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【書評】大森望責任編集『NOVA7』 [書評]

短編SFアンソロジー・シリーズの第7段です。


NOVA 7---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

NOVA 7---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 作者: 扇 智史
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/03/03
  • メディア: 文庫



今回は粒ぞろい。
なによりインパクトがあったのが、増田俊也の『土星人襲来』です。
東北大学在学中のヘルス嬢の元に、土星人がお客としてやってきます。
という設定から始まり、ファーストコンタクト・ギャクといったらよいのか、微妙に(とっても)ズレた会話が笑いを誘います。
最後のオチはややイミフですが、それ以外は非常に面白かった。創元SF短編賞の最終候補作だそうです。
西崎憲『開閉式』も絶妙な文章と奇妙な味わいのマッチが素晴らしい。
藤田雅矢『植物標本集』もショートショー風の味わいながら想像される風景が美しく、壁井ユカコ『ヒツギとイオリ』も風変わりな家族から美しい物語が紡ぎ出されます。
『NOVA7』は当たりだと思います。

ワンダーをもたらす物語を楽しみたいひと向けに!
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