SSブログ

第62期おーいお茶王位戦第2局(藤井聡太王位VS豊島将之竜王) [将棋]

豊島竜王の先勝を受けての第2局です。

〔主催者HP〕
https://www.shogi.or.jp/match/oui/

今期は伊藤園が特別協賛となり、「おーいお茶王位戦」になっています。
公共施設等で活用されているネーミングライツのようなものです。
「おーい」と「王位」のダジャレは前から言われていましたが、本当に実現するとは思いもしませんでした。
王将戦も1年限定で、「餃子の王将」が特別協賛をしたことがありました。
1年限定というのは持続性からすると不安もありますが、スポンサーの間口を広げるという意味で、良い取り組みだと思います。
広告として考えると、コンテンツとして将棋がどのくらいの価値があるのかなかなか見えてきません。
どちらかというと、文化事業というか、企業のイメージアップ戦略として有効なのかなと思います。
さあ、盤上でも企業のイメージアップに繋がるような熱戦が繰り広げられたでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/62/oui202107130101.html

ということで将棋です。
戦型は角換わりから最近採用数が増えている相早繰銀となります。
角換わりと言えば相腰掛銀が多かったですが、研究が行き詰っているのか、プロ間では早繰銀にシフトしつつある印象です。
後手の藤井王位は序盤早々に5四角と手放して盤上を支配しようとしますが、直後の6五歩がいかにも筋で、豊島竜王がやや指しやすくなります。
豊島竜王は、そこから自然な手を続けますが、藤井王位はやや曲線的な指しまわして局面の複雑化を図ります。
そして突如として激しい攻め合いになりますが、その先で豊島竜王に誤算がありました。
読み進めていった先の、いかにも詰みそうな局面で後手玉がギリギリしのいたようです。
豊島竜王は方針転換をはかりますが、その数手で評価値が逆転しています。
何か良い代案があるかというと、人間的には明快な筋がなく、むしろこうした局面に持ち込んだ藤井王位の勝負術が功を奏したのかもしれません。
豊島竜王は藤井玉に詰めろをかけますが、これは形作りです。
最後は藤井王位が綺麗に先手玉を詰め上げ、これで対戦成績を1勝1敗の五分となりました。
次局が今後の2人を占う大きな勝負になるかもしれません。

王位戦第3局は、来週21日(水)、22日(木)に兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます!

nice!(2)  コメント(17) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

第3期大成建設杯清麗戦挑戦者決定戦(加藤桃子女流三段VS鈴木環那女流三段) [将棋]

鈴木女流三段が初のタイトル戦を目指します。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/

鈴木女流三段は森内チャンネルのМCを勤めています。
その森内チャンネルの企画で「鈴木環那タイトル挑戦への道」というのを断続的に放映しているのですが、1年でいよいよ夢の実現まであと1歩のところまできました。
鈴木女流三段はもうすぐデビュー20周年を向かえます。
長らくタイトル戦に絡むトップ女流棋士の1.5歩後ろぐらいポジションに甘んじてきました。
それがYouToubeに出演してから、快進撃を続け、1年前と比べると明らかに強くなっています。
なにより、踏み込むべきところで踏み込む強さが目立ちます。
相手はタイトル戦の常連である加藤桃子女流三段ですが、直前の女流名人戦リーグでは勝利しています。
さあ、鈴木女流三段は初のタイトル戦挑戦を獲得することができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/3/seirei202107140101.html

ということで、将棋です。
先手番を引いた鈴木女流三段は、使い慣れた雁木を採用します。
対する加藤女流三段は右四間と攻撃的な構え。
大事な一局ですので、受ける先手としては、まずは手厚くするかと思われましたが、
鈴木女流三段は挑発するかのように銀を前進させます。
誘われた加藤女流三段はもちろん開戦し、いきなり激しい戦いになります。
この積極性が、最近の鈴木女流三段です。
将棋は互角かやや先手指しやすい局面となりますが、4五銀と自ら銀桂交換をしたのが指しすぎだったようで、さらに55手目の5五馬が直後の9五馬を見落とした悪手でした。
以下は急転直下で、62手まで加藤女流三段の勝ちとなりました。

積極性で好成績を上げてきた鈴木女流三段ですが、本局では裏目に出て、念願のタイトル戦出場まであと一歩及びませんでした。
第3期大成建設杯清麗戦の五番勝負第1局は、9月23日に東京都港区「ホテルオークラ東京」で行われます!
nice!(0)  コメント(23) 
共通テーマ:趣味・カルチャー