SSブログ

【映画】センター・オブ・ジ・アース [映画評]

ジュール・ヴェルヌ『地底旅行』を原作とするSF映画です。


センター・オブ・ジ・アース [Blu-ray]

センター・オブ・ジ・アース [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2015/12/23
  • メディア: Blu-ray




メインキャラは3人です。
主人公は『地底旅行』が事実であると信じる冴えない地質学者。兄も同じ研究をしていましたが、探検中にに行方不明となり、主人公が兄の研究室を引き継いでいます。
もうひとりのメインキャラが兄の息子です。現代っ子で、神話を信じません。母とカナダに移住予定ですが、その手続きの間だけ主人公と一緒に住むことになります。
最後のメインキャラがヒロインとなる山岳ガイドです。彼女の亡父も『地底旅行』を信じて研究を指定していますが、娘は亡父のことを信じていません。
さてストーリーです。
主人公の研究室が閉鎖される直前に、兄が仕掛けた地震計が作動します。兄の研究を信じて主人公と甥は現地に向かい、そこで山岳ガイドと一緒になり、山に向かいます。
そこからあれこれあって、坑道に閉じ込められ、出口を探しているうちに地底世界へとたどり着きます。
兄の研究は本当だった。
そこから3人で力を合わせて地底世界からの脱出を目指します。
さてさて、3人のキャラですが、それぞれ考え方が違います。
一番大きな違いは『地底旅行』を信じるかどうかですが、映画の前半で地底世界へと放り込まれたことで早々にこの葛藤は解決してしまいます。
主人公と甥との葛藤も冒頭で少しでてきますが、地震計を探しに行く段階で甥はノリノリになっていて、これまたあっというまに解決です。
あとはひたすドタバタした活劇が続きます。かなりハチャメチャです。
いちおう伏線が貼って合って後半に回収されますが、いまいち効いていないのは、さすがに突飛すぎて伏線もへったくれもないからなのかもしれません。
CGも2008年の割には……という感じがしましたが、予算の関係なのかもしれません。
ヒロイン役を演じたアニタ・ブリエムはとても健康的な美人で、好感が持てます。
製作費60百万ドルで興行収入2億42百万円のヒット作で、続編も作られています。興行的には大成功です。

懐かしい感じがするSF映画を楽しみたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

【書評】名川光美『海軍機関学校よもやま物語』 [書評]

戦争末期に海軍機関学校に入校した生徒の回顧録です。


海軍機関学校よまやま物語 (イラスト・エッセイシリーズ)

海軍機関学校よまやま物語 (イラスト・エッセイシリーズ)

  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 1988/07/01
  • メディア: 単行本



海軍機関学校とは、機関科の士官を養成する学校です。
1日6時間の課業があり、戦時中も週6時間の英語教育がほどこされるなど充実したものですが、記憶に残るのは運動系と鉄拳制裁だったようです。
著者が入校したのは昭和18年11月と日本の敗色が濃くなる時期でした。
カッター漕ぎや水泳といった海軍に直結する運動もありましたが、ラグビーやスキーといったスポーツ、さらには相撲や棒倒しもありました。
実務ではシュミレーターやグライダーでの飛行訓練、潜水服による潜水、モールス信号や手旗信号など多種多彩です。
軍隊お約束の鉄拳制裁は頻繁で、ちょとした事で一号生徒(3年生)から三号生徒(1年生)への制裁がありました。
現代では考えられませんが、時代というのもあるのか、著者も暫くすると暴力に慣れてしまい、思い出のひとつになっています。
あの時代に、これだけ多様な教育をほどこしてくれる学校は少なかったと思います。それだけに、著者としても「青春時代の楽しい思いで」といった感じが強くでています。
幸か不幸か、著者は学業の途中で終戦となりました。
人間の運命は分かりません。

海軍機関学校の日々を知りたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ: