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【書評】大倉祟裕『聖域』 [書評]

山岳ミステリーの旗手である著者の代表作です。


聖域 (創元推理文庫)

聖域 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/07/15
  • メディア: Kindle版



主人公は元山岳部の社会人です。
大学時代の同期であり、目標だった友人が彼の実力からすれば信じられないような場所で滑落死したことに不信感を持ちます。
調査を続けたところ、過去の事件との繋がりが見えて、さらには次なる事件が発生します。
著者は山岳系同好会に所属していたこともあり、山の描写が巧みです。
ミステリとしても、意外な犯人像など、練りこまれた作品だと思います。

いつもとは違うミステリを読みたいひとのために!
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【書評】マックス・ベルジュイス/のざかえつこ『たいせつなてがみ』 [書評]

著者はオランダ人児童文学作家です。


たいせつなてがみ

たいせつなてがみ

  • 作者: マックス ベルジュイス
  • 出版社/メーカー: セーラー出版
  • 発売日: 2011/06/01
  • メディア: 大型本



アフリカに住むライオンの王様がアメリカの友人に手紙を出します。
最初は大切な手紙をワニに依頼しますが、「郵便の方がはやい」と全うな指摘をされて、ポストに手紙を投げ込みます。
ワニは「王様の大切な手紙だから」と手紙を自転車、徒歩、ボートでアメリカまで追いかけて、最後に追いつきます。
もちろん現実的にはありえないのですが、ワニの必死さが、幼児の心を掴むのかなと思います。

素朴な絵本を読みたいひとのために!
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第30期女流王位戦第3局(渡部愛女流王位VS里見香奈女流四冠) [将棋]

渡部愛女流王位の1勝1敗で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

ヒューリック杯棋聖戦の1次予選には2名の女流枠があります。今年は里見香奈女流四冠と渡部愛女流王位が参加します。
いままで1次予選を突破した女流棋士はいなかったと思いますが、里見香女流四冠が1回戦、2回戦を突破し、予選準々決勝まで進みました。
次戦は都成竜馬五段です。
今期は不調の里見香女流四冠が連勝したのは、それだけ現在の女流棋界のレベルがあがっていることを示していると思います。
渡部女流王位の初戦は佐々木大地五段です。
いきなりの若手強豪との対戦で厳しい組み合わせですが、里見香女流四冠に続いて女流棋界が成長した証をみせて欲しいと思います。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/30/joryu-oui201905290101.html

ということで将棋です。
先手里見香女流四冠がノーマル三間飛車を採用すると、後手渡部愛女流王位はエルモ囲いに組みます。
後手の金の位置をのぞけば、どこか昭和の香りがする形です。
渡部女流王位は金銀を前面に押し立てて先手陣を圧迫しますが、先手は細かい手筋で捌きに入ります。
ずっと互角が続きましたが、飛び出した角の退路を封鎖したあたりから里見香女流四冠がリードを奪います。
ただ、角をとる前の手順に先手に見落としがあり、一瞬後手有利と見られる局面になります。
だが、114手目の8八とがあまりに優雅すぎました。
角成りから先手が一気に後手玉を寄せに入り、時間切迫もあり最後は先手が後手玉を即詰みに討ち取りました。
紆余曲折ありましたが、里見香女流四冠が2勝目を挙げて、これで女流王位復位まであと1勝としました。

第4局は6月13日(木)に、徳島県徳島市「JRホテルクレメント徳島」で行われます!

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【書評】スイートファクトリー・韓賢東『植物世界のサバイバル』 [書評]

大人気の科学漫画サバイバルシリーズです。

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植物世界のサバイバル1 (かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)

植物世界のサバイバル1 (かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)

  • 作者: スウィートファクトリー
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/10/07
  • メディア: 単行本




植物世界のサバイバル2 (かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)

植物世界のサバイバル2 (かがくるBOOK―科学漫画サバイバルシリーズ)

  • 作者: スウィートファクトリー
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 単行本



ある無人島で植物の研究をしている研究者のところに主人公たちが遊びにいきます。
ところが、そこで不慮の事故で植物を巨大化する薬品がばらまかれてしまい、主人公たちは命の危険にさらされます。
普通に考えれば、植物が巨大になっただけで命の危険が生じるとは思えません。
しかし、そこな脚本の力で、次から次へと主人公たちに危機が降りかかり、ひといきつくひまもありません。
無事解決……と思わせてからもピンチがやってきます。
まさにエンターテイメントです。
もちろん科学漫画サバイバルシリーズの特色であるウンチクはてんこもりです。
日本の漫画に慣れてしまうと、作画に若干の難を感じてしまいますが、十分に楽しめるレベルに到達していると思います。

サバイバルシリーズを堪能したいひとのために!<

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創作状況【5月下旬】 [ぼくの公募状況]

