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第46期棋王戦第4局(渡辺明棋王VS糸谷哲郎八段) [将棋]

渡辺棋王の2勝1敗で迎えた第4局です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

少し前に、藤井聡太二冠が高校中退したことが話題になりました。
タイトルを2つ持ち、対局が続いていたころから現実問題として通学は厳しかったと思います。
藤井二冠と同じく中学生棋士としてデビューした渡辺棋王は、聖学院高等学校卒業ですが、学歴でいえば糸谷八段は広島学院高等学校卒業ですが、デビューして1年後に名門大阪大学大学文学部に合格し、進学するという快挙を成し遂げます。しかも2017年には大学院修士課程を修了し、修士の学位を授与されてます。研究分野は、ハイデッガーの哲学です。
プロ入り前の奨励会員が、進学するかどうか悩むのは分かりますが、すでにデビューしている若手棋士が、あえて大学受験に挑戦し、しかも大学院まで卒業してしまのはかなりの驚きです。
おそらく学問が好きなのでしょう。
糸谷八段は将棋連盟棋士会の副会長であり、将来の幹部候補生のひとりだと思います。
追い込まれている糸谷八段ですが、カド番で踏ん張って最終局に持ち込むことができるでしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/46/kiou202103170101.html

ということで、将棋です。
戦型はお互いの得意である角換わりへと進みますが、序盤で先手糸谷八段が両端の位を取ったことで、先手の形が一手損角換わりのようになります。
渡辺棋王は玉を固めてから仕掛けるという得意パターンに持ち込みます。
先手の攻め対し、糸谷八段は馬を作って後手を抑え込もうとしますが、5筋の歩を取った瞬間に、糸谷陣の弱点でもある5筋をたたかれてしまいました。
糸谷八段はノータイムで玉を上がり、定評のある玉捌きでしのぎにかかりますが、渡辺棋王は焦らずにじっくりとリードを広げていきます。
最期の望みとばかりに敵陣に飛車を打ち、飛車の力で上部脱出に望みをかけますが、合わせの飛車で消されては万事休すです。
98手まで渡辺棋王が完勝し、これで3勝1敗で棋王を防衛し、9連破達成です。
同時に通算獲得タイトル数が28になり、谷川浩司九段を抜いて歴代4位に浮上しました。

渡辺棋王おめでとうございます!
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