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大晦日ですね [日常]

2020年ももうすぐ幕を閉じます。
1年間ご愛読ありがとうございます。
So-netのブログランキングの本カテゴリで安定して8位内をキープできているのは皆さまのおかげです。
順位が自分のモチベーションのひとつになっています。

2020年は新型コロナの1年でした。
緊急事態宣言から始まり、ひたすら自粛、巣ごもりの日々。在宅勤務も普通になりました。
大学も殆どがリモート授業となり、いままでとは全く異なるキャンパスライフとなっています。社会が大きく変わった1年だと思います。
ひとつの病気で世の中の仕組みが一変するとは、思ってもみませんでした。
苦境に陥る企業を助けるの重要ですが、リモートワークに対応した新しい企業を支援するのも大事かなと思います。

国際関係でいえば、米中覇権争いが激しくなっています。
経済的繋がりや圧迫をかけてくるトランプ大統領への対抗上、両天秤にかけていたEU諸国もここにきて米国寄りにシフトしてきています。
オーストラリアは中国の静かなる侵略が暴かれたことから急速に反中国となり、伝統的に両天秤をかけてきたインドも中国による侵略があったことから反中国に傾いています。
米国の政権交代という不確定要素はありますが、中国経済が曲がり角にきていることもあり、この流れは変わらないと思われます。
日本にとって外交がさらに重要になる一年になるかもしれません。

将棋界はますます面白いですね。
藤井聡太が二冠を達成しましたが、各棋士も対抗策を考えているようで、王将戦ではリーグ落ちするなど壁にぶつかっています。
この壁を突破して3冠目を獲得できれば、これから二十年は藤井時代になり、あらゆる記録を塗り替えていくと思います。
藤井二冠に足りないのは、同世代のライバルだけだと思います。
大山十五世名人の升田幸三、中原誠十六世名人の米長邦雄、羽生善治の森内俊之、佐藤康光のように。
来年は注目の一年になると思います。

そんなこんなで、来年もよろしくお願いいたします。
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【書評】横山秀夫『陰の季節』 [書評]

第5回松本清張賞受賞作を含むファースト短編集です。


陰の季節 (文春文庫)

陰の季節 (文春文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/10/10
  • メディア: 文庫



横山秀夫は新聞記者出身です。
新聞記者時代の経験がたっぷりつまった警察短編集になっています。
今回の作品の主人公は管理部門です。外向きに事件を追うのではなく警察内部の事件を扱います。
表題作は天下り先に居座る大物OBを描き、『鞄』では議会対策をする警察官が主人公です。
警察の管理部門を描くというのが独創的なのと、さらにはどんでん返しが何重にも用意されている構成も見事です。
非常に質の高い短編集だと思います。

警察小説を読みたいひとのために!
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第79期順位戦【中盤編・A級、B級2組、C級2組】 [将棋]

いよいよ佳境に入ってきました。

〔A級・対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79a/index.html

首位は斎藤慎太郎八段で5勝1敗です。上位陣との対戦も終わっているので有利ですが、順位が低いだけに複数プレーオフになるといきなり苦しくなります。
星1つ差で追うのは豊島将之竜王と広瀬章人八段です。
豊島竜王は羽生戦で優勢から逆転されるも、辛くも命拾いしました。広瀬八段は調子がいいとはいえませんが、ここまで星を揃えてくるのはさすがです。
最終戦に両者の激突があるので、ここが挑戦権・プレーオフを争う大勝負になる可能性があります。
残留争いですが、残留力に定評のある三浦弘行八段が1勝5敗と黄色信号です。
残留には残り3戦中2勝が絶対条件で、それでもライバル棋士の星勘定によっては陥落です。
同じくピンチなのは2勝4敗の稲葉陽八段と羽生善治九段です。稲葉八段は調子が上がらず、次の苦手としてる羽生戦に敗れるとかなり厳しくなります。
羽生九段は中盤まで優勢になることが多いのですが、終盤でひっくり返されることが多いです。
年齢なのかもしれませんが、A級から落ちるのはあまりに勿体なので、ぜひとも踏ん張って欲しいです。

〔B級2組・対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79b2/index.html

藤井二冠が7連勝と力の違いを見せつけています。1敗しても昇級圏内なので、ほぼ当確でしょう。
2、3番手争いは、前期でまさかの大逆転で昇級を逃した横山泰明七段、永瀬王座から元天才と揶揄される佐々木勇気七段が1敗で並走しています。
この2人は直接対決が組まれており、順位の良い横山七段は負けても昇級圏内ですが、順位の低い佐々木七段は負けると苦しくなります。
大きな分かれ目です。
2敗勢だとベテラン中村修九段が奮闘していますが、藤井二冠戦が待っているのが大きなネックです。
同じく2敗の大石直嗣七段は佐々木七段との直接対決があるだけに、逆転昇級の可能性も十分にあります。
畠山成幸八段が今期絶不調です。長らくB級2組の門番として在籍してきましたが、降級点もあることから、いよいよピンチです。


