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第70回NHK杯テレビ将棋トーナメント決勝(稲葉陽八段VS斎藤慎太郎八段) [将棋]

決勝3回目の稲葉八段が初優勝を目指します。

〔公式HP〕
https://www.nhk.or.jp/goshogi/shogi/index.html

関西若手四天王と呼ばれた稲葉八段ですが、もう32歳となりました。一般女性との結婚も発表されています。
稲葉八段はA級昇級1年目に名人挑戦を決め、A級2年目もプレーオフまで勝ち進みましたが、その後は調子が上がらず、5年目でA級からも陥落してしまいました。
そうした中でNHK杯は好調で、これで3度目の決勝進出です。
少し前になりますが、銀河戦で優勝経験があるので、早指しへの適応力が高いのかもしれません。
相手の斎藤慎太郎八段は、名人挑戦を決めるなど、まさに乗りに乗っている若手です。
対戦成績は2勝3敗とほぼ五分です。
さあ稲葉八段は、シルバーコレクターから脱却して家族に嬉しい報告を持ち帰ることができたでしょうか!

〔棋譜※ロック将棋さんより〕
https://6shogi.com/70nhk15/

ということで、将棋です。
先手は稲葉八段で角換わりとなります。
先手が1筋の位を取り守備的な陣形を取るのを見て、後手から積極的に仕掛けます。
稲葉八段は木村一基九段のような攻め駒を責める攻撃的な受けで対抗し、斎藤八段は角金交換の駒損ながら細かい攻めを繋げます。
持ち時間の短い将棋らしく、成否はともかくとして、相手を急かす実戦的な手の応酬となります。
先手が反撃に出たのは、95手目からです。
飛車先の歩を突き捨ててから歩頭に桂を跳ねて後手玉のこめかみをこじ開けると、スナイパーの角を設置します。
ここから評価値が揺れ動きます。
先手優勢になったと思ったら1手で後手優勢になります。
最終盤の後手134手目2三歩に対し、ここで飛車を引くようでは辛いです。
斎藤八段の勝利が目前かと思いましたが、先手を焦らせる次の3五銀が痛恨の敗着となりました。
露骨な銀の放り込みつ続いて、金まで放り込むという強手2連発で、斎藤八段の銀を空振りさせることに成功します。
隣に銀を打って完全に飛車を抑え込んでいれば、斎藤八段の勝勢だったようです。

以降は長手数の即詰みに追い込み、稲葉八段は決勝3回目で嬉しい初優勝となりました。
稲葉八段おめでとうございます!
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