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第76期A級順位戦プレーオフ5回戦(羽生善治竜王VS稲葉陽八段) [将棋]

6名プレーオフもついに決着です。

【中継サイト】
http://member.meijinsen.jp/pay/index.html

プレーオフは過去多数行われていますが、有名なのは1992年でしょうか。
大山康晴十五世名人が順位戦最終局で絶頂期にあった谷川浩司に勝利し、4名が同星で並びました。
このときは3番手の高橋道雄九段が挑戦権を獲得しました。
2015年も4名プレーオフになりましたが、このときは1番手の行方尚史八段が挑戦権を獲得しています。
プレーオフはその制度上、最後に登場する棋士が有利なのは当然ですが、意外と1番手が苦戦していように見えます。
勢い、というのも重要なのかもしれません。
豊島将之七段の勢いを止めた羽生竜王ですが、疲労も心配です。
さあ、史上初6名プレーオフの結末はどうなるでしょうか!

【棋譜】
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2018/03/21/A1/10031.html

ということで、将棋です。
棋王戦第4局と同じく相掛かりとなります。大舞台で連採されたこともあり、これから流行するかもしれません。
後手羽生竜王は8五飛車と中段に引いて積極防御を見せますが、途中の7四歩がやや危険でした。
先手稲葉八段の攻めを誘発し、羽生竜王は防戦一方になります。
流れが変わったのは、60手目の5四角からの数手です。
稲葉八段は4五金と打って押さえつけにかかりますが、そこでひらりと6五角と交わしたのが妙手でした。
以降、後手陣は収拾のつかない形になり、羽生竜王が激辛流に徹底したこともあり、差が開く一方です。
後手の駒損が拡大していくなかで、稲葉八段は心が折れたかのように駒を投じました。

これで史上初の6名プレーオフは終幕し、佐藤天名人への挑戦者は羽生竜王に決まりました。
タイトル100期にリーチです。
七番勝負は4月11、12日(水、木)に、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で開幕します!
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第43期棋王戦第4局(渡辺明棋王VS永瀬拓矢七段) [将棋]

渡辺棋王の2勝1敗で迎えた第4局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/kiou/

今期の渡辺棋王は後手番で苦しんでいます。
23戦7勝で、勝率は辛うじて3割を上回っている程度です。
先後合計しても4割4分ですから今期は本当に悪いのですが、それでも後手番は悪すぎます。
竜王戦でも後手番で1勝2敗と負け越し、順位戦でも最終戦後手番で負けて降級の憂き目に会いました。
棋王戦も勝ち越しているとはいえ、後手番で敗れて先手番をキープした結果です。
後手番で負けてしまうと、防衛は最終局の振り駒にかかってくる事態にもなりかねません。
まだ勝ち越してるといっても、余裕はないと思います。
苦しむ渡辺棋王ですが、後手番を制して防衛を果たすことができるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/43/kiou201803200101.html

ということで将棋です。
本シリーズ初の相掛かりとなりました。最近は飛車先の歩の交換を後回しにするのが流行で、本局でもお互いに様子見の展開となります。
序盤の駒組みから先攻したのは先手永瀬七段です。
歩を駆使した攻めが厳しく、先手が駒得の上に玉形も安定とかなり優勢になります。
渡辺棋王も反撃に転じますが、永瀬八段が確実に優勢を拡大します。
ところが時間切迫のなか、打った135手目の4九歩が疑問でした。決め手が見つからず一旦受けに回ったのですが、そこから一気に混戦となります。
解析で見ると、152手目の1四玉が渡辺棋王の敗着となったようです。
入玉含みの中段玉で凌ごうとしますが、4八角と引かれると詰めろ龍取りです。
以降は確実に永瀬七段が渡辺玉を追い詰めて、二転三転した161手の熱戦を制しました。

