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【書評】山川健一『太宰治の女たち』 [書評]

太宰治をめぐる女性を中心とした太宰治論です。


太宰治の女たち (幻冬舎新書 や 6-1)

太宰治の女たち (幻冬舎新書 や 6-1)

  • 作者: 山川 健一
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/11/27
  • メディア: 新書



『人間失格』で有名な太宰治ですが、その生活はまさに人間失格そのものです。
芸者との結婚に家族から反対されても押し切ったのに、結婚直前に別の女と心中騒ぎを起こして、女性だけ死亡させてしまいます。
その後、芸者と結婚しますが、鎮痛剤のパビナール中毒がひどくなり、実家が大富豪なのに借金をして歩く日々。
最初の結婚は妻が不貞を働き、また心中事件を起こすが結局は離婚。
二人目の妻とはひとときの平和な家庭を築きますが酒びたりで税金や借金といった難事は妻に押し付けている間に大田静子に子供を生ませ、最後は山崎富栄と心中します。
とにかく生活は破綻しています。
著者は大田静子と会ったことがあり、その娘(つまり太宰治の娘)とも交流があります。
著者独自の視点で、なぜ、太宰治にこれらの女性が必要だったのか、なぜこのような人生を歩んでしまったのか、ということを語ります。
軽妙な文章なので、引き込まれるようにして読んでしまいました。

太宰治をもっと知りたいひとのために!
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