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【書評】大森望責任編集『NOVA7』 [書評]

短編SFアンソロジー・シリーズの第7段です。


NOVA 7---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA 7---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 作者: 扇 智史
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/03/03
  • メディア: 文庫



今回は粒ぞろい。
なによりインパクトがあったのが、増田俊也の『土星人襲来』です。
東北大学在学中のヘルス嬢の元に、土星人がお客としてやってきます。
という設定から始まり、ファーストコンタクト・ギャクといったらよいのか、微妙に(とっても)ズレた会話が笑いを誘います。
最後のオチはややイミフですが、それ以外は非常に面白かった。創元SF短編賞の最終候補作だそうです。
西崎憲『開閉式』も絶妙な文章と奇妙な味わいのマッチが素晴らしい。
藤田雅矢『植物標本集』もショートショー風の味わいながら想像される風景が美しく、壁井ユカコ『ヒツギとイオリ』も風変わりな家族から美しい物語が紡ぎ出されます。
『NOVA7』は当たりだと思います。

ワンダーをもたらす物語を楽しみたいひと向けに!
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【公募情報】わたしの10年川柳 [公募情報]

とても親切な公募です。

【主催者HP】
http://www.forte-wajima.com/7874

10年川柳というと何をイメージするでしょうか。
公募における様々な疑問が、主催者HPによくあるご質問Q&Aにまとめてあります。
これを参考に応募してみてください。
応募締切りは平成29年8月31日までです!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :「10年」にまつわる出来事やエピソード
最優秀賞:JTB旅行券10万円
応募締切:平成29年8月31日
応募方法:郵送、FAX、持ち込み
その他 :1名3句まで。

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【書評】マイケル・モーガン『アナログ・ブレイン ~脳は世界をどう表象するか?~』 [書評]

脳と視覚との関係をより深く知ることができます。


アナログ・ブレイン―脳は世界をどう表象するか?

アナログ・ブレイン―脳は世界をどう表象するか?

  • 作者: マイケル モーガン
  • 出版社/メーカー: 新曜社
  • 発売日: 2006/11/25
  • メディア: 単行本



アナログ・ブレインとは、デジタルと対比させた言葉です。
人間の脳は、脳細胞単体での計算速度は遅いものの、とんでもないボリュームで並列処理をすることで、様々な処理を高速で行っています。
視覚もただ見るだけで無く、様々な処理を行うことで、初めて世界を感じることができます。
興味深い章がいろいろあるのですが、『第8章コントロールされた幻覚』が特に印象に残りました。
白い紙は白く見え、石炭は黒く見えます。
しかし、強い太陽の下の石炭は、月明かりの下の白紙より多くの光を反射します。
それでも、石炭は黒く見えます。
理由は脳が“推測“しているからです。

そのような脳が視覚をどう処理しているかについての知識がてんこもりです。
より勉強したいひと向けに!
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【公募情報】第22回愛の手紙コンクール [公募情報]

原稿用紙1枚での応募です。

【主催者HP】
http://www.f-bunka.sakura.ne.jp/ainotegami.html

回数を重ねて22回です。
袋井市はお茶の産地として有名ですが、この愛の手紙コンクールで知っているひとも多いかもしれません。
応募方法に郵送を基本とありますが、郵送以外の方法はかかれていません。
ちょっと気になったりして。
原稿用紙1枚以内、応募締切は平成29年8月31日です!

<募集要項抜粋>
募集内容:手紙文
テーマ :人々の心に残る愛の情感があふれた手紙文
優秀賞 :賞金5万円
制限枚数:原稿用紙1枚
応募締切:平成29年8月31日
応募方法:郵送
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【書評】藤田一郎『「見る」とはどういうことか~脳と心の関係をさぐる~』 [書評]

視覚の不思議な世界に誘います。


「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)

「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)

  • 作者: 藤田 一郎
  • 出版社/メーカー: 化学同人
  • 発売日: 2007/05/20
  • メディア: 単行本



錯視という不思議な現象があります。ただの絵なのに蛇のように動いて見えたり、所々点滅しているように見えたりします。
このように、視覚から入ったものを人間はそのまま“見ている“わけではありません。
海岸の足跡の写真も、ひっくり返しただけで浮き上がって見えます。
これらは、人間が視覚情報を、経験から来るルールに基づいて立体化しているからです。左右の目といった視野差だけで立体を判断しているわけではありません。
そのような視覚についての不思議を、著者が分かりやすく説明してくれます。
後半は視覚から飛び出し、心と脳の関係にも触れます。

視覚の世界をより知りたい人向けに!

