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第60期王位戦第7局(豊島将之王位VS木村一基九段) [将棋]

炎の10番勝負、いよいよ最終章です。

【王位戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

王位戦7番勝負と竜王戦挑戦者決定戦3番勝負。合わせて10番勝負ですが、指し盛りの豊島名人相手に本当にフルセットになると予想したひとは少ないと思います。
それが竜王戦挑戦者決定戦では敗れはしたもののフルセットに持ち込み、王位戦でもついにフルセットに持ち込みました。
木村一基九段のタイトル挑戦は今回で8回目です。
タイトル獲得なしの7回敗退は単独1位の記録であり、タイトル獲得がないままタイトル戦通算13勝も断トツの1位です。また勝てば初タイトルとなる対局が9局目となることも1位です。
最終戦で負けるとただでさえ断トツの1位だった記録を、さらに伸ばすことになります。
仮に木村九段が初タイトルを獲得すると、46歳での初戴冠という従前の記録を9歳上回る断トツの1位となります。
8回目での初戴冠ももちろん1位です。
木村九段は軽妙な語り口から人気が高く、全棋士中でもトップクラスの人気を誇ります。
タイトル獲得がないのにここまでの人気というのは、その実力もさることながら、やはり人柄なのかな、と思います。
様々な記録がかかっているだけに、豊島王位にとってはアウェーのような将棋になるかもしれません。
さあ、炎の10番勝負もいよいよ最終局です。運命の調べはどのような音楽を奏でるのでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/60/oui201909250101.html

ということで将棋です。
運命の振り駒の結果は、豊島王位の先手と決まりました。
となると、この大勝負、十八番の角換わりで決まりです。お互いに予想している戦型に対して、豊島王位がどのような準備をしているかですが、4六角打~7七同玉の組み合わせを披露します。
実戦では初ですが、水面下で研究が進められている形だそうです。
木村九段は初見なのか苦悩し、消費時間に3時間もの差がつきます。
豊島王位はリードした持ち時間を中盤の難所で惜しみなくつぎ込み、二日目の昼休憩明けには逆に木村九段が1時間リードします。
豊島王位が攻める展開でしたが、5一飛車から5二飛車が上手い受けで、局面は互角ながら木村九段が力を出せる展開となります。
豊島王位は垂れ歩で攻めの継続を図りますが、打って成って引いての間に木村九段が反撃に出ます。
豊島王位もわなを仕掛け、一手間違えると逆転する局面が続きますが、木村九段は間違えません。
110手まで後手番を跳ね返した木村九段が勝利し、シリーズ4勝3敗で悲願の初タイトルを獲得しました。
同時に、有吉九段の持つ最年長初タイトル獲得の記録を37歳6カ月から46歳3カ月に塗り替えました。この記録は、2位との差を考えると、空前絶後となる可能性が高いです。
木村王位爆誕です。

木村王位おめでとうございます!

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