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【書評】大山康晴『棋風堂堂~将棋と歩んだ六十九年間の軌跡~』 [書評]

大山康晴の自伝に、同年生まれの将棋記者天狗太郎が『序にかえて』、『第1章「さよなら大山さん」』、後記を加えた本です。


棋風堂堂―将棋と歩んだ六十九年間の軌跡

棋風堂堂―将棋と歩んだ六十九年間の軌跡

  • 作者: 大山 康晴
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1992/10
  • メディア: 単行本



大山康晴の偉大さは、年齢を重ねても第一線で戦い続け、さらには結果を残し続けたことです。
本書でも無冠に転落してからの人生が重点的に書かれており、むしろその後のことを誇りに思っていると感じます。
衰えを実感しながら、新人の気持ちで戦い、体力を取り戻すためにひたすら歩きます。
57歳になって最多勝を獲得し、還暦直前まで王将位を守り抜き、さらに谷川浩司が名人戦を防衛している時代になってもNHK杯に優勝しています。
歴代最強の定義はいろいろです。
ピーク時の棋力にするか、それともトップとして君臨した期間の長さにするか、いろいろです。
ですが、ピーク時にはほぼタイトルを独占していたことと、高齢になっても第一線で活躍を続けたという意味では、大山康晴が一番ではないかと想います。
二度目の癌宣告を受けたとき、医者からは手遅れと言われたそうです。
それを隠しながら、最後まで将棋を指し続け、かつ69歳までA級在位を続けたことは立派というか超人としかいいようがありません。

大山康晴の人生を追いたいひとのために!
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