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第65期王座戦挑戦者決定戦(中村太地六段VS青嶋未来五段) [将棋]

7月28日に行われた対戦です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/ouza/

青嶋五段は棋士以外にも日本有数のチェスプレイヤーとして知られています。
しかも覚えて数ヶ月で日本トップレベルに追いつくというすさまじさです。
羽生王座、青嶋五段以外だと、森内九段もチェスプレイヤーです。森内九段には、チェスを教えてもらい、その教えた相手と対戦して、いきなり勝つという伝説を残しています。
青嶋五段というと、デビュー以来高勝率を挙げ続けていますが、いつもあと1歩届かない印象があります。
その青嶋五段が決勝まで上がってきましたが、前年ながら決勝で敗れて、初タイトルはなりませんでした。
ということで、将棋の記譜です。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/65/ouza201707280101.html

ということで、将棋です。
先手は青嶋五段となり、ノーマル四間から相穴熊となりました。
仕掛けたのは先手の青嶋五段。角交換から角を打ち込み、銀をもぎ取ると、6三歩、7二銀と小技で攻めを繋げます。
アマチュア同士なら先手が勝ちそうな流れですが、プロ同士だと先手無理攻めのようです。
中村太六段が反撃に出てからは早かったです。
3八歩で金を浮きゴマにしてから角を先手で放ち、そこからガシガシと食いついていきます。
最終手は1七桂打ちです。
これは桂馬を取らせることで、1七銀の粘りを消しています。
ここで青嶋五段は投了し、中村太六段が2度目の王座挑戦を決めました。
中村太六段三度目のタイトル挑戦です。

第65期王座戦五番勝負は9月5日(火)宮城県仙台市「仙台ロイヤルパークホテル」から始まります!

【書評】高野和明『ジェノサイド』 [書評]

圧倒的なスケール感で迫るエンターテイメント大作です。


ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




ジェノサイド 下 (角川文庫)

ジェノサイド 下 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




第2回山田風太郎賞受賞、第65回日本推理作家協会賞……といった肩書がかすむほど圧倒的に面白いです。
本作は主に3本の柱で進んでいきます。
1本目が難病に冒された息子の治療費を稼ぐためにコンゴの奥地に送りこまれる傭兵。
2本目が日本で難病の特効薬の開発をする大学院生。
3本目が傭兵を指揮するアメリカ政府首脳です。
メインストーリーは1本目なのですが、サブストーリーはメインを引き立てるだけでなく、それぞれにドラマがあり、1本立ちできるだけのストーリーが組み立てられています。
そのうえで3本を絡ませ、まとめて収束させていくこの構想に圧巻です。
そして、特筆すべきは、綿密な調査だからこそ生み出せるリアリティーです。
著者は本作を発表するまで3年のブランクがありました。
調査を始めたのはさらに3年前とのことですから、都合6年の歳月を費やした作品といえそうです。
それだけの価値のある作品だと思います。

長編エンターテイメントの傑作だと思います!

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【書評】鳴海風『江戸の天才数学者~世界を驚かせた和算家たち~』 [書評]

江戸時代を彩る和算家たちを紹介です。


江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07
  • メディア: 単行本



年代順に並んでいるので、人物だけでなく和算の歴史も学べる親切設計です。
とても読みやすいです。
まず和算が流行するきっかけを作ったとも『塵劫記』吉田光由から始まり、教科書にも載る関孝和、オイラーの公式を欧州より15年前に発見した建部賢弘、さらに指導者として地方を旅して回った山口和など、多彩なラインナップとなっています。
和算という日本独特の文化を知るきっかけになる本だと思います。

江戸時代の意外な一面を知りたいひと向けに!