あれこれ手をつけようとして錯乱中。

【サイトーメルマガ第140回の内容紹介】
◆創作に役に立つ書籍紹介 大倉祟裕『警視庁いきもの係』シリーズ
◆TO-BE小説工房に挑戦中(第50回)
◆公募情報7点
 今月のテーマは設定を成立させるためのキャラ作りについてです
 メルマガ登録はこちらから。もちろん無料です!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【TO-BE小説工房】
今月投稿作品を推敲する。5.5枚だったのを5枚にスリムアップ。この程度ならいつものことなので、サササと。
とても自分らしい作品になったけど、一般受けは良くないというパターン。
このような作品がすきなんですよ、とっても。
来月用作品も書くが、どうもアイデアがうまくまとまらない。冴えないなあ。

【星新一賞】
アイデアを忘れたので読み返す。
北区内田康夫ミステリー文学賞が終わったら手を付けます。

【創元SF短編賞】
そのうちボツネタを改稿します。はい。

【北区内田康夫ミステリー文学賞】
設定を削って少しシンプルにする。悪い人間はひとりに絞った。
とりあえずラストまで書いて60枚ほど。設定を修正したので、伏線から描写まで頭からだいぶ書き直しが必要です。
ようやくここまで来た、という印象。最初のアイデアからはかなり外れてしまいましたが。
しかし、、、トリックを活かしきれていない気もするが。

【54文字の文学賞】
ジェネレーターを動かすパソコンを探したい。
仕方がないからネットカフェでも行こうかなあ。なんかこれだけのためにというのが、ちょっと……なんですけども。

【福島正実SF童話賞】
第1案は書き終えたので寝かし中。まあ、第2案はそのうちにということで。

【ゆきのまち幻想文学賞】
ストックはあるので、何か思いついたら書きます。

【ミステリーズ!】
そのうち書き溜めます。

【FACEBOOK】
友達募集中です!
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007879718530
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【公募情報】第16回坊ちゃん文学賞 [公募情報]

なんと突然のショートショート賞への転換です

【主催者HP】
http://bocchan-shortshort-matsuyama.jp/

坊ちゃん文学賞というと、夏目漱石の名作、「坊ちゃん」の舞台を記念して設立された賞ですが、いままで短編(原稿用紙80~100枚)を対象としていました。
それが前回(2015年)にショートショート部門が設立され、そして今回になってショートショートの賞として完全リニューアルされました。
賞金は50万円です。

<募集要項抜粋>
募集内容:ショートショート
テーマ :特に無し
大  賞:50万円
制限文字数:4000字以内
応募方法:インターネット
応募締切:令和元年9月30日
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最近の日常【平成31年5月下旬】 [日常]


〔表現の自由について〕
この記事を読んでびっくりした。これは焚書であり検閲であり洗脳ではないのか。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190506-00010000-clc_guard-eurp

表現の自由は大切だと思っている。
様々な主張があり、多様な表現があり、複数の解釈があり、喧々諤々の議論があり、それを読者が受け取ることでよりよい世界に進んでいけると信じている。それが自由民主主義の根幹だと思っている。
「正しい表現」しか許されない世界が、様々な悲劇を生む事を人類は学んできたのではなかろうか。
ジェンダーに対しても様々な考え方や学説があるのに、それを無視して伝統的書物まで「正しくない」から排除するのは焚書であり、ある種の狂気を感じます。
ジェンダーに理解のある書物も、伝統的価値観に基づく書物も、ジェンダーを飛び越えた書物も同じように並べ、あとは読者の解釈にゆだねるべきではなかろうか。たとえそれが子供であったとしても。

自分の表現の自由に対する考えは、下の漫画と一緒です。
藤子不二雄先生は神です。

https://pds.exblog.jp/pds/1/201405/17/86/a0208786_1315241.jpg


〔米中貿易戦争の話〕
米中貿易戦争が本格化してきた。というより覇権争いが激しくなってきた。
きっかけはAIIB事件なのだが、この事件に米国が驚き、中国は自信を持ち、さらに中国が露骨に覇権を奪おうとしている状況。
いままで中国は賢く米国からの攻撃を避けてきたので、今回ものらりくらりと交わすものばかりと思っていたが、ここまで正面からぶつかるとは思っても見なかった。
しかも米国が要求する知的財産権の保護という至極全うな主張まで、交渉の土壇場になって拒否するとは完全なる想定外。
両者がガチで戦えば、経済規模も軍事力も国際的信用度や同盟国の力から見ても引き離されているので、現段階では米国が勝つことは目に見えている。自由民主主義と一党独裁という政治体制の差も大きい。
経済減速中の中国は、なんだかんだとのらりくらり作戦しかないと信じ込んで株をちょこちょこ買っていたので、ちょっと痛手かも。
中国がゆっくりと沈むのと平行して、インドが台頭するというシナリオだと思っていたのに、なかなか予想は当たらないものです。
下手したら中国経済のハードランディングが起こるかも。
混迷の時代になってしまうのかなあと思いつつ。

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第60期王位戦挑戦者決定リーグ最終一斉対局 [将棋]

