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【書評】高野和明『ジェノサイド』 [書評]

圧倒的なスケール感で迫るエンターテイメント大作です。


ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




ジェノサイド 下 (角川文庫)

ジェノサイド 下 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




第2回山田風太郎賞受賞、第65回日本推理作家協会賞……といった肩書がかすむほど圧倒的に面白いです。
本作は主に3本の柱で進んでいきます。
1本目が難病に冒された息子の治療費を稼ぐためにコンゴの奥地に送りこまれる傭兵。
2本目が日本で難病の特効薬の開発をする大学院生。
3本目が傭兵を指揮するアメリカ政府首脳です。
メインストーリーは1本目なのですが、サブストーリーはメインを引き立てるだけでなく、それぞれにドラマがあり、1本立ちできるだけのストーリーが組み立てられています。
そのうえで3本を絡ませ、まとめて収束させていくこの構想に圧巻です。
そして、特筆すべきは、綿密な調査だからこそ生み出せるリアリティーです。
著者は本作を発表するまで3年のブランクがありました。
調査を始めたのはさらに3年前とのことですから、都合6年の歳月を費やした作品といえそうです。
それだけの価値のある作品だと思います。

長編エンターテイメントの傑作だと思います!

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