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第43期棋王戦第3局(渡辺明棋王VS永瀬拓矢七段) [将棋]

渡辺棋王の1勝1敗で迎えた第3局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

竜王9連覇したことから渡辺棋王の成績には安定したイメージがありますが、よく調べるとかなりムラがあります。
7割以上の勝率で走った年度もあるかと思えば、5割強に急降下することもあります。
強豪棋士の多くは年齢とともに成績が下がり年度が現れますが、渡辺棋王は若いときから成績が悪い年がありました。
それにしても、今年の5割を下回る成績というのは初めてです。
ブログで苦しい胸の内を何度か吐露していますが、まだまだ老け込む年齢ではありません。
いまの将棋界の趨勢である「早い攻撃」に棋風が対応できていないのだと思いますが、受け主体の永瀬七段相手なら、渡辺将棋の棋風が生きてきそうです。
実際に初戦は渡辺棋王らしい快勝でした。
さあ第3局は渡辺棋王らしい将棋がみられるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/43/kiou201803110101.html

ということで将棋です。
戦形は角換わり。後手番の永瀬七段は、得意の棒銀を選択します。
渡辺棋王は居玉のまま攻撃態勢の整備を急ぎ、棒銀に対する対処は8八銀引きで対応します。
先攻したのは渡辺棋王です。
歩を二枚突き捨て、桂馬をはねていきます。
そこから5筋の歩を突き捨て、5三歩が刺さって一本取りました。
さらに軽く8三歩成りと成り捨てたのが好手で、飛車を一段から動かし、効きがなくなった隙に深く角を打ち込みます。
以降は確実に駒得を重ね、危なげなく後手を投了に追い込みました。

これで2勝1敗と渡辺棋王がリードし、防衛まであと1勝としました。
第4局は3月20日に東京都千代田区「都市センターホテル」で行われます!

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第76期順位戦プレーオフ第2戦(佐藤康光九段VS豊島将之八段) [将棋]

史上初の6名プレーオフ第2戦です。

【対戦表】
http://www.meijinsen.jp/news_20180306.html

佐藤康光九段は第57期、第58期名人です。
第59期に失陥して以来、名人戦のひのき舞台に戻ってこれません。
もちろん簡単に名人挑戦者になれるわけではありませんが、順位戦では羽生森内が圧倒的に強く、勝ち越しても挑戦権には届かない年が続きました。
年齢を重ねると、立場が変わっていきます。
森内九段がフリークラスに転出し、佐藤康光は会長となりました。A級では羽生竜王と並ぶ最年長であり、若手の追撃を受けています。
年齢的に、佐藤九段にとり名人挑戦最後のチャンスになるかもしれません。
いままさに指し盛りである豊島将之八段相手に、どのような将棋を見せるでしょうか!

【棋譜】
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2018/03/10/A1/10024.html

ということで将棋ですが、佐藤康九段が後手となると、これでしょう。
佐藤康九段の代名詞であり、自身創設のダイレクト向い飛車になりました。
敬意を持って”変態”と称される佐藤康九段ですが、その変態流にぴったりです。
ですが、ダイレクト向い飛車で後手良しにするのは大変です。金を手持ちにできるといっても一歩損です。
本局でも序盤33手目に放たれた豊島八段の自陣飛車で困りました。
手を無くされて、自陣整備から粘りに向かいますが、最後まで攻めのターンは回って着ませんでした。
豊島八段は連勝で、3回戦に駒を進めました。史上初の6人プレーオフも残り4人にまで絞られました。
次戦は3月12日、広瀬章人八段との一戦になります!
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第76期順位戦【B級1組・最終戦】 [将棋]

昇級者は残り1枠です。

【対戦表】
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2017/76b1/index.html

昇級争いですが、糸谷哲郎八段がすでに初A級を決めています。
のこり1枠は橋本崇載八段と阿久津主税八段の争いです。
先に対局を終えたのは橋本八段。
一直線の攻め合いになりましたが、終盤に郷田九段が読みきりの絶妙手と鮮やかな決め手が出て、痛恨の1敗。阿久津八段の結果待ちとなりました。
郷田九段強いです。
阿久津八段ですが、松尾歩八段との一戦。
終盤に返し技の連続という華やかな戦いとなります。
最終盤で阿久津八段が3手詰めを逃すという珍事が起きましたが、阿久津八段が勝ちきって嬉しいA級復帰です。
橋本八段は無念の結果となりました。

