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【書評】渡辺房男『われ沽券にかかわらず』 [書評]

沽券とは、江戸時代に土地売買された証文のことです。


われ沽券にかかわらず

われ沽券にかかわらず

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本



本作のテーマは明治初期の土地取引です。
当時は、生産力を持つ農地こそ価値がある、と思われていて、都市部の土地はそれほど価値を見出されていませんでした。
その証拠に、当初の地租は農地3%だったのに比べて、都市部は1%でした。
大名屋敷を接収した明治政府は、おどろくほどの安値で都市部の土地を売り出していきます。
その時代において、都市部の土地に価値を見出し、ばくちを打った人たちがいました。
そうしたひとたちを主人公にして、物語は進んでいきます。
時代が落ち着いてくると、大資本が進出し、個人プレイヤーは敗北していくのですが、明治時代の土地投機はダイナミックで面白いです。

もうひとつの明治を知りたいひとのために!

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創作状況【8月上旬】 [ぼくの公募状況]

ひたすらあっつ!

【サイトーメルマガ第143回の内容紹介】
◆創作につながるコラムその1 棋士・永瀬拓矢
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第53回)
◆公募情報数点
 来月は少し変わった観点からコラムを紹介です。
 メルマガ登録はこちらから。もちろん無料です!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【ショートショートガーデン】
今週の作品は勤勉です。とりあえずショートショートの王道ということで。
自然とストックがたまっているので、夏休み期間が終わっても続けることはほぼ確定。
〔勤勉〕
https://short-short.garden/S-uCTdVQ

これもUPしました。こちらはSFです。突如現れた不思議な塔の話です。
〔巨大な塔〕
https://short-short.garden/S-uCTeaa

【TO-BE小説工房】
今月投稿予定作品を推敲する。
ミステリのつもりがホラーになってきた。
権力を持った老婆というのは、使いようによっては妙な恐ろしさがでてきたり。

【星新一賞】
推敲するが、非常に難しい。冒頭がゴタゴタしているので大きく修正したが、よくなったのかどうかわからない。
伏線が足りなかったので、小さなトゲと何本かさす。
草稿よりかは多少良くなったと思うのだが、このストーリーを平易な文書で表現するのが難しい。
また熟成して、9月に最終校正をします。

【創元SF短編賞】
アイデアは決めたが、下調べがいろいろと必要。けっこう本を読まないといけないので、まずは9月の投稿ラッシュが過ぎてからなあ。
書くときは一気に進めたいので。

【北区内田康夫ミステリー文学賞】
まとめて校正する時間がないので、できたときに一気にできるよう短編ミステリを読み続ける。頭をミステリ仕様にしておくというか。
で、手を付け始めるがいきなり悩み始める。
考えれば考えるほど、複雑になっていく。これはヤバイ、、、

【坊ちゃん文学賞】
2作応募予定で推敲しました。若干風景を足して、全体的な状況を把握できるようにしました。
本命の作品は視点を変えました。主人公の名前が早く出たほうが、物語の入りがよいかなあと思いまして。


【福島正実SF童話賞】
これも休止期間中です。9月は最終推敲が重なるなあ。

【ゆきのまち幻想文学賞】
3年後に投稿するストックを書く。8枚と3行しかないけど、まあ、そのうち推敲すれば10枚丁度になるでしょう。そんな感覚。
アイデアがもうひとつあるので、続けて書く。原稿用紙9枚程度。
まあ投稿するのは順番的に令和5年とだいぶ先なのでまあ、こんな感じで。

【ミステリーズ!】
そのうち書き溜めます。

【FACEBOOK】
友達募集中です!
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007879718530
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第60期王位戦第3局(豊島将之王位VS木村一基九段) [将棋]

豊島王位の連勝で迎えた第3局です。

【王位戦中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

棋士の才能はプロ入りの年齢で概ね分かるといわれます。
木村一九段は小6で奨励会入りし、わずか3年でニ段に昇ります。
ここまでの棋暦は将来を期待させるものです。
ところが三段昇段に約2年かかり、三段リーグ突破には6年半。気がついたら23歳になっていました。
ここから木村一九段の快進撃が始まります。
タイトルこそ手が届いていないものの毎年高勝率を上げ続け、長らく通算勝率7割を超えていました。
2010年には三十代後半にて全棋士参加のトーナメント戦で初優勝。
さらに超早指しのアメバトーナメントでは若手に混じって準決勝まで進出。
そして46歳にて7度目のタイトル挑戦は、まさに将棋界において貴重な大器晩成だと思われます。
さあ、木村一九段は、初タイトルに向けて、一矢報いることができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/60/oui201908080101.html

