SSブログ

最近の日常【令和2年11月中旬】 [日常]

〔昆虫が特定の植物を食べる理由〕
秋のころの話です。息子が学校の授業かなにかでバッタを捕まえてきた。
飼うというので種類を調べて、餌となる雑草を探しに行く。
昆虫は食べる植物が決まっている。
これは植物だって食べられるのが嫌だから様々な毒を持つ。昆虫はこの毒に対抗する必要があるが、様々な種類の毒への耐性を持つのは、コストが高い。
ということで、特定の毒にだけ耐性を持つように進化し、特定の植物だけを食べるようになる。キャベツに群がるモンシロチョウなどは有名でしょうか。ちなみにキアゲハの幼虫はセリ科の植物を食べます。
息子が捕まえてきたバッタ類はイネ科の植物を食用とすることが多いです。イネ科はまた独特で、これまた別の話で。

〔イネ科の雑草の話〕
イネ科は雑草の究極進化形態だと思っている。
イネ科の植物が昆虫や動物に食べられないために取った戦略が、自らの栄養価を下げることです。
土中に含まれているケイ素を大量に含むことで、硬く、食用に適さない体にしています。
だから牛なんかは何度も反芻して、しつこく消化している。
これだけ工夫しても、動物や昆虫は進化をくり返して食用にしてしまうのが恐ろしいところ。まさに生命の神秘です。
イネ科のさらなる特徴は、成長点が根元にあることです。
普通の植物の成長点は先端にあるので、頭を食べられると成長できません。
ところがイネ科の生長点は根元にあるため、先っぽを食べられても何度でも伸びることができます。
種も素早く実らすために、生産コストの高い脂質をカットしています。
これがまた食品として優れているところで、結果として世界中で主食として重宝されています。代表選手は小麦と米ですね。
この小麦にはまた面白い話があるのですが、それまた別の機会に。
nice!(8)  コメント(6) 
共通テーマ:日記・雑感