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最近の日常【平成29年7月中旬】 [日常]

〔健康診断〕
職場の健康診断があり、体重が58kg半ばまで減少していることが分かった。通常は62kg台なので、ここ3か月で4kgの減少です。ちなみに身長は179.5cm。
さすがに「やせぎみ」から「やせすぎ」にランクダウンするかもしれない。
自分の体重はおおむね仕事量反比例していて、ちょっといまは厳しいかも。素で計算すると先月は過労死ラインに到達しており、今月もほぼ確実で、来月以降も継続する模様です。
いまいろいろと調教中なので、成果がでてくれば、少しは楽になるのですが。
落ち着くのは来年かなあ……この調子だと……。

〔マスコミは大丈夫か?〕
最近、報道を見て心配になってくる。
一般人だったら名誉毀損に当たりそうな報道を裏取りをせずに流したり、資料を読み込めば分かる話を、資料の一部をカットしたあげく不自然な解釈をして一般家庭にばら撒く。
専門的には明らかに誤りである語句を連呼し、結果として偏った印象を与える。

報道が中立であるとの前提の話ですが、全体的に不勉強が著しいです。
特に自分の専門分野がからむ報道を見ると、もう、ため息しかでません。
新聞の顔ともいえる社説ですら、間違いだらけです。

こんな報道を続けていけば、政治家や官僚のレベルが下がり、国民全体が不幸となります。
自らの持つ力の大きさを考えて、報道には慎重になって欲しいなあと思いつつ。

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共通テーマ:日記・雑感

【公募情報】第5回想いの俳句コンテスト [公募情報]

石のサンポウが俳句を募集しています。

【主催者HP】
http://www.sanpo5.jp/2017/03/4939/

具体的なテーマは設定されていないようですが、過去受賞作を詠むと、やはりお墓に関する内容が選ばれているようです。
墓石会社ですからね。
応募は郵送のみであることに注意してください。
応募締切は平成29年8月25日(金)必着です!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
最優秀賞:賞金5万円
応募締切:平成29年8月25日
応募方法:郵送

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【書評】山口真美『視覚世界の謎に迫る』 [書評]

目に入るものを“見ている“とは限りません。


視覚世界の謎に迫る 脳と視覚の実験心理学 (ブルーバックス)

視覚世界の謎に迫る 脳と視覚の実験心理学 (ブルーバックス)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11/20
  • メディア: Kindle版



人間は“脳”でものを見ています。
光は瞳孔を通して入ってきますが、脳内で様々な処理をして、整理整頓された画像を人間は感じ取ります。
様々な経験から見えていないものを見たり、感じたりすることで、人間は自由自在に行動することができます。
何らかの障害で整理整頓ができなくなると、様々な不思議な現象が起こります。
そうした視覚の世界がコンパクトにまとめられています。

視覚入門としてうってつけの本だと思います!
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【公募情報】たばこ屋さん川柳2017 [公募情報]

非喫煙者からの応募もOKです。

【主催者HP】
http://www.tokyo-tabakoya.com/saihakken/2017_senryu_vol01.html

たばこ屋さん川柳は毎年テーマが異なり、今年は「忘れられない思い出の一本」です。
過去の受賞作品を詠むと、テーマをしっかりと踏まえた作品が好印象のようです。
たばこを吸うひとも吸わないひとも!

<募集要項抜粋>
募集内容:川柳
テーマ :忘れられない思い出の一本
1  位:JCBギフトカード2万円
応募締切:平成29年8月16日
応募方法:インターネット
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【書評】大森望責任編集『NOVA6』 [書評]

オリジナルSF短編アンソロジーの第6段です。


NOVA 6---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA 6---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2011/11/05
  • メディア: 文庫



宮部みゆきがシリーズ2度目の登場です。
1度目の『聖痕』はあまり印象に残らなかったのですが、今回の『保安官の明日』は素直に面白いと感じました。
エンターテイメントに徹したSFといった感じで、幅広い読者の支持を集めそうです。
もう1作、エンターテイメント色が強いのが蘇部健一『硝子の向こうの恋人』です。使い古されたタイムマシン物ですが、理解しやすく、安心して読めます。
また、七桂弁京『十五年の孤独』の雰囲気も好きです。
こうして、普段はお目にかかれない作家を読めるのも、NOVAシリーズの醍醐味だと思います。

新しい作家と出会いたいひと向けに!


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