ということで将棋です。
先手豊島王位は角換りではなく矢倉を選択します。
将棋界全体的に角換りの採用が減少傾向にあり、豊島王位もここで変化球といったところでしょうか。
後手木村一九段はバランス重視の土居矢倉を選択し、先手豊島王位が早々に仕掛けていきますが、受けは木村一九段の得意とするところ。
バラバラに見えながら微妙にバランスを取り、今度は攻め駒を責め始めます。
ここで打った銀が重く、飛車を追いかけますも捕まえきれず、微妙な局面となります。
しかし、木村一九段は踏ん張りました。
豊島王位の猛攻を受けきると一転してゆっくりと攻めて、118手まで豊島王位を投了に追い込みました。

木村一九段は三連敗を免れるのと同時に、後手番で大きな勝利を挙げました。
第4局は8月20・21日(火・水)、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」で行われます!

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【公募情報】初笑い!年明けうどん川柳コンテスト2019 [公募情報]

いかもうどん県らしい公募です。

【主催者HP】
https://www.toshiakeudon.com/2019_pre/contest/index.php#CONTEST_DETAIL

香川県限定かどうかは分かりませんが、「年明けうどん」なるものがあるらしいです。
「年明けうどん」にちなんだユーモアのある作品が求められています。
なにがなんだか分かりませんが、とにかく熱気を感じる公募です。
応募締切は9月29日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :「年明けうどん」
最優秀賞:香川県産カタログギフト
応募締切:令和元年9月30日
応募方法:FAX、インターネット
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【書評】大山康晴『不動心論』 [書評]

昭和の大名人、大山康晴が心の持ち方を説きます。


不動心論

不動心論

  • 作者: 大山 康晴
  • 出版社/メーカー: ロングセラーズ
  • 発売日: 2017/05/19
  • メディア: 新書



大山康晴十五世名人は歴代2位のタイトル80期という記録もありますが、何よりすごいのが69歳で死去するまでA級の座を守り通したことです。
おそらく空前絶後でしょう。
その大山康晴が晩年になり、自分の心のありかたを将棋を通して語るのが本書です。
これは自分なりの解釈ですが「考えに考え抜いた末に、無我の境地に達する」が大山康晴の理想だと思います。
大山康晴は63歳で中原名人に挑戦しましたが、そのときの心境が細かく書かれていて興味深いです。

大山康晴の境地に触れたいひとのために!
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【公募情報】2019年山地災害防止標語募集 [公募情報]

突発的な大雨による山地災害も増えているように思います。

【主催者HP】
https://shinrinkagaku.jp/photo/index.html

山地災害なので、遭難とは別です。
土砂崩れとか土石流とか、そういった類の災害です。
パターンが少なく毎年似たような作品が選ばれていますが、それだけに狙いやすい公募かもしれません。
応募締切は9月30日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:標語
テーマ :山地災害
最優秀賞:3万円
応募締切:令和元年9月30日
応募方法:郵便
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【書評】武田知弘『戦前の生活~大日本帝国の”リアルな生活誌”~』 [書評]

戦前の日本の生活を紹介です。


戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)

戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)

  • 作者: 武田 知弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 文庫



戦前は貧しいなりに純朴で・・・・・・みたいなイメージがあります。
ところが戦前の子供は凶悪で、とんでもない事件を多数引き起こしています。
また、貧しいイメージがありますが、確かに豊かさではいまとは比較になりませんが、戦前から自動改札の地下鉄があり、東京ではタクシーが1万台以上走り、スキーなどのレジャーも盛んでした。
そうした知られざる戦前の生活誌がてんこもりです。
ときおり街角で見られる”純喫茶”ですが、命名の由来が傑作です。昭和初期にカフェブームが起きたのですが、大阪北新地のベニアというお店が「女給とキスができる」ことを売りにしたところ、爆発的な人気を呼びました。
それからカフェは完全にキャバクラと化して、困った喫茶店が「純喫茶」という名称を作り出したそうです。
いつの世の中もねえ、といった感じです。

しられざる戦前の生活を知りたいひとのために!