次局はいよいよ決着局です。
第5局は3月30日(金)、東京・将棋会館で行われます!
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第67回NHK杯決勝(山崎隆之八段VS稲葉陽八段) [将棋]

山崎八段は13年ぶり、2度目の優勝を目指します。

【中継サイト】
http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/shogitou/

最近の山崎八段はB級1組の番人となっていますが、第1期叡王戦優勝などトーナメント棋戦で過去7回優勝、タイトル挑戦1回の堂々たる一流棋士です。
独特の序盤に定評があり、その感覚は他の棋士の追随を許しません。力戦派と言って良いと思います。
稲葉陽八段は正統派の居飛車党です。
A級1年目に名人に挑戦し、今年もプレーオフに進出して2年連続挑戦を狙います。
お互いに居飛車党ですが、棋風はかなり異なります。
この異なる戦いの結果は、どうなるでしょうか!

【棋譜】
http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/kifu/sgs.cgi?d=20180318

先手山崎八段で横歩取りとなりました。
横歩取りらしい飛車角が乱舞する空中戦となりましたが、53手目から70手目にかけての9筋、8筋での攻防で後手の金がそっぽに行き、先手が優勢になりました。
力戦派らしい力強いねじりあいだと思います。
最終盤で後手も5二金から7三角と、駒損をしないように受け、逆転を狙います。
特に最後の7三角は竜当たりで、竜が逃げれば反撃の手が回り逆転に繋がります。
しかし、山崎八段は竜をばっさり切り、4四歩が決め手です。
稲葉八段の最後のお願いも冷静に避け切り、山崎八段がNHK杯2度目の優勝を飾りました。
これで棋戦優勝8回目です。素晴らしい実績だと思います。

山崎八段おめでとうございます!
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第76期A級順位戦プレーオフ4回戦(羽生善治VS豊島将之八段) [将棋]

豊島八段の快進撃が続きます。

【中継サイト】
http://member.meijinsen.jp/pay/index.html

羽生竜王と豊島八段の通算成績は、まだ羽生竜王が勝ち越しています。
しかし、お互いの力関係は2015年前後の逆転したのか、それまで羽生竜王が大きく勝ち越していたのに、そこから4連敗を喫し、早指しの銀河戦でようやくひとつ星を返しました。
豊島八段は、谷川浩司十七世名人から「名人を獲らなければならない棋士」と評されてきました。
現在の豊島八段は、レーティングで堂々たる1位であり、強豪とばかり対戦しているのにもかかわらず勝率7割を超えています。
これは豊島八段が頭ひとつ抜けた存在であることを示しています。
羽生竜王はここ1年でレーティングを落とし、思うような成績を残せていません。
しかし、ここ1番では強さを発揮し、竜王位獲得、永世七冠を達成したのは記憶に新しいところです。
さあ、将棋界注目の一番の結果はどうなったでしょうか!

【棋譜】
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2018/03/18/A1/10026.html

ということで、将棋です。
先手は豊島八段で、横歩取りとりなりました。
6八玉の勇気流から豊島八段は端攻めを絡めますが、後手羽生竜王の8八歩の手裏剣が絶妙なタイミングで入ります。
8筋を壁にしてから攻め合いです。
差がついたのは61手目です。
小考で3四歩と突き出し、その次に長考して3三歩と一直線の攻め合いに突入します。
しかし、8八歩が利いており、この時点で先手が勝てない流れになっているようです。
攻めるだけ攻めて、届かないことがはっきりした時点で豊島八段は投了しました。
豊島八段の春は終わりました。

勝利した羽生竜王は、名人挑戦をかけて、3月21日(祝)に稲葉陽八段と対戦です!
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【公募情報】第2回大藪春彦文学賞 [公募情報]

