SSブログ

【書評】名川光美『海軍機関学校よもやま物語』 [書評]

戦争末期に海軍機関学校に入校した生徒の回顧録です。


海軍機関学校よまやま物語 (イラスト・エッセイシリーズ)

海軍機関学校よまやま物語 (イラスト・エッセイシリーズ)

  • 出版社/メーカー: 光人社
  • 発売日: 1988/07/01
  • メディア: 単行本



海軍機関学校とは、機関科の士官を養成する学校です。
1日6時間の課業があり、戦時中も週6時間の英語教育がほどこされるなど充実したものですが、記憶に残るのは運動系と鉄拳制裁だったようです。
著者が入校したのは昭和18年11月と日本の敗色が濃くなる時期でした。
カッター漕ぎや水泳といった海軍に直結する運動もありましたが、ラグビーやスキーといったスポーツ、さらには相撲や棒倒しもありました。
実務ではシュミレーターやグライダーでの飛行訓練、潜水服による潜水、モールス信号や手旗信号など多種多彩です。
軍隊お約束の鉄拳制裁は頻繁で、ちょとした事で一号生徒(3年生)から三号生徒(1年生)への制裁がありました。
現代では考えられませんが、時代というのもあるのか、著者も暫くすると暴力に慣れてしまい、思い出のひとつになっています。
あの時代に、これだけ多様な教育をほどこしてくれる学校は少なかったと思います。それだけに、著者としても「青春時代の楽しい思いで」といった感じが強くでています。
幸か不幸か、著者は学業の途中で終戦となりました。
人間の運命は分かりません。

海軍機関学校の日々を知りたいひとのために!
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。