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【映画】セッション [映画評]

スパイダーマンの敏腕編集長役で知られるJKシモンズが熱血音楽教師で快演です!


セッション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: Blu-ray



舞台はある音楽大学です。
そこで主人公がひとりでドラムを叩いていると、熱血音楽教師に目を止められます。
その音楽教師はブートかキャンプのような厳しさ、暴言で生徒を鍛え上げ、様々なコンテストに出場していました。
目的は天才を作り上げるため。
主人公は罵倒され、暴力的な指導に追い詰めれながらも、絶えぬき、主奏者の地位を獲得します。
ドラムのために彼女とも別れ、ジャズ奏者の地位を認めない父親との関係も悪化します。
順調に上り始めたと思われた主人公ですが、昔からそそかしいところがあり、バスのパンクで集合時刻に送れそうになり、焦って会場に向かったせいでスティックをレンタカー会社に忘れてしまいます。
慌てて取りにかえり、会場に向かう途中で事故にあいます。
まともな演奏はできず、音楽教師に終わりを告げられ、絶望と怒りで暴れまわって退学処分になります。
その音楽教師ですが、優秀な生徒を精神病まで追い込んで自殺させてしまいます。
父に連れられた弁護士が主人公の元にやってきて、主人公はためらいながらも音楽教師の告発をします。
音楽教師は高校を首になります。
その後、ぶらぶらしていた主人公ですが、バーで音楽教師と再会します。
そこで音楽教師から音楽祭への出場を依頼されます。
音楽は高校で習っていた曲。以前とは違った態度に、主人公は参加を承諾します。
しかし、これが罠でした。
音楽祭が始まると、いきなり知らない曲が始まります。音楽教師は主人公が告発したことを知っており、その復讐でした。
もちろん演奏はメチャクチャ。
泣きながら舞台を後にして父親と抱き合いますが、主人公は再びステージに戻り、音楽教師を無視してドラムを叩き始めます。
これは、音楽を通じた対決です。
その結果は……
というストーリーです。
とにかくJKシモンズの演技が絶品です。高圧的で威圧感があり、恐怖で生徒を縛り付ける音楽教師を見事に演じ切っています。
この演技もシモンズを助ける脇を固める俳優陣があってこそなので、両者が絡み合った素晴らしい演技です。
構造としては、基本的にはスポコンものです。
実力的に不足している主人公が、様々な試練を乗り越えて成長していく。
形式としては普通は最後にラスボスを倒して完結するのですが、そのラスボスが前半で音楽祭で喝さいをあびることであることが示唆されます。
終盤で大きな挫折を経験した主人公が、音楽家との再会を通じて復活して音楽祭で喝さいをあびる……と見せかけて、どんでん返しを持ってくる構想が見事です。
ラスボスは音楽祭と思わせて、実は音楽教師だった、というドラドラ型の仕掛けです。
また冒頭のシーンが上手いです。
主人公がドラム奏者を目指しているが能力が不足していること、音楽教師が厳格な人物で、才能を求めていることを最小限の演技で説明しています。
本作はアカデミー賞3部門受賞をはじめ、英国アカデミー賞、シカゴ映画批評家協会賞2部門など受賞歴多数ですし、それだけの映画だと思います。
製作費330万ドルに対して、興行収入12百万ドルは成功だと思います。

名作音楽映画を堪能したいひとのために!
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