ハードボイルドの王者の名前を冠した文学賞です。

【主催者HP】
http://www.tokuma.jp/oyabuharuhikoshinjinshou/

ハードボイルドは古臭いジャンルと思われています。
どちらかというと揶揄の対象になっており、個人的に好きなだけになんともいえない気持ちになることもあります。
それでもテーマに「ハードボイルド」を入れるこの賞にある種の気骨を感じます。
募集内容としてはエンターテイメントですが、ぜひともハードボイルド系の新人作家に賞を取って欲しいと願います。
制限枚数は50枚~80枚。応募締切は平成30年4月25日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編小説
テーマ :冒険小説、ハードボイルド、サスペンス、ミステリーを根底とする、エンターテインメント小説。
賞   :100万円
制限枚数:50枚~80枚
応募締切:平成30年4月25日
応募方法:郵送
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第76期順位戦【C級2組・最終戦】 [将棋]

悲喜交々が飛び交うクラスです。

【C級2組対戦表】
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2017/76c2/index.html

早々に昇級を決めたのはスーパールーキーの藤井聡太五段。
来期も大いに期待できます。
2敗勢は7人並ぶ混戦。負ければ脱落のその結果はですが、上位2名の都成竜馬四段、増田康宏五段が勝ちきって昇級を決めました。
増田五段は自玉に詰みがあったのに、1分将棋の中、相手が諦めて投了してしまったという幸運もありました。
運も実力のうちとは、このことかもしれません。
降級点がつくのは下位10名。
フリークラスから脱出した島本亮五段がまたもや降級点です。実力で全てが決まる厳しい世界です。
ギタ慎こそ佐藤慎一五段も、元祖サトシンこと佐藤紳哉七段がそろって降級点。若手の井出隼平四段、星野良生四段も降級点です。
岡崎洋六段は無念のフリークラス行き。3年前は昇級を争ったこともあるのですが。


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第67期王将戦第6局(久保利明王将VS豊島将之八段) [将棋]

久保王将の3勝2敗で迎えた第6局です。

【中継サイト】
http://mainichi.jp/oshosen/

羽生世代の陰に隠れて久保王将は目立っていませんが、すでにタイトル6期の大棋士です。
歴代順位としては13位で郷田真隆九段と並んでいますが、王将を防衛すれば7期となり升田幸三と並ぶ歴代11位タイとなります。
さらにもうひとつ増やせば、9位タイとなり、加藤一二三、木村義雄と並びます。
現代はタイトル数が増えて有利な時代ではありますが、歴代トップ10入りを果たせば将棋史に大きな足跡を残したといっても過言ではありません。
歴史はさておき、まずは目の前の一勝です。
久保王将はタイトルを防衛し、歴代11位に躍り出ることができるでしょうか!

【棋譜】
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/180314.html

ということで将棋です。
序盤はお互いに意地の張り合いとなりました。
先手は手損をしても居飛車に誘導し、それでも後手は飛車を振りました。
後手の久保王将は先手に馬を作らせますが、飛車の働きで勝ります。
玉形も先手が固いので、人間的には先手優位に思いますが、コンピューターは互角評価としているのが面白いところです。
この二人の将棋は面白いです。
その後、久保棋王は手得を活かして先手の飛車を押さえ込み、戦いながら離れていた金を囲いに付けます。
戦い巧者であるベテランの味わいです。
久保棋王優勢の終盤になりますが、久保王将の勢いは落ちません。
106手目に取られな桂馬を歩頭にはねだしたのが決め手で、120手まで久保王将が勝利しました。
これで4勝2敗で防衛を決め、通算4期目の王将位獲得となりました。タイトル通算7期で歴代11位です。
久保王将おめでとうございます!
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第29期女流王位戦挑戦者決定戦(清水市代女流六段VS渡部愛女流二段) [将棋]

古豪対LPSAのエースとの対決となりました。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/

LPSAは日本女子プロ将棋協会の略称です。
2007年に日本将棋連盟から独立して発足しました。その生い立ちの経緯から様々な紆余曲折がありましたが、いまは日本将棋連盟主催の棋戦への参加が認められて、一緒に将棋界を盛り上げていく立場にあります。
現役棋士7人の小所帯ですが、2013年にプロ入りした渡辺愛がエースです。
2015年には三枚堂四段(当時)に勝利し、女子将棋YAMADAチャレンジ杯2連覇、第10回世田谷花みず木女流オープン戦優勝と、確実にステップアップしています。
LPSAからタイトル挑戦者が出たら快挙だと思います。
相手は古豪清水市代女流六段ですが、どのような将棋になるでしょうか!

