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第5期叡王戦挑戦者決定戦第3局(豊島将之竜王名人VS渡辺明三冠) [将棋]

挑戦者決定戦の決着局です。

〔中継サイト〕
http://live.shogi.or.jp/eiou/

渡辺三冠は王将戦と棋王戦のタイトル防衛戦を平行して行っており、かつ順位戦もあるという多忙を極める対局スケジュールが続いています。
叡王戦も併せれば、番勝負が3つも重なっており、しかもすべて星が並んでいます。
全盛期の羽生善治なみのスケジュールです。
タイトル戦は徐々に増え、いまや8つです。タイトル戦以外にもトーナメント戦があり、一流棋士は休む暇がありません。
棋戦が増えることは重要ですが、棋譜の質を維持するためにも、そろそろ体力面を考慮する時期かもしれません。
対局と普及以外の仕事を極力減らしたり、引退棋士をもっと活用したり、運営を外部委託したりなど、手法はいろいろあるように思います。
具体的にどこをどうするというのは、非常に難しいのですが。

〔棋譜〕
http://www.eiou.jp/kifu_player/20200224-1.html

ということで、将棋です。
先手は豊島竜王名人。後手の渡辺三冠は、後手番でときおり用いる雁木に組みます。
研究勝負を避け、力戦形を目指したのかもしれません。ただ、勝率の良いイメージはありません。
何気ない序盤から、25手目、豊島竜王名人が2四歩と突いたのが機敏でした。
同角とは取れないので同歩しかありませんが、棒銀の捌きが約束された形となり、これで先手が一本取りました。
渡辺三冠も反撃するしかなくなり、激しくなりますが、やや先手有利。
飛車を成られますが、ここで4二金とじっと寄せたのが良い粘りでした。
以下は混戦となり、評価値的には一時期逆転します。
渡辺三冠は102手目に6一銀と柔らかな受けを指しますが、ここは3一桂馬をスペースを埋めながら4三の地点を守るのが急務だったようです。
すかさず3一角と打ち込まれ、桂馬を成られ、さらに8六銀と挟撃形を作られて苦しくなります。
以降は勝負手を繰り出す局面も訪れず、123手まで豊島竜王名人が激闘を制しました。

これで2勝1敗となり、豊島竜王名人が初の叡王挑戦を決めました。
叡王は序列3位のタイトル戦です。
大三冠に向けていよいよ永瀬叡王・王座と激突です!
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