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第32期女流王位戦挑戦者決定戦(伊藤沙恵女流三段VS山根ことみ女流二段) [将棋]

山根ことみ女流二段が、初タイトル挑戦を目指します。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

山根ことみ女流二段は2014年女流プロ入りしているので、今年で6年目です。
いままで目立つ棋歴といえば2019年にYAMADA杯で優勝したぐらいでしたが、今年度となり急速に力を付けて、某レーティングサイトでは1年間で100を超える大幅なレーティングの上昇を果たしています。
4強には及ばないものの、甲斐智美女流五段、上田初美女流四段、香川愛生女流四段より上位にランクされています。
女流王位戦の最終戦では甲斐女流五段に敗れて連勝こそ止まってしまいましたが、まだまだ勢いに乗っている状態だと思います。
相手の伊藤沙恵女流三段とは6連敗中で、通算でも1勝6敗と力の差を見せつけられています。それでもいまの勢いなら、と思わせます。
トップ女流棋士に近づくためには、いつまでも負けっぱなしではいられません。
さあ、山根女流二段のタイトル初挑戦はなるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/32/joryu-oui202103020101.html

ということで将棋です。
伊藤沙女流三段は居飛車党ですが、相手が振り飛車のときは相振り飛車にすることがあります。
序盤から相振り飛車をにおわせる端歩をつき、そのまま戦型は相振り飛車に決まります。
ここから将棋は二転三転します。
伊藤沙女流三段は一歩損の代償として、後手の金を上ずらせます。
そして相手の悪形をみてガンガンに攻めていきますが、角切りがやりすぎだったようで混戦になります。
山根女流二段に攻めのターンが回りますが、あえて玉から離れる金寄りが受けの好守で、また伊藤沙女流三段に流れが傾きます。
さて上部を厚くして入玉を目指しますが、これが急ぎすぎだったようで、また山根女流二段の追い込みが始まります。
伊藤沙女流三段も二枚の竜を頼りに、山根女流二段の馬筋を止めて防戦に努めますが、気が付いたら金銀をベタベタと打たれて押し返されてしまいます。

192手の大熱戦を制した山根女流二段は、初のタイトル戦登場です。
里見香奈女流王位に挑戦する五番勝負は、4月27日(火)に兵庫県姫路市「夢乃井」で開幕します!

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第70期王将戦第5局(渡辺明王将VS永瀬拓矢王座) [将棋]

渡辺王将の3勝1敗で迎えた第5局です。

〔主催者HP〕
https://mainichi.jp/oshosen/2021

渡辺王将はロジカルな思考で有名です。
将棋は先手有利を前提に、「後手は五分で良い」、「先手で勝つ」という方針を立てていました。
そういう意味では、ここまで先手の2局は取り、後手は1勝1敗とほぼプラン通りです。
特に前局は一方的に敗れましたが、対局が続いてこともあり、序盤から定跡を外して乱戦系に持って行ったのは、番勝負をトータルで考えた作戦だったのではないかと思います。
さて第5局は落とせない先手です。テニスでいうとサービスゲームです。
さあ、渡辺王将は、プラン通りに貴重な先手番でタイトル防衛を決めることがきでるでしょうか!

〔棋譜〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/210301.html

ということで、将棋です。
渡辺王将の先手で、角換わりへと進みます。
そして、いきなり4五桂馬と跳ねて仕掛けます。
単桂の仕掛けでいかにも渡辺王将準備の仕掛けのように見えましたが、少考を繰り返しているので、勢いだったのかもしれません。
その後、渡辺王将は相掛のような端攻めをしますが、その後の6八玉が失着だったようです。
優勢になってからの永瀬王座は手堅かったです。
じりじりとプラスの手を積み重ね、渡辺王将の反撃も見切り、焦ることなく逆転されない寄せを繰り出します。
渡辺王将をもってしても「延命のしようがない」と匙を投げる将棋となりました。
永瀬王座はカド番をしのぎ、先手番の渡辺王将を破るという大きな星を上げました。
これで渡辺王将から見て3勝2敗です。

第6局は3月13、14日に、島根県大田市「さんべ荘」で行われます!

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