紅白とも優勝の行方は最終局まで持ち越されました。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

紅組は木村一基九段が4連勝で単独首位。勝てば優勝で負けても結果待ちという有利な位置にいます。
まず木村一九段の結果ですが、
木村一基九段 × ― 〇 佐々木大地五段
クラシカルな矢倉に構えますが、中央から反撃されて圧殺されてしまいました。作戦ミスであり、無念だと思います。
木村一九段の優勝は菅井竜也七段―阿久津主税八段戦の結果にゆだねられます。
阿久津主税八段 × ― 〇 菅井竜也七段
これで木村九段と菅井七段が4勝1敗で並び、紅組はプレーオフとなりました。
2名以外の4名はリーグ陥落です。

白組は綺麗に分かれました。
3勝1敗が3人で、優勝から陥落まであります。
その3人が陥落がすでに決定している1勝3敗の3人と当たります。
対戦結果は以下のとおりです。

<3勝1敗組>    <1勝3敗組>
 羽生善治九段 〇 ― × 谷川浩司九段 
 中村太地七段 × ― × 千田翔太七段
 永瀬拓矢叡王 〇 ― × 澤田真吾六段

その結果ですが、まず永瀬叡王が角換わり腰掛銀から優勢に戦いを進め、終盤は二転三転する大熱戦となりますが、辛くも逃げ切り勝利です。
羽生谷川戦は歴代2位となる167局目。羽生九段が角道を止めて手将棋となります。中盤は谷川押しでしたが、終盤に羽生九段が谷川飛車を捕らえたところで谷川九段が投了しました。この勝利で、羽生九段は歴代最多勝記録に並びました。現役ではもちろんダントツです。
中村太千田戦は矢倉脇システムとなります。一時期流行しましたが、最近はまったく見ないので斬新です。
組み合ってからは激しい乱戦となり、先手千田七段が徐々にリードを広げ、中村太七段を打ち取りました。
その結果、白組も永瀬叡王と羽生九段のプレーオフとなりました。両名以外の4人はリーグ陥落です。

紅組白組のプレーオフは、6月4日に行われます!
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第12期マイナビ女子オープン第4局(西山朋佳女王VS里見香奈女流四冠) [将棋]

西山女王の2勝1敗で迎えた第4局です。

【中継サイト】
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/

奨励会初段以上になった女性は過去3人だけです。
里見香奈元奨励会三段は初の女性棋士の期待も高まりましたが、年齢制限により無念の退会となりました。
加藤桃子元奨励会初段も初段の壁を突破できずに、女流棋士として歩むことを決めました。
最後の西山朋佳奨励会三段ですが、第63回三段リーグでは11勝7敗と勝ち越したものの第64回では5勝13敗と大きく負け越し、今回のリーグでも1勝5敗と苦しい立ち上がりです。
三段リーグの壁は不思議なところで、通算負け越しでも勝ち星を集めて四段になることもあれば、毎回好成績を挙げながら星を集めることができずに年齢制限で退会する会員もいます。
苦戦している西山奨励会三段も、三段リーグで戦える実力はあるのですが、星が集まれば突破する可能制はあります。
まだ23歳なのでチャンスはあります。
ぜひとも女性初の棋士を目指して頑張って欲しいと思います。

【棋譜】
https://book.mynavi.jp/shogi/mynavi-open/result/12/mynavi201905220101.html

ということで将棋です。
先手里見香女流四冠が居飛車に構え、後手西山女王は三間から四間飛車に振り直し、対抗系となります。
先手は玉の囲いもそこそこに、4筋から軽快に仕掛けていきます。
里見香女流四冠は壁銀が不満であるものの、右桂を使えて不満のない展開です。ただ、軽い攻めなのでつながるかどうかが不安です。
勝負は中盤でした。
細かい利かしを入れながら後手陣を攻めますが、西山女王の右桂も跳ねて駒の効率が互角になります。
こうなると玉の固い後手が勝ちやすいです。
チャンスは65手目だったようです。
ここで香車を走らずいきなり角を切り飛ばせば先手有利を保てたようです。
優勢になってからの西山女王は早かったです。
振り飛車にとって気持ちの良い手順が続き、自然と優勢を拡大します。
終盤は一方的となり、96手まで西山女王が勝ち、3勝1敗で見事に女王を防衛しました。
この勢いのまま、奨励会でも巻き返してほしいです。

西山女王おめでとうございます!
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【公募情報】第3回「印刷と私」エッセイ募集 [公募情報]

印刷文化を応援です。

【主催者HP】
https://www.jfpi.or.jp/greenprinting/contest2019

テーマはもちろん印刷です。
タイトルだけでは主旨が伝わりにくいですが、前回受賞作品を読むと、実際に印刷業界にかかわってきたひとがでてきます。
「印刷業界と私」というイメージで捉えたほうがよさそうです。
800字以内(小学生部門は400字以内)なので、ぐっと、圧縮する技術は必須です。
応募締切りは7月10日です!

<募集要項抜粋※一般部門です>
募集内容:随筆
テーマ :印刷と私
小山薫堂最優秀賞:10万円
制限文字数:800字以内
応募方法:インターネット、郵送
応募締切:令和元年7月10日
その他 :小学生部門もあります。
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