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第70期王将戦第6局(渡辺明王将VS永瀬拓矢王座) [将棋]

渡辺王将の3勝2敗で迎えた第6局です。

〔主催者HP〕
https://mainichi.jp/oshosen/2021

王将戦には棋譜利用のガイドラインがあります。王将戦の棋譜を掲載するには、日本将棋連盟の許可が必要です。
https://www.shogi.or.jp/kifuguideline/terms.html#ousho
判例だと棋譜には著作権がない(あったら、将棋というゲームが成り立たない)のですが、”王将戦の棋譜”と特定されると著作権が発生するのかどうか、素人には分かりません。
主催者が優先的に利用権を得るのは、スポンサー保護として大事なことかもしれませんが、法的な整理がどこまでなされているのか、ガイドラインに明記されていないので不明です。
一般的に著作物でも必要最低限の引用は許されますが、ガイドラインでは静止画の盤面もNGになっているので、厳しすぎるような感じがします。
素人にはなんとも判断できない部分ではありますが、あまり厳しくしすぎると、将棋人気の盛り上がりに水を刺してしまないか心配になります。
この当たりの線の引き方が非常に難しいのですが。

〔棋譜・千日手〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/210313.html

ということで、将棋です。
永瀬王座の先手で始まりますが、72手まで千日手成立。
千日手を回避する権利は先手の永瀬王座にあっただけに、いかにも永瀬王座らしいです。
これで永瀬王座は通算41局目の千日手です。ちなみに歴代最高は加藤一二三の98回ですが、このペースでいけば更新も可能そうです。

〔指しなおし局〕
https://mainichi.jp/oshosen-kifu/210313_2.html

15持前に成立したので、1時間の休憩を挟んで当日指しなおしです。
先手番を得た渡辺王将は角換わりの4五桂速攻と敗れた第5局をなぞっていきます。
渡辺王将の準備を警戒したのか、先に手を変えたのは勝った側を持つ永瀬王座です。
2歩損ながらも好所に馬を作り後手好調のようにも見えますが、評価値としては互角です。
ここからお互いに手の広い局面が続いたと思います。
お互いの棋風らしく細かい攻めを繋ごうとする渡辺王将に対して、永瀬王座は受け重視で指し手を選びます。
渡辺王将は3五歩といかにも筋という歩を突き、さらに7二歩で飛車をそらせて自玉への脅威を緩和します。
評価値に差が付き始めたのは、72手目の3一歩です。
若干受けに偏りすぎたようで、侵入した龍を追い返そうとするたびに、徐々に差が開いていきます。
永瀬王座も粘ろうとしますが、いかんせん、渡辺玉の上部が抜けているため、嫌味も付けられません。
そのまま絶望的な状況で受けがなくなるまで指し続けますが、113手まで永瀬王座は投了しました。

これで4勝1敗となり、渡辺王将の3連破、通算5回目の王将獲得となりました。
おめでとうございます!
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