SSブログ

【書評】鳴海風『和算の侍』 [書評]

和算をテーマにした時代短編連作集です。


和算の侍 (新潮文庫)

和算の侍 (新潮文庫)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/09/28
  • メディア: 文庫



なにより注目は、第16回歴史文学賞を受賞した『円周率を計算した男』です。
主人公は円周率の公式を欧米に先駆けて発見した建部賢弘で、算術に没頭する侍たちの苦悩を描き出しています。
和算は日本独自の数学で、関孝和にとって突如として発展し、その後流派ごとの秘密主義が横行して発展が停滞しました。
そして、明治維新とともに欧米の数学が流れ込み、急速に駆逐されてしまいます。
数学がテーマと聞くと尻込みしそうですが、人間ドラマがきっちりと書かれているので、公式が分からなくても歴史小説として楽しめます。

一風変わった世界を知りたいひとのために!


nice!(8)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 8

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0