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/joryu-oui/kifu/29/joryu-oui201803140101.html

居飛車党同士ということで相掛かりとなりました。
お互いに馬を作り、じっくりとした展開となります。強いほうが勝つ将棋といったら良いでしょうか。
模様は先手、清水女流六段が良しです。
だが、お互いに1分将棋となり、最後は指運の勝負となります。
終盤の叩き合いです。
分水嶺は117手目でした。
銀の王手に清水女流六段は右側に逃げましたが、これが敗着となりました。
成桂を取りながら左に逃げたら難しい局面が続いていました。

勝った渡部女流二段は初のタイトル挑戦を決めました。里見香奈女流王位との五番勝負は、5月9日(水)札幌市「京王プラザホテル札幌」で開幕します!

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第76期順位戦【C級1組・最終戦】 [将棋]

実力者が順調に昇級です。

【対戦表】
https://www.shogi.or.jp/match/junni/2017/76c1/index.html

昇級者は10戦全勝の千田翔太六段と9勝1敗の永瀬拓矢七段です。両者ともタイトル戦経験者なので、ようやくB級入りといった感じです。
佐々木勇気六段と高橋一生六段は同じく1敗ながら順位のさで頭撥ねとなりました。
順位が上がる来期に期待です。
降級点は7人に付きますが、2度目の降級点で陥落するのは長沼洋七段1人のみです。
塚田泰明九段も降級の危機を迎えていましたが、同期の高橋道雄九段のアシストにより辛うじて回避しました。

来年度は降級点持ちが一気に増えるので、降級者が大量発生する予感がします。
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第76期順位戦プレーオフ第3戦(広瀬章人八段VS豊島将之八段) [将棋]

史上初の6名プレーオフ3回戦です。

【対戦表】
http://www.meijinsen.jp/news_20180306.html

6名プレーオフの立役者の1人が広瀬八段です。
A級順位戦の最終戦で豊島八段を破り、ついに追いつきました。
かつての広瀬八段の代名詞は振り飛車穴熊でした。居飛車穴熊に対して分が悪いと思われていた作戦を大胆に復活させ、王位を獲得しました。
しかし、得意戦法を羽生善治に攻略されてタイトルを奪われ、以降は基本的に振り飛車穴熊を採用していません。
振り飛車穴熊を失いましたが、それでもA級に昇り、確実に実績を積み重ねています。
本当に強い棋士にしかできないことだと思います。
さあ、広瀬八段は難敵を打ち破り、名人挑戦に向けての一歩を踏み出すことができるでしょうか!

【棋譜】
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2018/03/12/A1/10025.html

ということで、将棋です。
作戦は角換わりから、後手が4四歩を突かなかったことで、先手豊島八段が単に桂馬を跳ねていきました。
この単騎の桂馬を捕りきれるかどうかが焦点となります。
そして広瀬八段は桂馬を獲得しますが、先手の猛攻撃を浴びることになりました。
手のつなげ方が見事です。
後手も中段玉で凌ごうとしますが、前後から挟撃される形となり、追い込まれていきます。
豊島八段は後手玉を攻めながら、自らの玉を睨む成香を捕りきり、これで勝ちを引き寄せます。
以降は豊島八段が確実に勝ちきり、これでプレーオフ3連勝です。
強い豊島が戻ってきました。

羽生竜王とのプレーオフ4回戦は、3月18日です!

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