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創作状況【7月下旬】 [ぼくの公募状況]

完全に月1になっています。

【メルマガ原稿】
 今月のメニューはこちらです。
◆公募分析(第3回)~大阪ショートショート大賞の巻~
◆リアルタイム企画・TO-BE小説工房に挑戦中(第28回)
◆公募情報7点
  公募分析のコーナーでは、最優秀賞に選ばれれば特待生になれる公募、大阪ショートショートを取り上げます。
  メルマガ登録はこちらか。無料ですのでお気軽に!
 http://www.arasuji.com/saitomagazine.html

【小説現代・ショートショートコーナー】
ストックを使って投稿する。
さすがに減ってきた。そろそろ書かないとと思いつつ、時間が……。

【TO-BE小説工房】
今月投稿用の作品は……なんだったかなあ。ストーリー的には良いが、2次創作なので、うーんという感じ。
あまりにも気に入ってしまったので、そのまま投稿してしまいました。
来月投稿用作品も書いたけど、なんか、いろいろとガチャガチャ。
http://www.koubo.co.jp/guide/tobekobo.html

【創元SF短編】
ネタから作り返します。はい。

【ゆきのまち幻想文学賞】
2年分の校正も終わったので、長期間お休み中。

【星新一賞】
今月投稿作品はもう完成です。
来年用作品のワンアイデアを思いついて書き始めたけど、どうも色が違うような。

【北区内田康夫ミステリー文学賞】
時間があれば出すかも。ネタはあるのですが(マニアックです)。

【福島正実SF童話賞】
完成済みなので、あとは投稿直前に最終校正するのみ。

【FACEBOOK】
友達募集中です!
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007879718530

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【書評】鳴海風『和算の侍』 [書評]

和算をテーマにした時代短編連作集です。


和算の侍 (新潮文庫)

和算の侍 (新潮文庫)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/09/28
  • メディア: 文庫



なにより注目は、第16回歴史文学賞を受賞した『円周率を計算した男』です。
主人公は円周率の公式を欧米に先駆けて発見した建部賢弘で、算術に没頭する侍たちの苦悩を描き出しています。
和算は日本独自の数学で、関孝和にとって突如として発展し、その後流派ごとの秘密主義が横行して発展が停滞しました。
そして、明治維新とともに欧米の数学が流れ込み、急速に駆逐されてしまいます。
数学がテーマと聞くと尻込みしそうですが、人間ドラマがきっちりと書かれているので、公式が分からなくても歴史小説として楽しめます。

一風変わった世界を知りたいひとのために!


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第58期王位戦第2局(羽生善治王位VS菅井竜也七段) [将棋]

菅井七段の先勝で迎えた第2局です。

【中継サイト】
http://live.shogi.or.jp/oui/

棋聖戦は羽生棋聖の10連覇で幕を閉じました。
王位戦は6連覇中であり、タイトル戦での成績だけみればまだまだ強いと言えますが、レーティング的には若手にもまれて、ただいま混戦の第3位です。
少なくとも数年前のように、羽生渡辺のツートップが抜けていた状況からは一変しています。
その証拠に、ここ最近の羽生三冠はなかなかタイトルの挑戦者になれません。
中原十六世名人が最後のタイトルを失ったのは46歳でした。
羽生三冠はその年齢を超えているわけですからいつ無冠になってもおかしくありませんが、棋聖戦では3年連続して若手挑戦者を退けています。
王位戦は比較的ベテラン勢が健闘していましたが、ここにきて若手挑戦者の登場です。
森内九段がフリークラスに転出し、郷田真隆九段もB級1組に落ち、佐藤康光九段もA級で苦戦するように、同世代のライバルが後退を続けています。
孤塁を守り続ける羽生王位の心中はいかがでしょうか。

【棋譜】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/58/oui201707250101.html

ということで、将棋です。
先手の菅井七段ですが、5六歩を突いて中飛車と思わせてから三間に振りました。
ほぼ見ない形で、深い研究をうかがわせます。
そこから角交換振り飛車になりますが、菅井七段は初手5六歩を活かして早めに中央を制圧し、後手の動きを抑えてから金をゆっくりと玉に寄せて1日目にて作戦勝ちになります。
羽生王位は打開しようと動きますが、菅井七段は自然な指し手を続けながら優位を拡大します。
羽生王位の勝負手は90手目の6五香です。
角が逃げて長期戦になれば、将来的にこの香車が先手玉の挟撃に働いてきそうです。
しかし、菅井七段は迷うことなく角を切り飛ばし、一気に羽生玉を寄せました。
優勢になってもひるむことなく、小気味良く指していく様子は、まさに充実を感じさせます。

これで菅井七段の二連勝です。
第3局は8月8・9日に札幌市「京王プラザホテル札幌」で行われます!