森内九段がフリークラスに転じたことで、今年の降級者は1名です。
すでに丸山九段で決定しています。
来期、戻ってこれたらよいのですが。
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第76期順位戦【B級2組・最終戦】 [将棋]

昇級者は決まっていますので、降級点の争いです。

【B級2組対戦表】
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2017/76b2/index.html

最終戦を前にして、昇級者は野月浩貴八段と畠山鎮七段で決定済みです。
両ベテランの奮闘で、若手の昇級を阻止した感じでしょうか。
降級点も青野照市九段、森下卓九段、先崎学九段まで決定済みで、残り2名です。
大ベテランの青野九段とベテラン森下九段が来期はC級1組に回ります。

最終戦で降級点が決まったのは、飯塚祐紀七段と戸辺誠七段です。
飯塚七段はB級1組に在籍したこともありますが、実力の世界は厳しいです。戸部七段はまだまだ降級するような年齢ではないと思いますが、ベテランに次々と討ち取られている様子を見ると心配になります。
昇級候補だった中村太地王座も6勝4敗と平凡な成績に終わりました。

今期の結果を見ると、若手にとって意外と壁になっているクラスなのかもしれません。
そのようなことを思いました。
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第67期王将戦第5局(久保利明王将VS豊島将之八段) [将棋]

久保王将の3勝1敗で迎えた第5局です。

【中継サイト】
http://mainichi.jp/oshosen/

豊島八段は春先が強く、冬になると調子を落とすことで知られています。
今期も10月14日までは24勝3敗と無敵の強さを誇っていましたが、10月19日以降はほぼ5割ペースに鈍化しています。
全勝で走っていたA級順位戦も1勝3敗と失速し、同星ながら順位の差でトップを久保王将に奪われてしまいました。
豊島八段は実力的にはすでに複数回タイトルを取ってもおかしくないに、未だに無冠なのは、季節によるムラのせいかもしれません。
王将戦は冬の時期なので、苦手な棋戦かもしれませんが、それでも2度目の挑戦ですからそろそろ結果が欲しいところです。
豊島将之八段は角番のピンチをしのぐことができるでしょうか!

【棋譜】
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/180306.html

ということで、将棋です。
久保王将の作戦は角交換四間飛車。相振飛車を思わせる序盤から、駆け引きの結果、最後は対抗系となりました。
徐々に久保王将は豊島八段が伸ばした歩を掠め取り、1歩得となります。
そんな序盤から、久保王将がギアを上げ、いきなり激しい乱戦となります。
銀桂交換の駒損をして飛車を成り込むまでが1日目です。
豊島八段は6二飛と切り返しますが、これに対する3六角が疑問でした。
その後、42手目に3四歩が利いたのが大きく、壁形から抜け道ができて、後手玉が広がりました。
以降はリードを広げた豊島八段が角番を凌ぎ、シリーズ2勝目を挙げました。

続く第6局は3月14日(水)、15日(木)に長野県松本市「松本ホテル花月」で行われます!
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【書評】蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語2』 [書評]

爆笑コミックエッセイの第2弾です。





色や敬語の話から始まりますが、傑作は濁点と半濁点です。
ひらがなが出来たころ、日本語は濁点がありませんでした。平安時代にやっぱり不便で濁点がつくようになったそうですが、明治時代まで正式は濁点無しだったとか。
半濁点はポルトガル人が作ったとか、日本人でも知らないことばかりです。
干支の話とか、「道」「取」「県」の字源だとか、興味のある話が満載です。
日本人だからこそ読んで欲しい本です。

日本語をより深く知りたいひとのために!