〔C級2組・対戦表〕
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2020/79c2/index.html

7戦終わって1敗以内に5人がひしめく混戦です。
若手が上位を占めますが、その中で中堅の伊藤慎吾五段の奮闘が目を引きます。2敗には遠山雄亮六段、今泉健司五段がいますが、上位陣の数が多いので、さすがに逆転は厳しそうです。
黒沢怜生五段は三段のころにNHK杯で記録掛かりを務め、数少ない振り飛車党であることからファンも多いと思います。
チャンスですが、残り3戦中2戦が上位陣との対戦であるところが辛いところ。
展開によっては2敗の佐々木大地五段、大橋貴洸六段にもチャンスがありそうですが、そもそもなぜこの2人がいまあにC級2組なのかが不思議です。
C級2組は棋士の寿命と直結しています。
1勝6敗の大平武洋六段、中座真七段、佐藤慎一五段はすでに2つの降級点を持っていることから、かなり追い込まれています。
残り3戦で2勝しないと、フリークラスへの転出が濃厚です。
ぜひとも乗り切って欲しいですが。
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第46期棋王戦挑戦者決定戦第2局(広瀬章人八段VS糸谷哲郎八段) [将棋]

勝者が渡辺棋王への挑戦権獲得です。

〔主催者HP〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/

1998年奨励会入会組は粒ぞろいで、広瀬章人八段・糸谷哲郎八段・佐藤天彦九段・高崎一生七段・戸辺誠七段と5人の棋士が誕生し、タイトルも獲得3人・通算6期となかなかのものです。
広瀬八段は振り飛車穴熊を武器に1998年組で最も早くタイトルを獲得したものの、タイトル獲得数は佐藤天彦九段の名人3期の後塵を拝しています。糸谷八段は竜王1期を獲得したものの、2つめのタイトルが遠いです。
1998年組も33歳前後になりました。
将棋界ではまだまだ若いですが、藤井聡太二冠を代表とする下の世代もぞくぞくとデビューしており、二人ともいつまでも上を目指すだけではいけない立場です。
1998年組として、さらなるタイトルの積み重ねを狙いたいところです。
さあ、同期のライバルから一歩前に出ることができるのは、どちらの棋士でしょうか!

〔棋譜〕
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/46/kiou202012280101.html

ということで将棋です。
先手番になったのは糸谷八段。角換わりから相早繰り銀となりますが、前例のある将棋とはいえ、58手までほぼノータイムで突き進みます。
いま研究テーマになっている課題局面なのでしょう。
お互いに時間を使うようになったのは63手目以降です。
歩の手筋で先手陣を乱してからの桂馬の両取りが絶好のように見えましたが、いざ先手玉に早逃げされると、糸谷玉は序盤で2筋を詰めているのが大きくバラバラながら広いです。
広瀬玉はコンパクトにまとっているものの3筋の金銀が守りに働いていない上に玉が狭いです。
気が付いたら敗勢になっていたという感じです。
馬を切り飛ばしたところで、難局と見て自重するしかなかったようです。
107手まで糸谷八段が勝ち、これで渡辺棋王への挑戦を決めました。

棋王戦第1局は、2月7日(日)、栃木県宇都宮市「宇都宮グランドホテル」で開幕します!
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創作状況【12月下旬】 [ぼくの公募状況]

今年もあと数日で終わりです。

【サイトーメルマガ第159回の内容紹介】
◆創作に役に立つ書籍紹介 大倉祟裕『福家警部補シリーズ』
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第69回)
◆公募情報数点
 最近はミステリ系公募の選考委員となることの多い大倉祟裕の『福家警部補シリーズ』を取り上げます。
 次回発行は1月5日です。メルマガは無料なので、ドンドン登録してください!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【ショートショートガーデン】
今週の作品はこちらです。まあ、ダジャレです。

〔イラブ・エリ〕
https://short-short.garden/S-uCTmkQ

〔恐怖のレントゲン〕
https://short-short.garden/S-uCTmqK

【TO-BE小説工房】
今月の作品を投稿する。くだらなさではいままで投稿してきた中でトップクラスです。
来月は「島」です。なんとなく古き良きSFのノリで書いてみる。
最近のSFをときおり読みますが、文体的にも感覚的についていけません。
これが”時代に取り残される”ということなのだと思いますが。

【SSスタジアム】
結果発表は1月下旬のようなので、それまでのんびりと。

【星新一賞】
新しいアイデアが2つあるけど、気が向いたら書きます。はい。

【創元SF短編賞】
とりあえす、ひたすら一心不乱に書いてみた。4話連絡の予定で、1話、2話、4話まで書き終える。3話は途中まで書いて、どうしようかと悩み中。
40×40字で17枚あるので、第3話を削っても枚数的には問題ないのだが、やっぱり第4話に繋がる何かが欲しいんだよなあ。
ちょっと考えます……って、そんな時間もないんだけども。