最近の日常【平成29年7月下旬】 [日常]

〔1日30品目〕
昔実践していた健康法で、「1日30品目食べましょう」というのがあった。
それだけの種類の品目を揃えれば、自然とバランスが取れるようになるという話です。
栄養素の計算なんて面倒ですしね。
けど、これ、非常に大変です。
品目を増やすために、乾燥わかめ、ふりかけ、沢庵は必須アイテムです。
ということで、最近、沢庵をよく食べるようになりました。手軽に1品目増やせますしね。あとご飯に何かを軽くかけたりして。
まあ、気分の問題かもしれませんが。

〔アマゾンプライム〕
気が付かないうちに会員になっていた。
いままで慎重に避けていたはずなのに、どこかでクリックミスをしたらしい。
どうにも請求されてしまうようなので、更新だけはしないように注意しないと。
アマゾンの使い勝手はよいのだが、このプライムだけは困ったものだ。
何度も宣伝がでててき、登録しないボタンが分かりにくい……。
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【書評】大森望責任編集『NOVA8』 [書評]

短編SFアンソロジー・シリーズの第8段です。


NOVA 8 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA 8 ---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 作者: 山田 正紀
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/07/05
  • メディア: 文庫



いつものように10編で構成されていますが、その中でひときわ輝くのが片瀬二郎『00:00:00.01PM』です。
アイデアとしては、時間の静止した世界に閉じ込められた男、という先行作品が見られる内容です。
ですが、話のもっていきかたが上手いというか、描くシーンの切り取り方が見事で、印象深い短編に仕上がっています。
作者の他の作品が読みたくなる一編です。
他には青山智樹『激辛戦国時代』というハチャメチャな作品があります。
作中でキムチを奪うために秀吉が朝鮮出兵を決意するシーンがありますが、時系列が逆で、朝鮮出兵で唐辛子が朝鮮に伝わったというのが定説で……という突っ込みは不要な内容なのであしからず(笑)

多彩な作品を楽しみたいひと向けに!
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【公募情報】第16回北区内田康夫ミステリー文学賞 [公募情報]

貴重な短編ミステリー文学賞です。

【主催者HP】
http://www.city.kita.tokyo.jp/koho/kuse/koho/kiss/bungaku.html

主催者HPに”北区西ケ原生まれの作家内田康夫氏の作品「浅見光彦シリーズ」には、北区がたびたび登場します。”とあるように、北区を愛する内田康夫氏の名前を冠する文学賞です。
”なお、北区の地名・人物・歴史などを入れ込んだ作品を歓迎します。”とありますが、このことの有無が選考の基準とはならないと明記されているので安心して応募できます。
短編ミステリが好きなひとは、ぜひとも挑戦してみてください!

<募集要項抜粋>
募集内容:短編小説
テーマ :ミステリ
大  賞:100万円
制限枚数:原稿用紙換算40~80枚
応募締切:平成29年9月29日(金)必着
応募方法:郵送
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【公募情報】第18回創作コンクールつばさ賞 [公募情報]

新人児童文学作家の登竜門です。

【主催者HP】
http://www.jidoubungei.jp/cn9/tsubasasyou.html

部門は詩、童話、読み物(中学年、高学年)の4部門です。
詩の原稿用紙2枚から高学年の80~150枚とバラエティに富んでいます。
審査基準は高いのか、部門によっては該当作なしも多いです。
2年に1度しかない賞なので、チャンスを逃さないようにしてください!

<募集要項抜粋>
募集内容:詩、童話、児童文学
制限枚数:2~150枚(部門により異なる)
応募締切:平成30年1月31日
応募方法:郵送

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