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【公募情報】平成30年 三社祭川柳 [公募情報]

三社祭は、正和元年(1312)に神話に基づいて行われた「舟祭」がその起源だそうです。

【主催者HP】
http://www.asakusajinja.jp/sanjamatsuri/senryuu/oubo.html

伝統的な祭りですが、川柳はちょっと違います。
去年の受賞作を詠むと、時事ネタのオンパレードです。「ファースト」「忖度」「こち亀」「ワンピース」と見事に並んでいます。
ためしにもう1年前を見ると、これまた時事ネタです。
伝統と現代の融合が隠れたテーマなのかも知れません。
応募締切は平成30年4月15日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :三社祭
三社祭大賞:3万円
応募締切:平成30年4月15日
応募方法:ハガキ、インターネット、持参
その他 :1枚のハガキに3句まで
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第76期順位戦A級・プレーオフ第1戦(久保利明王将VS豊島将之八段) [将棋]

史上初の6者プレーオフの第1戦です。

久保王将と豊島八段は王将戦を戦っています。
それと平行して順位戦で戦い、さらにプレーオフです。
重なるときはかさなるものです。
金曜日まで、両者は勝てば名人挑戦という立場でした。
ところがそろって負けたことれ6者プレーオフとなり、しかも順位が低いために名人朝鮮まで5連勝が必要という苦しい立場に追い込まれました。
まずは目の前の一勝です。

ということで将棋ですが、相穴熊から後手久保王将が早めに9筋の位を取り、先手が反発する形になりました。
攻めたのは後手久保王将です。
金銀を前線に投入し力強く攻めますが、本局の豊島八段は全力で受けます。
形勢不利となった久保王将は最後まで粘ります。
150手を超える熱戦となりましたが、豊島八段が押し切り、まずはプレーオフ1勝を挙げました。
これで残り5人。
プレーオフ2回戦は佐藤康光九段との対戦です!

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【書評】東野圭吾『容疑者Xの献身』 [書評]

ガリレオシリーズ第3作です。


容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/08/05
  • メディア: 文庫



第6回本格ミステリ大賞、第134回直木三十五賞、『本格ミステリ・ベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得するという東野圭吾代表作のひとつです。
物語は母子家庭の親子が、つきまとわれていた元夫を勢いで殺害してしまったところから始まります。
そのことを知った母に好意を寄せる隣人が隠ぺいのために力を貸して……という流れになります。
ミステリの弱点は動機だといいます。殺人を犯す動機も、複雑なトリックをこらす動機も難しいです。
しかし、この本は動機も含めて論理的で、ほぼ完璧に仕上げられています。
すべての行動が納得でき、鮮やかなラストも含めて、唸らされました。
5冠を達成するだけはあるミステリの傑作だと思います。

小説好きのすべてのひとのために!
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第76期順位戦【A級・最終戦】 [将棋]

将棋界恒例の「一番長い日」です。6人プレーオフの可能性もある大混戦です。

【A級対戦表】
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2017/76a/index.html

5連勝で首位を走っていた豊島将之八段が、そこから1勝3敗と失速して大混戦です。
6勝3敗の久保王将、豊島八段は勝てばプレーオフ以上が確定。負けると他の結果次第ですが、4者プレーオフの可能性もあります。

最初に終わったのは豊島八段と広瀬章人八段の一戦。
横歩取りとなりましたが、豊島八段は序盤で形勢を損ね、そのまま完敗。これで単独挑戦の目は無くなりました。

次に勝負がついたのが行方尚史八段と前期挑戦者稲葉陽八段との一戦。残留には勝つしかない後手行方八段が積極策を取りますが、勢いの差が出てしまいます。行方八段は無念の降級で、稲葉八段はプレーオフの可能性を残しました。
次に終局したのが佐藤康光九段と屋敷伸之九段の一戦。今期絶不調で最終戦を前にして陥落が決定している屋敷九段が最終戦も負けてしまました。
佐藤九段は6勝4敗となり、プレーオフの可能性を残しました。

次が因縁の対決、渡辺明棋王と三浦弘行九段の降級争い。
序盤から三浦九段が押し気味に進め、渡辺棋王も粘りますが、最後はあと一歩足りず敗北を喫しました。
残留するかどうかは、久保深浦戦にかかっています。

最後に残された久保利明王将と深浦康市九段との一戦
久保王将が勝てば名人挑戦決定で優勢に進めていたはずですが、深浦九段の粘り強い差し回しの前に逆転を許し、ついに6名プレーオフにもつれ込む大混戦になりました。
そして、渡辺棋王が3人目の陥落者となりました。

史上初の6名プレーオフは、3月4日(日)に久保利明王将VS豊島将之八段戦から開幕です!
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