SSブログ

【映画】天気の子 [映画評]

第43回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞したSF恋愛ストーリーです。


「天気の子」Blu-rayスタンダード・エディション

「天気の子」Blu-rayスタンダード・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: Blu-ray



主人公は高校1年生の森嶋帆高。
彼は家出少年(理由不明)で東京でアルバイトを探そうとするが悪戦苦闘。そのためフェリーで知り合ったオカルトライターの須賀圭介の事務所に住み込みで働き始めます。
東京は異常気象が続いており、毎日のように雨が降ります。
新生活が軌道に乗り始めたところで、天野陽菜と出会います。陽菜が強引なスカウトに困っているのを見た帆高が助けに入り、そして拾った銃を撃ってしまいます。
陽菜は祈ると晴れを呼ぶ晴れ女でした。
これを仕事にしようと、二人と陽菜の弟の凪と3人で活動を開始します。
ですが、晴れ女には秘密がありました。陽菜と空は繋がっており、陽菜を人柱にすることでこの異常気象は直るのです。
陽菜は晴れ女の力を使えば使うほど、体が透明になっていき、存在が薄くなっていきます。
代わりの顔がないアンパンマンみたいなものです。
陽菜のことを守るために晴れ女の仕事を辞めようとき、銃器と児童保護の関係で警察が動きます。
二人は逃げ出しますが、陽菜は異常気象を止めて人柱になるために穂高の元から姿を消します。
警察に捕まった穂高ですが、隙をみて逃げ出し、陽菜を探しにいきます。
陽菜を助けるために。
穂高は決断をせまられます。東京を異常気象から救うのか、それとも陽菜のことを救うのか。
という感じのストーリーです。
前作の『君の名は。』でも感じましたが、新海監督の脚本は伏線を丁寧に張り巡らせます。
穂高が陽菜を助けるシーンにしても、唐突感がでないようにマックの客と従業員という立場で合わせています。
また陽菜が仕事を探している理由として「バイトを首になった」と穂高に話し、その理由を穂高が「自分のハンバーガーを無償で提供したからだ」と誤解するシーンがあります。
このワンフレーズで、穂高が陽菜にさらにのめり込む理由付けとなり、また逆に後で陽菜が年齢を詐称していたシーンにも繋がります(つまり、年齢詐称でクビになった)。
こうした細かい仕掛けが、丁寧に、練りこまれています。
構成としては恋愛物で、主人公に二者択一を迫ります。
と同時に、助けてもらったばかりだった主人公が、二者択一を迫られることで、急激に成長していく姿を描いていきます。
穂高だけでなく、須賀も成長を見せます。
警察に追われることで「穂高を実家に帰す」という選択の誤りを犯し、次の選択でも警察に穂高を引き渡そうとしますが、最後の最後で穂高を助けるという正しい選択にたどり着きます。
会いたいひとに会うことの大事さを、彼も穂高と共有します。
恋愛映画なので、穂高は東京を救うより恋人を選びます。まあ、普通は両方を選択する道を模索するのが落としどころですが、そこを平気で彼女を選ぶところが高校生らしい純愛物語と言えるかなと。
若さは素晴らしいです。
バレットタイムのような映像美や、前作に引き続いてのRADWIMPSの音楽もとても良いです。
世界興行収入1億9千万ドルにも達する大ヒットアニメです。

新海監督の世界観とRADWIMPSの音楽に浸りたいひとのために!
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:映画