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【映画】グッバイ・リチャード [映画評]

ジョニーデップが死を目前にした大学教授を演じるヒューマンドラマです。


グッバイ、リチャード! [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: Blu-ray



映画は主人公が医者から余命半年を告げられるところから始まります。
家族に告白しようとしますが、逆に娘からはレズビアンであることを、妻からは主人公が勤務する大学の学長と不倫をしていることを告げられます。
主人公は自暴自棄になり、受け持っていた講義でほとんどの学生を追い出し、残った学生と好き勝手な講義を行います。
フェミズムや人工授精に露骨な嫌悪感を示す。ひたすら酒を飲む。学生たちと一緒に行ったバーでウェイトレスを秒で口説く。男子学生からマリファナをもらい、フェラしてもらう。友人に連れてきてもらった癌患者の集まりで放言をする。やりたい放題、いいたい放題です。
その中で、親友である教授はずっと主人公を心配し、よりそいます。
主人公は死を直前にして自由気ままに行動することで、生きることの意味を知ります。
妻にいままでの感謝を伝え、恋人と別れた娘をそっと抱き寄せます。
主人公はひとりで死を迎えるために、旅に出ます。
しばらく進むとT字路に出ます。その前で少し考えますが、道路を無視して直進して映画は終わります。
この映画ですが、評論家の評価は芳しくありません。
映画批評家集積サイトでは支持率10%、平均点4.85点です。
基本的には和解の話です。
夫婦は離婚はせずに、ただお互いに干渉することなく、好きに生きることを決めます。
そんなバラバラだった家族が最後にはまとまるという展開ですが、冒頭で妻が夫を口汚くののしる割に関係性は悪くなく、ベッドも一緒ですし、映画の中盤で一緒にマリファナを楽しんで大騒ぎしています。
食卓ではいつも夫が妻にワインを注ぎ、レディーファーストを演じます。
冒頭で妻と娘が喧嘩するシーンがありますが、父と娘の関係は悪くありません。
テーマはラスト手前のパーティーのシーンで、主人公が長々と演説をするという超直接的手法で視聴者に訴えかけます。
が、ちょっと長いかなあ。
こういうのは、ひとことふたことに抑えて、むしろひとことふたことで伝わるようにストーリーを作るのが映画なんじゃないかなと。
ただ、ジョニーデップが好き放題するシーンはなかなか面白いです。
ジョニーは少し変なキャラが似合います。
ちなみに妻と不倫相手を演じた俳優ですが、実生活では夫婦だったりします。

教授を演じるジョニーを見たい人のために!
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第36期竜王戦第4局(藤井聡太竜王VS伊藤匠七段) [将棋]

藤井竜王の3連勝で迎えた第4局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/ryuou/

文春オンラインに伊藤匠七段のインタビューが掲載されています。
https://bunshun.jp/articles/-/52245
内容はかなり赤裸々です。
基本的に友人関係は薄く、中学時代は一時期不登校になり、高校は入学してすぐに止めて将棋一本に絞ります。
どちらかというとマイウェイな性格なのかなと推測します。
プロ入りしてからの受け答えは落ち着いた雰囲気ですが、これは自分を強く持っている表れなのかなと思っています。
記事には藤井竜王との記念対局のことが書かれています。
実力差を感じたとありますが、竜王戦でもここまで3連敗、対藤井戦も5連敗と苦戦しています。
しかし、今期はここまで29勝8敗と好成績を上げています。いつまでも実力の差を感じているわけにはいきません。
さあ藤井竜王相手に、竜王戦という大舞台で初白星を挙げることはできたでしょうか!

〔棋譜〕
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20231109-SYT8T4720451/

ということで、将棋です。
先手藤井竜王で角換わりへと進みます。
後手は右玉風の待機戦術ですが、駆け引きの末に、先手は2八飛車、4八金形でしかけました。
お互い持ち時間を小刻みに使っているとはいえ、仕掛け前に長考しているわけではないので、お互いに研究範囲なのでしょう。
初めての長考は先手75手目です。駒損なく端を破った先手が良さそうに見えますが、評価値は互角です。
先手は続いて77手目も137分の長考です。そして飛車切りを決断したところで1日目が終了します。
ですが、この瞬間に評価値が後手に振れます。
そして封じ手が開封され、ここは必然手なので一晩考えられる次の伊藤七段の手に注目が集まりましたが、やや意外な6七銀でした。
この瞬間に互角からやや先手寄りになります。
後手が148分の長考を入れてから一気に先手陣に攻め込みますが、103手目に藤井玉がひらりと7七玉と交わしたところで伊藤七段の手が止まります。
この柔らかい受けが、想定外だったようです。
伊藤七段の苦しい長考が続き、なんとか勝負手を捻り出しましたが、優勢から勝勢になって藤井竜王は間違えません。持ち時間も2時間近く残しています。
最後は手前の長考で読み切っていたとはいえ、1分の考慮で37手詰を一気に仕上げて、伊藤七段を投了に追い込みました。
これで貫録の4連勝で竜王防衛とともに、大山康晴十五世名人に並ぶタイトル戦19連勝を達成しました。

藤井竜王おめでとうございます!
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