【坊ちゃん文学賞と恐怖の扉百物語】
「5分ごとにひらく恐怖のとびら 百物語」に応募のため、久しぶりに分析的に読んでみる。
いまのところ考えているのが、”ブレインストーミング”を二重に使うこと。
個人的にはワンアイデアでストンと落とすのが好きなのですが。
何はともあれ実験ということで。

【福島正実SF童話賞】
そのうちブラッシュアップします。たぶん……。

【ゆきのまち幻想文学賞】
今期の投稿が終わったので、しばらく休眠。

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【書評】蘇部健一『六枚のとんかつ』 [書評]

おそらく日本史上最低のバカミステリとして名を残す作品です。


六枚のとんかつ (講談社文庫)

六枚のとんかつ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/01/15
  • メディア: Kindle版



本作は第三回メフィスト賞を受賞しています。
ところが、出版されるや否や、「ばかばかしくて読めない」「ゴミだ」「商品じゃない」「バカミスで逃げている」などの強烈な非難が殺到します。
本人ですら文庫化されるときに読み返し「ゴミだ」と実感し、大幅な加筆修正をしています。
ただ、ぼくは嫌いじゃないです。というか、けっこう好きです。
特にずっと読んできたあとででてくる『最後のエピローグ』のバカバカしさは、一般人の限度を超えています。
が、好きです。

そんなキング・オブ・バカミスを読みたいひとのために!
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最近の日常【令和2年12月下旬】 [日常]

〔掃除機を新調した話〕
新しい掃除機を購入した。いままで使っていたものが安物で、壊れてしまったので買い替えることにした。
紙パック式は面倒なのと、充電式はパワー不足なので、必然的にサイクロン式一択となる。
家電売り場にいくと、いろいろな種類が売っている。
自分はスペックが気になるのだが、妻はゴミを扱いやすい商品を選びたいという。
このあたりは使い方の違いといいますか。
結果的に自分の意見よりの商品を選びました。
吸い込み口が下だけでなくて、前にもついているのがお気に入りだったりしする。
端っこのゴミを吸い取りやすいので。
購入の際には、株主優待券を有効活用させていただきました。はい。

〔たれなし納豆の話〕
安い納豆を買ったら、たれとからしが付いていなかった。
正直、あまりよく見ていなかった。
納豆には醤油が定番だが、最近のたれの傾向は違うようなあと思って、3倍濃縮のだしに削り子をかけることにした。
うん、うまい。普通のたれよりこっちが良いかも。
またにたれなし納豆を買うのもよいかな、とか思ったり。

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【書評】ジョージ・オーウェル『1984年』 [書評]

歴史的傑作と評価されているSFです。


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: ジョージ・オーウェル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/07/18
  • メディア: ペーパーバック



執筆されたのは1948年です。
当時の近未来をイメージしたディストピア小説で、モデルはソ連です。
全体主義に毒されて、荒廃した社会が描かれます。
指導者であるブック・ブラザーは全知全能の神であり、彼の予言は絶対であり、全ての技術は彼の発明となり、またそうなるために歴史が度々書き直させられます。
主人公は歴史を書き換える仕事をしていますが、疑問を持つことは許されず、ウソだと知っていても、それは本当であると思わなければなりません。
ビックブラザーが2+2=5と決めれば2+2は5であり、2+2=4だと主張する自由はありません。そうした社会が淡々とつづられていきます。
自分が読んだのは高橋和久の新訳版ですが、読みやすくて文句なしの傑作だと思います。

全てのSFファンのために!
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【公募情報】第12回小諸・藤村文学賞 [公募情報]

「小諸」は地名、「藤村」は島崎藤村のことです。

〔主催者HP〕
https://www.city.komoro.lg.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkaijimukyoku/bunkazai_shogaigakushuka/2/1/1/2/9014.html

島崎藤村は小諸で英語、国語の教師として6年間小諸で過ごしました。
その島崎藤村を記念して、小諸市は毎年エッセイを募集しています。
一般の部、高校生の部、中学生の部がありますが締切が異なり、高校中学部門はすでに募集が終わっていることに注意してください。
制限枚数は400字詰原稿用紙で10枚程度(上限11枚)、応募締切は令和3年1月31日です!

〔募集要項抜粋〕
募集内容:随筆
テーマ :不問
最優秀賞:20万円
制限枚数:原稿用紙10枚程度(上限11枚)
応募締切:令和3年1月31日
応募方法:郵送
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【書評】横山秀夫『第三の時効』 [書評]

F県警強行犯シリーズになります。


第三の時効 (集英社文庫)

第三の時効 (集英社文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/03/17
  • メディア: 文庫



6編が収録されていますが、一班から三班までそれぞれ特徴のある班長が活躍します。
時効の知識を駆使した表題作『第三の時効』も印象的ですが、『沈黙のアリバイ』も技巧をこらしているなかなかの佳作です。
主人公が多彩であることから、班同士の軋轢も描かれています。
ミステリとして読むと、若干、腑に落ちない作品もありますが、警察の内部事情に切り込んだ横山節といった感じがします。

横山秀夫ファンのために!

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