第93期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦（渡辺明名人VS永瀬拓矢王座）

永瀬王座は三年連続の挑戦者決定戦進出です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/

３年前は藤井聡太七段に敗れて、渡辺棋聖への挑戦権を逃しました。藤井聡太はそのまま初タイトルとなる棋聖を獲得しています。
去年は渡辺名人と挑戦権を争い、終盤の逆転で敗れています。
そして３年連続の挑戦者決定戦です。
藤井棋聖と渡辺名人は何度も番勝負を繰り広げていますが、永瀬王座はまだ藤井棋聖と番勝負を争ったことがありません。
VSを繰り返し来た仲なので、ぜひとも大舞台での思いはひときわだと思います。
今期は丸山忠久九段、西田拓也五段、佐々木大地六段とベテランと若手を撃破しての決勝進出です。
対する渡辺名人は、島朗九段、三浦拾弘行九段、久保利明九段とベテラン勢を連破しての進出です。
さあ、昨年度と同一カードの挑戦者決定戦。藤井棋聖への挑戦権を獲得したのは、どちらの棋士でしょうか？

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/93/kisei202204250101.html

先手渡辺名人は、ここ一番で多用する先手矢倉を採用します。
じっくりとした捩じりあいになれば勝てるという自信なのかもしれません。
対する永瀬王座は雁木のバランス型です。
玉を固める平成の将棋と、バランス重視の令和の将棋という流れになります。
玉の固さも、仕掛けができてこそ、活きてきます。
穴熊まで固めた先手玉ですが、仕掛けることができずに苦戦です。
これ以上、固めることができないというタイミングで渡辺名人は仕掛けますが、攻め駒を圧迫されて永瀬玉を捕まえることができません。
永瀬王座は万全を期すために入玉を確定してから、ゆっくりと渡辺玉を攻め始めます。
渡辺名人も１九に金を配置して最後の抵抗を試みますが、ここまでです。
永瀬王座が高い壁だった渡辺名人を撃破し、初の藤井棋聖とのタイトル戦です。

五番勝負第１局は６月３日に兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます！