手にしたドワーフたちの元に向かいます。
ちなみに財宝をもって逃げようとする総統は竜の下敷きになって死亡し、腰ぎんちゃくの執権は財宝に目がくらんだ総統によって川に落とされたことで、結果的に助かります。
ドワーフたちの王、トーリンは財宝に目がくらんでしまいます。
アーケン石を執拗に追い求め、仲間たちとの溝が広がっていきます。
ホビットのビルボはそのトーリンを見て、アーケン石を押し寄せてきたエルフと人間に渡します。エルフも竜に奪われた財宝を回収しにやってきたのです。
取り引きを拒否して戦いを選択するトーリン。
ここにトーリンの従弟のドワーフ軍がやってきて一触即発になりますが、オーク軍がやってきて共同で立ち向かいます。
しかしトーリンは動きません。財宝に目がくらんでしまったのです。
戦いが激しくなるなかでトーリンは自らの間違いに気が付き、ついに戦いにでます。
エルフの王は被害の大きさに撤退を決意しますが、エルフの若者、レゴラスとタウリエルは戦い続けます。
最後はトーリンとアゾクの一騎打ち。相打ちとなりますが、アゾクを打ち取ることに成功します。
ホビットは元の村に帰っていきます。
というストーリーです。
テーマは和解であり、相互理解です。
それぞれ立場も目的も違うエルフ、人間、ドワーフが、共同の敵のために最後は集団で戦います。おまけに森の魔法使いや、熊人間も参戦です。
逃げ惑う市民たちですが、後半ではそれぞれが武器を持ち、力の強弱にかかわりなく力を合わせます。
こうした集団の階層の和解もあれば、個人間での和解もあります。中心はトーリンと仲間たちの和解です。
集団階層のミッドポイントは共同で戦うところ、個人階層のミッドポイントはトーリンが我に返るところかなと。
アクション要素ですが、大将同士の一騎打ちはお約束です。これがないと、エンタメという感じがしません。
アゾクを倒したと思った瞬間、実はまだ生きてきて、復活するのもお約束です。
こうしたエンタメの基本を押さえているラストだと思います。
エピローグは指輪物語の冒頭のシーンに繋がります。
ドワーフたちのキャラが良いです。13人と多人数ですが、体型や髪形、年齢を極端に変えて、名前は覚えられなくてもだれがだれだかすぐにわかる仕組みです。
いかつい坊主頭は武闘派、白髪の老人は知恵者と、見た目だけでキャラが分かります。
こうした工夫も嬉しいところです。
三部作を合わせて、たんまりと楽しめる映画だと思います。
製作費2億50百万ドルに対して、興行収入9億62百万ドルと3部作通じて安定したヒット作となりました。

指輪物語の前日譚を完走したいひとのために!
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第28回高橋源一郎「小説でもどうぞ」で『禁酒禁煙禁ギャンブル』が佳作をいただきました。 [受賞報告・自作掲載]

ありがたいことに、5回目の佳作です。ちなみに選外佳作7回。
W選考委員会版だと最優秀賞1回、佳作2回です。


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〔高橋源一郎 小説でもどうぞ〕
https://koubo.jp/article/25054

〔作品 齊藤想『禁酒禁煙禁ギャンブル』〕
https://koubo.jp/article/25082

本作は擬人法の応用です。
えっどこがと思われますが、途中で酒や煙草と思われる小道具を登場させておいて、実は違いました、という流れは完全に擬人法です。
オチはインフレーション技法です。

(続きは3月5日発行のメルマガで)

―――――

という感じで、自分のメルマガでちょっとした解説を書いています。
毎月、創作に役立つミニ知識をメルマガで公開していますので、ぜひとも登録を。
もちろん無料です!


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【書評】吉野次郎『サイバーアンダーグラウンド~ネットの闇に巣食う人々~』 [書評]

日経ビジネスの記者が、取材を通じて知ったネットの裏世界を見せます。


ダークウェブの教科書 匿名化ツールの実践 (ハッカーの技術書)

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  • 作者: Cheena
  • 出版社/メーカー: データハウス
  • 発売日: 2019/09/07
  • メディア: 単行本



前半は警察の範疇の犯罪、後半は国家規模の闇です。
第一部で取り上げられているのは「ハッカー」「やらせレビュー」「振り込め詐欺」「アダルト」です。第二部は「北朝鮮」「スパイ」「フェイクニュース」「監視社会」です。
第一部はよく知られている話ですが、「犯罪集団に生態系が完成していると、撲滅が難しい」という話は印象的です。
資金提供者がいて、ノウハウを指導するひと、人や道具を調達するひと、これらがシステム化してまうと、とかげの尻尾である詐欺集団を摘発しても、次から次へと新しい詐欺集団が現れるそうです。
犯罪撲滅の難しさを感じます。
第二部だとハッカーを爆殺した話が印象に残りました。
ゲームのアカウントを乗っ取られた恨みから、11歳の少年がハッカーとなり、刑務所でテロ集団に洗脳され仲間になってしまう。
そして国家から危険視され、トップの判断ひとつで、1万6千キロ離れた先から、無人機で爆殺される。わずか21歳の生涯。
このような世界が、身近にあることに驚きです。

ネットの闇を知りたいひとのために!
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