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最近の日常【平成31年8月上旬】 [日常]

〔ツバメの巣立ち〕
ツバメを観察しても、どうも巣立ちをしてもしばらくは親からエサをもらっているらしい。
数羽のツバメが仲良く電線に止まっていると、近くを別のツバメが通るたびに雛のようにエサをねだる。
飛んでいるツバメが親で、エサをねだっているのが子供なのだろう。
ジャングルに住むオウギワシは2年に1度しか子育てをしないが、それは子供を育てるのに時間がかかるから。
サルを初めとする哺乳類を狩るが、高度な技術が必要であるため、巣立ちをしてもなかなかひとりでエサを取ることができないそうだ。
自然はなかなか大変です。

〔三井住友銀行が家にやってきた話〕
たまたま休暇で在宅中に三井住友銀行がやってきた。
かなり前に「支店が移転したので顔を出してください」と言われていたのだが、特にいく用事もないのでそのままにしておいていたら、銀行からやってきた。
話を聞くと、要するに投資の勧誘です。
自分の口座に、株式の配当金が額はともかくとして回数だけはちょぼちょぼと入金されるので、「投資に興味のある人間」としてターゲットにされたようです。
銀行としては投資信託、外貨預金、学資保険、個人年金などを売りたいのですが、投資信託は手数料が高くて配当利回りが低すぎて論外です。外貨預金も金利が低すぎて話にならない。個人年金は税控除限度額だけ加入済み。さらに学資保険もすでにかけているのでこれもNGと、結果として全否定になったのですが、NISAについて少し話を聞いて勉強することができました。
そてにしても、大手都市銀行も飛び込み営業する時代になったんだなあと思ったりして。
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【書評】山下昌也『貧乏大名”やりくり”物語~たった五千石!名門・喜連川藩の奮闘~』 [書評]

たった五千石なのに大名とされていた喜連川藩の奮闘です。


貧乏大名“やりくり”物語 たった五千石! 名門・喜連川藩の奮闘 (講談社+α文庫)

貧乏大名“やりくり”物語 たった五千石! 名門・喜連川藩の奮闘 (講談社+α文庫)

  • 作者: 山下 昌也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/19
  • メディア: 文庫



歴史好きなひとはご存知かと思いますが、大名の基準は1万石以上で、喜連川藩はその基準に達していません。
しかし、足利家に繋がる名門であるという理由で大名としての格式を持ち、しかも”御所様”と呼ばれることを許された家がありました。
とまあ、前半はほぼほぼこの大名の奇妙な来歴に費やされます。
藩運営は後半だけですが、唯一の産業は宿場町があったことだけです。
小さな藩なのでたいしたことはできません。
それでも、精一杯の善政を引いたことだけは分かります。
もうすこし家臣たちの話があっても良かったかなと思いますが、小さな藩なので文献が少ないのでしょう。

奇妙な大名の歴史を知りたいひとのために!
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第1期ヒューリック杯清麗戦第1局(里見香奈女流五冠VS甲斐智美女流五段) [将棋]

女流棋界7つ目のタイトルの第1期が決まりす。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

ヒューリックは棋聖戦も特別協賛しており、ここ最近、将棋界にどんどん進出しています。
新棋戦を立ち上げるにあたり、用意した賞金は700万円で、もちろん女流棋界最高額です。
お金を稼ぐために将棋を始めるひとは少ないとは思いますが、棋戦が増え、女流棋士として生活ができるようになるのは良いことだと思います。
棋界の7大タイトルで賞金額が公表されているのは竜王戦だけですが、噂通りなら棋界でも4~5位に食い込む大型棋戦です。
予選が6勝通過2敗失格システムですので、最低でも2局は消化するわけで、対局数が増えるのも良い試みだと思います。
ただ、予選が分かりにくいので、見せかたに工夫がいるのかなと思います。
さあ、栄えある第1回の清麗位に近づくのは、里見女流五冠でしょうか、それとも甲斐女流五段でしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/seirei/kifu/1/seirei201908030101.html

ということで将棋です。
里見女流五冠は後手番となり、三間飛車から棒金という珍しい作戦を取ります。
菅井竜也七段も採用したことがありますが、先手の2五歩を金の後押しによって桂馬で取るのが主張です。
戦いが始まったのは4五歩からです。
玉頭方面に金銀を寄せて厚みを築いている先手から仕掛けて香得を果たしますがと金と成桂を作った後手が好調です。
お互いに横から攻める形となり、甲斐女流五段が築いた玉頭方面の厚みが生きない展開となったのが誤算でしょうか。
優位にたった里見女流五冠は確実に先手玉を追い詰めます。
終盤で何度か詰みを逃したようですが、包囲網を確実に狭め、まずは96手まで女流六冠に向けて里見女流五冠が先勝しました。
第2局は8月24日(土)、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で行われます!

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